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感覺
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かんかく
御覽なさい、
世界の
始から、
今日に
至るまで、
益〻進歩して
行くものは
生存競爭、
疼痛の
感覺、
刺戟に
對する
反應の
力などでせう。
單に
一箇所の
觀測のみによつて
震原の
位置が
推定せられるのであるが、しかしながら
身體の
感覺のみにてはかような
結果を
得ることは
困難である。
『まァ、お
前の
感覺は
何うかしてるんだわ』と
云つて
愛ちやんは、『
私には
何うしても
變に
思はれてよ』
彼はそれから
身體が
固まるやうに
思ひながら、
疎い
白髮の
梳られるのをも、
微に
感覺を
有した。
雞の
聲が
耳に
遠く
聞えて
消滅するのを
知つた。
彼は
遂にうと/\と
成つて
畢つた。
宗助の
感覺には、
山寺の
寒さ
以上に、
一種嚴かな
氣が
加はつた。
漬けた
玉菜や、ランプの
燻や、
南京蟲や、アンモニヤの
臭が
混じて、
入つた
初めの一
分時は、
動物園にでも
行つたかのやうな
感覺を
惹起すので。
つぎに、
最初の
一瞬間の
感覺によつて
地震の
大小強弱を
判斷する
事について
述べて
見たい。
如何となれば、
人間全體は、
餓だとか、
寒だとか、
凌辱めだとか、
損失だとか、
死に
對するハムレツト
的の
恐怖などの
感覺から
成立つてゐるのです。