“かきあ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
掻上48.1%
掻合44.4%
抱合3.7%
掻揚3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長く濃かった髪は灰色に変って来て、染めるに手数は掛かったが、よく手入していて、その額へ垂下って来るやつを掻上かきあげるたびに、若い時と同じような快感を覚えた。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ほっそりした姿で、薄い色のつまを引上げ、腰紐を直し、伊達巻をしめながら、襟を掻合かきあわせ掻合わせするのが、茂りの彼方かなたに枝透いて、すだれ越に薬玉くすだまが消えんとする。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婦人をんな衣紋えもん抱合かきあはせ、ちゝしたでおさへながらしづかに土間どまうまわきへつゝとつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すこし癖はあるが長めにした光沢つやの好い頭髪かみかまわず掻揚かきあげているような男の教師の前へも行って立った。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)