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朱雀
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すざく
ふりがな文庫
“
朱雀
(
すざく
)” の例文
その燕作は、いましも、三人の僧を早く早くと
急
(
せ
)
かしながら、
朱雀
(
すざく
)
の
馬場
(
ばば
)
を右にそって、しだいに道を
天
(
てん
)
ヶ
丘
(
おか
)
の方角へとって
駈
(
か
)
けている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「この地の形相をみまするに、
左
(
さ
)
青竜
(
しょうりゅう
)
、
右
(
う
)
白虎
(
びゃっこ
)
、
前
(
ぜん
)
朱雀
(
すざく
)
、
後
(
ご
)
玄武
(
げんむ
)
の四神の配置にふさわしき土地、帝都の地としてまことに適当と存じます」
現代語訳 平家物語:05 第五巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
朱雀
(
すざく
)
院ともお別れして閑散な独身生活にはいっているそのこと自身がお心を
惹
(
ひ
)
いて、お逢いになりたくてならないのであった。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
猪熊
(
いのくま
)
のばばに別れた太郎は、時々扇で風を入れながら、日陰も選ばず、
朱雀
(
すざく
)
の
大路
(
おおじ
)
を北へ、進まない歩みをはこんだ。——
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そうして、柳町から六条へ移り、「新屋敷」の名が「
三筋町
(
みすじまち
)
」となり、三転して今の
朱雀
(
すざく
)
へ移って、「島原」の名を得たのが、寛永十八年ということで。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
轟
(
とゞろ
)
く胸を
抑
(
おさ
)
へつゝ、
朱雀
(
すざく
)
の
方
(
かた
)
に來れば、向ひより
形
(
かたち
)
亂
(
みだ
)
せる二三人の女房の
大路
(
おほぢ
)
を北に急ぎ行くに、瀧口呼留めて事の由を尋ぬれば、一人の女房立留りて悲しげに
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
老大納言
卒去
(
そっきょ
)
の翌年に左大臣時平が死に、それから約四十年の間に時平の一族が次々に滅んだことは既に記した通りであるが、天子は
醍醐
(
だいご
)
、
朱雀
(
すざく
)
を経て
村上
(
むらかみ
)
となり
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
六十一代
朱雀
(
すざく
)
天皇
天慶
(
てんぎょう
)
七年秩父別当武光同其子七郎武綱
云々
(
うんぬん
)
という文見え、また天慶七年武光奏し奉りて勅を
蒙
(
こうむ
)
り五条天皇(疑わし)
少彦名命
(
すくなひこなのみこと
)
を蔵王権現の宮に合せ
祀
(
まつ
)
りて云々と見えたり。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「老師、老師、ご覧の通りじゃ。貴僧ご秘蔵の芳江姫、愚老を恋して結婚なさる。
九献
(
くこん
)
の
盃
(
さかずき
)
致した上は指さえ差させぬ
拙者
(
せっしゃ
)
が妻。よくお眼止めてご覧くだされい! ……
朱雀
(
すざく
)
四郎よ、盃を持て!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
銭形平次の揷絵を受持ってもらったのは、鈴木
朱雀
(
すざく
)
、清水三重三、野口昂明、神保朋世、
鴨下
(
かもした
)
晁湖
(
ちょうこ
)
などの人々がある。みんな練達のベテランで、そして勉強家であることに大いに敬意を払っている。
胡堂百話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
朝風に若菜売る児の声すなり
朱雀
(
すざく
)
の
柳
(
やなぎ
)
眉
(
まゆ
)
いそぐらむ
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
ただ后腹というわずかな違いがあっただけで
朱雀
(
すざく
)
院の
帝
(
みかど
)
の御待遇も、当帝の
一品
(
いっぽん
)
の宮を尊重あそばすのに変わりはなかったにもかかわらず
源氏物語:54 蜻蛉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
いうが早いか燕作は、
朱雀
(
すざく
)
の原をななめにきッて、お手のものの
韋駄天
(
いだてん
)
ばしり、どこへ
駈
(
か
)
けたか、たちまち、すがたは
朧
(
おぼろ
)
の
末
(
すえ
)
にかくれてしまう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半時
(
はんとき
)
ののち、人通りのない
朱雀
(
すざく
)
の
大路
(
おおじ
)
を、二人は静かに馬を進めて行った。兄も黙っていれば、弟も口をきかない。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
