手習てならひ)” の例文
翌年よくねん、二ぐわつ初午はつうまことで、元二げんじばんおもむきへて、部屋へや一人ひとり火鉢ひばちひきつけながられいうた手本てほんに、うつくしいかなの手習てならひをしてた。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やまなかにあつたとうさんのおうちでは、なにからなにまで手製てせいでした。手習てならひのお手本てほんから讀本とくほんまで、祖父おぢいさんの手製てせいでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
つくす故夫婦のよろこび一方ならず久八も手習てならひより歸れば何時も近所の子供と遊びけるがをりふれては少しのあらそひより友達ともだち子供等が久八の捨子々々と云ければ何とて我が事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
手習てならひに行くと、よくいたづらつ子にいぢめられる。それも、師匠に云ひつければ、あとたたりが恐ろしい。そこで、涙をのみこんで、一生懸命に又、草紙さうしをよごしに行く。
世之助の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その不思議といふは、昔より此逃入村の人手習てならひをすれば天満宮のたゝりありとて一村の人皆無筆むひつなり。他郷たきやうよせて手習すればたゝりなし。しかれども村にかへれば日をおひわすれ、つひには無筆となる。
わざとらずがほつくりながらもくれなゐわれしらずおほ袖屏風そでびやうぶにいとゞこゝろのうちあらはれて今更いまさらきたることもありひとみぬひまの手習てならひ松澤まつざはたかとかいてまた塗隱ぬりかくすあどけなさ利發りはつえても未通女氣おぼこぎなりおなこゝろ芳之助よしのすけごとしとくちにはいへど歳月としつきはわがためゆづるたゆみしやうにおぼえてかしらすほどのまどろかしさよ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
徳太郎信房君と申せしみぎり拙者は虎伏山竹垣城へ九條殿下の使者ししやにて參りお手習てならひ和學わがくの御教導を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
となりのおゆうさんが手習てならひ祖父おぢいさんのいたお手本てほんならふのもその部屋へやでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その不思議といふは、昔より此逃入村の人手習てならひをすれば天満宮のたゝりありとて一村の人皆無筆むひつなり。他郷たきやうよせて手習すればたゝりなし。しかれども村にかへれば日をおひわすれ、つひには無筆となる。
むか手習てならひかよはせけるに讀書よみかきとも一を聞て十を知り兩親りやうしん言葉ことばそむく事無孝行を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)