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採集
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さいしふ
望蜀生と
余とは、
夢中に
成つて、それを
採集した。
其數實に二
百七十六
本。それを四
箇の
大布呂敷に
包み、二
箇宛を
分けて
持つ
事にした。
三十六
年の
夏、
水谷氏が
内の
望蜀生と
共に
採集に
出かけて、
雪ヶ
谷の
圓長寺の
裏の
往還を
掘つて
居た。
道路が
遺跡に
當るので、それをコツ/\
掘りかへして
居たのだ。
それに
余は
蠻勇を
以て
任じて
居るので、一
度採集した
物は、いくら
途中で
持重りがしても、それを
捨てるといふ
事を
爲ぬ。
肩の
骨が
折れても、
持つて
歸らねば
承知せぬ。
望蜀生が
採集から
歸つて
來た。それは三十六
年十一
月三十
日の
夕方。