帝
(
みかど
)
は午前六時に御出門になって、
朱雀
(
すざく
)
大路から五条通りを西へ折れてお進みになった。道路は見物車でうずまるほどである。
源氏物語:29 行幸
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
その常磐は近頃、獄から下げられて、七
条
(
じょう
)
朱雀
(
すざく
)
あたりの小館に、母や子どもらと共に無事にいる。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二月二十幾日に
朱雀
(
すざく
)
院へ行幸があった。桜の盛りにはまだなっていなかったが、三月は母后の
御忌月
(
おんきづき
)
であったから、この月が選ばれたのである。
源氏物語:21 乙女
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
空にはうつくしい
金剛雲
(
こんごうぐも
)
、
朱雀
(
すざく
)
のはらには、
観世水
(
かんぜみず
)
の
小流
(
ささなが
)
れが、ゆるい
波紋
(
はもん
)
をながしている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六条院の御子の源中納言が参院した時に、御病室の
御簾
(
みす
)
の中へお招きになり、
朱雀
(
すざく
)
院はいろいろなお話をあそばされた。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
弓矢
甲冑
(
かっちゅう
)
を帯し、きょう
卯
(
う
)
の
刻
(
こく
)
、七条
朱雀
(
すざく
)
を西へお供申して行ったのであった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朱雀
(
すざく
)
院の御恩顧を受けた人たちとか、六条院に近づいていた人たちとかは今も入道の宮へ時おりの敬意を表しにまいることを怠らないのであった。
源氏物語:46 竹河
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
朱雀
(
すざく
)
方面からこれへ疾走してきた一団の騎馬があり、馬を
跳
(
と
)
び降りるやいな、その十数人の武者が、いきなり群集を割ッて、どなり散らしつつ進んでいたので、迷い子の声も、人々の同情も
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大楽というほどの大がかりなものでなく、感じのよいほどの奏楽の前で御所の侍童たちが舞った。
朱雀
(
すざく
)
院の
紅葉
(
もみじ
)
の賀の日がだれにも思い出された。
源氏物語:33 藤のうら葉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
朱雀
(
すざく
)
院では姫宮の六条院へおはいりになる準備がととのった。今までの求婚者たちの失望したことは言うまでもない。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
今年
(
ことし
)
の正月には
男踏歌
(
おとことうか
)
があった。御所からすぐに
朱雀
(
すざく
)
院へ行ってその次に六条院へ舞い手はまわって来た。道のりが遠くてそれは夜の明け方になった。
源氏物語:23 初音
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
朱雀
(
すざく
)
院が晩年に六条院へお託しになった姫宮の例をお思いになって、その姫君たちを得たい、つれづれをあるいは慰められるかもしれないと思召すのである。
源氏物語:47 橋姫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
朱雀
(
すざく
)
院の法皇はもう御命数も少なくなったように心細くばかり思召されるのであるが、この世のことなどはもう顧みないことにしたいとお考えになりながらも
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
今の
帝
(
みかど
)
の第三の宮と、同じ六条院で成長した
朱雀
(
すざく
)
院の
女三
(
にょさん
)
の
宮
(
みや
)
の若君の
二人
(
ふたり
)
がとりどりに美貌の名を取っておいでになって、実際すぐれた貴公子でおありになったが
源氏物語:44 匂宮
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
六条院が晩年に
朱雀
(
すざく
)
院の姫宮にお生ませになった若君で、冷泉院が御子のように大事にあそばす四位の侍従は、そのころ十四、五で、まだ小さく、幼いはずであるが
源氏物語:46 竹河
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「
宇陀
(
うだ
)
の法師」の昔のままの音を
朱雀
(
すざく
)
院は珍しくお聞きになり、身にしむようにもお感じになった。
源氏物語:33 藤のうら葉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
もう京へ伴ってもよいほどに病人はなっていたが、
陰陽道
(
おんようどう
)
の神のために方角がふさがり、尼君たちの
住居
(
すまい
)
のほうへは帰って行かれぬので、お
亡
(
かく
)
れになった
朱雀
(
すざく
)
院の御領で
