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掻合
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かきあ
ふりがな文庫
“
掻合
(
かきあ
)” の例文
『
奈何
(
どう
)
でも
可
(
い
)
い……。』と、アンドレイ、エヒミチは
體裁
(
きまり
)
惡
(
わる
)
さうに
病院服
(
びやうゐんふく
)
の
前
(
まへ
)
を
掻合
(
かきあ
)
はせて、さも
囚人
(
しうじん
)
のやうだと
思
(
おも
)
ひながら
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
細
(
ほっそ
)
りした姿で、薄い色の
褄
(
つま
)
を引上げ、腰紐を直し、伊達巻をしめながら、襟を
掻合
(
かきあ
)
わせ掻合わせするのが、茂りの
彼方
(
かなた
)
に枝透いて、
簾
(
すだれ
)
越に
薬玉
(
くすだま
)
が消えんとする。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
甲斐はやさしい眼で七十郎を見まもり、七十郎は怒りのために
吃
(
ども
)
った。彼はふところで組んでいた両手を出し、
衿
(
えり
)
を
掻合
(
かきあ
)
わせながら、冗談じゃない、と吃った。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
頽
(
くづ
)
せし膝立て直し
屹
(
きつ
)
と
衣
(
ころも
)
の襟を
掻合
(
かきあ
)
はせぬ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
宿へ
遁返
(
にげかえ
)
った時は、顔も白澄むほど、女二人、杓子と擂粉木を出来得る限り、
掻合
(
かきあ
)
わせた袖の下へ。——あら、まあ、笛吹は分別で、チン、カラカラカラ、チン。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
エヒミチは
体裁
(
きまり
)
悪
(
わる
)
そうに
病院服
(
びょういんふく
)
の
前
(
まえ
)
を
掻合
(
かきあ
)
わせて、さも
囚人
(
しゅうじん
)
のようだと
思
(
おも
)
いながら、『どうでもいいわ……
燕尾服
(
えんびふく
)
だろうが、
軍服
(
ぐんぷく
)
だろうが、この
病院服
(
びょういんふく
)
だろうが、
同
(
おな
)
じことだ。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
間は
稲荷山
(
いなりやま
)
ただ
一丁場
(
ひとちょうば
)
だけれども、線路が上りで、進行が緩い処へ、乗客が急に少く、二人三人と数えるばかり、
大
(
おおき
)
な木の葉がぱらりと落ちたようであるから、
掻合
(
かきあ
)
わす
外套
(
がいとう
)
の
袖
(
そで
)
も
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
の
發狂者
(
はつきやうしや
)
らしい
所
(
ところ
)
は、
始終
(
しゞゆう
)
氣
(
き
)
の
張
(
は
)
つた
樣子
(
やうす
)
と、
變
(
へん
)
な
眼付
(
めつき
)
とをするの
外
(
ほか
)
に、
時折
(
ときをり
)
、
晩
(
ばん
)
になると、
着
(
き
)
てゐる
病院服
(
びやうゐんふく
)
の
前
(
まへ
)
を
神經的
(
しんけいてき
)
に
掻合
(
かきあ
)
はせると
思
(
おも
)
ふと、
齒
(
は
)
の
根
(
ね
)
も
合
(
あ
)
はぬまでに
全身
(
ぜんしん
)
を
顫
(
ふる
)
はし
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
と
居坐居
(
いずまい
)
を直して、キチンとすると、
掻合
(
かきあ
)
わせる浴衣を……
潜
(
くぐ
)
って触る自分の
身体
(
からだ
)
が、何となく、するりと
女性
(
にょしょう
)
のようで、ぶるッとして、つい、と腕を出して、つくづくと
視
(
なが
)
める始朱。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
の
発狂者
(
はっきょうしゃ
)
らしい
所
(
ところ
)
は、
始終
(
しじゅう
)
気
(
き
)
の
張
(
は
)
った
様子
(
ようす
)
と、
変
(
へん
)
な
眼付
(
めつき
)
とをするの
外
(
ほか
)
に、
時折
(
ときおり
)
、
晩
(
ばん
)
になると、
着
(
き
)
ている
病院服
(
びょういんふく
)
の
前
(
まえ
)
を
神経的
(
しんけいてき
)
に
掻合
(
かきあ
)
わせると
思
(
おも
)
うと、
歯
(
は
)
の
根
(
ね
)
も
合
(
あ
)
わぬまでに
全身
(
ぜんしん
)
を
顫
(
ふる
)
わし
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
婦
(
おんな
)
がその私の手首を、こう取ると……無意識のようじゃありましたが、下の襟を片手で取って、ぐいと胸さがりに脇へ引いて、
掻合
(
かきあ
)
わせたので、災難にも、私の手は、
馥郁
(
ふくいく
)
とものの薫る
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
与吉は
半被
(
はっぴ
)
の袖を
掻合
(
かきあ
)
わせて、立って見て居たが、急に振返って
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
與吉
(
よきち
)
は
半被
(
はつぴ
)
の
袖
(
そで
)
を
掻合
(
かきあ
)
はせて、
立
(
た
)
つて
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たが、
急
(
きふ
)
に
振返
(
ふりかへ
)
つて
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
酔
(
よい
)
も
覚
(
さ
)
めて来た」「おお
寒
(
さむ
)
」など、
皆
(
みんな
)
、
襟
(
えり
)
、袖を
掻合
(
かきあ
)
わす。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とさら/\と
法衣
(
ころも
)
の
袖
(
そで
)
を
掻合
(
かきあ
)
はせる
音
(
おと
)
がして
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
掻
漢検準1級
部首:⼿
11画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“掻”で始まる語句
掻
掻巻
掻込
掻廻
掻消
掻口説
掻取
掻分
掻乱
掻上