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
こうした人の価値を認めて愛する
良人
(
おっと
)
のないはずはない、
朱雀
(
すざく
)
院が姫宮を六条院へお
嫁
(
とつ
)
がせになった時のことを思ってごらんになると、あの当時は飽き足らぬことである
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
すぐれた物とされている以前の
朱雀
(
すざく
)
院の法を原則にして
公忠朝臣
(
きんただあそん
)
が精製したといわれる
百歩
(
はくぶ
)
の処方などを参考として作った物は、製作に払われた苦心の効果の十分に表われた
源氏物語:32 梅が枝
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
まだ子供であった時から
朱雀
(
すざく
)
院が特別にお愛しになってお手もとでお使いになった衛門督であって、院が山の寺へおはいりになってからは東宮へもよく伺って敬意を表していた。
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
踏歌の組は
朱雀
(
すざく
)
院で皇太后の宮のほうへ行っても一回舞って来たのであったから、時間がおそくなり、夜も明けてゆくので、
饗応
(
きょうおう
)
などは簡単に済ますのでないかと思っていたが
源氏物語:23 初音
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
御前
(
ごぜん
)
、中宮、
朱雀
(
すざく
)
院へまわるのに夜が
更
(
ふ
)
けるために、今度は六条院へ寄ることを源氏が辞退してあった。朱雀院から引き返して、東宮の御殿を二か所まわったころに夜が明けた。
源氏物語:31 真木柱
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
持った男ですね。六条院すら
朱雀
(
すざく
)
院の晩年に御出家をされる際にあの母宮をお得になったくらいのことだし、私などはましてだれもお許しにならないのをかってに拾ったにすぎない
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
冷泉
(
れいぜい
)
院が東宮でおありになった時代に、
朱雀
(
すざく
)
院の御母后が廃太子のことを計画されて、この八の宮をそれにお代えしようとされ、その方の派の人たちに利用をおされになったことがあるため
源氏物語:47 橋姫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
昔の尚侍を
朱雀
(
すざく
)
院の母后が厳重な監視をして、源氏に逢わせまいとされた時がちょうどこんなのであったと、その当時の苦しさと今を比較して考えてみたが、これは現在のことであるせいか
源氏物語:31 真木柱
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
十月の二十日過ぎに六条院へ
行幸
(
みゆき
)
があった。興の多い日になることを予期されて、主人の院は
朱雀
(
すざく
)
院をも御招待あそばされたのであったから、珍しい盛儀であると世人も思ってこの日を待っていた。
源氏物語:33 藤のうら葉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
朱雀
(
すざく
)
院からはたびたびそのお気持ちを示され、それとなく仰せになったこともあったのであるがと思いながらも、よく
隙
(
すき
)
の見えることを知っていては女王に惹かれたほど心は動きもしないのであった。
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「そうです。まだ
家
(
うち
)
へ帰っていないのですよ。
朱雀
(
すざく
)
院の行幸の日の楽の役と
舞
(
まい
)
の役の人選が今日あるのだそうですから、大臣にも相談しようと思って退出したのです。そしてまたすぐに御所へ帰ります」
源氏物語:06 末摘花
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
朱雀
(
すざく
)
院の行幸は十月の十幾日ということになっていた。
源氏物語:07 紅葉賀
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
朱雀
(
すざく
)
院から伝わった物で薫の所有するものである。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
この十月に
朱雀
(
すざく
)
院へ行幸があるはずだった。
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
“朱雀”の意味
《名詞》
朱 雀(しゅじゃく、すざく)
(東アジア文化において)南方を守護する神獣。四神の一つ。五竜の赤竜に相当。
(出典:Wiktionary)
“朱雀”の解説
朱雀(すざく、すじゃく、しゅじゃく、)とは、中国の伝説上の神獣(神鳥)で、四神(四獣・四象)・五獣の一つで朱鳥(しゅちょう)とも呼ばれる。福建省では赤虎(せきこ)に置き換わっている。
(出典:Wikipedia)
朱
常用漢字
中学
部首:⽊
6画
雀
漢検準1級
部首:⾫
11画
“朱雀”で始まる語句
朱雀大路
朱雀門
朱雀野
朱雀院
朱雀玄武旗
朱雀綾小路