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あとさき
ふりがな文庫
“
後前
(
あとさき
)” の例文
「敵討騒ぎの
後前
(
あとさき
)
から、山を降りた虚無僧は一人もありません。山番や見廻りの者が言うことですから、これは間違いのない積りで——」
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
今の毛と重ね、
爾々
(
そう/\
)
其通り
後前
(
あとさき
)
互違
(
たがいちがい
)
に二本の毛を重ね一緒に二本の指で
摘
(
つまん
)
で、イヤ違ます人差指を下にして其親指を上にして爾う摘むのです
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
そこでだ、若し後藤肇の行動が、
後前
(
あとさき
)
見ずの乱暴で、其乱暴が
生得
(
うまれつき
)
で、そして、果して真に困ツ
了
(
ちま
)
ふものならばだね、忠志君の鼠賊根性は
怎
(
どう
)
だ。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
変ったことに見られたのは、三、四名の具足をつけた武者が、眼を光らせて、物々しそうに、その宗易の
後前
(
あとさき
)
について、警固して来たことだった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
臆面
(
おくめん
)
もなく言うて
退
(
の
)
けつ。
渠
(
かれ
)
は少年の血気にまかせて、
後前
(
あとさき
)
見ずにいいたるが、さすがにその妻の前なるに心着きけむ、お貞の色をうかがいたり。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
私が詳しく事情を話せば、車掌は列車の
後前
(
あとさき
)
へ濃霧信号を出してくれる。それでわれわれは救われるわけです。
十時五十分の急行
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
……言うまでもなく、あの事件の
後前
(
あとさき
)
にはすりかえができるような、そういう隙は一度もなかったから。
顎十郎捕物帳:07 紙凧
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
靴を
後前
(
あとさき
)
を逆にしてはこうかとも思ったが、しかし同一方向に三つの足跡があると云うことになると、それはもう一目瞭然に、
瞞著
(
まんちゃく
)
であると云うことが看破されてしもう。
空家の冒険
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
後前
(
あとさき
)
の見境もなく、一緒になってしまって、後で、後悔をする、もっとよい女が嫁に貰えたの、もっと、よい聟が——と。しかし、二人は、よう揃うておる。申分は無い。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
角笛を胸に吊した紅矢を
後前
(
あとさき
)
に従えた藍丸王は白い馬に乗って、華やかな鎧を着た番兵の敬礼を受けながら、悠々とお城の門を出かけたが、
流石
(
さすが
)
藍丸国第一の都だけあって
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「余り蒲田が
手酷
(
てひど
)
い事を為るから、僕も、さあ、それを案じて、
惴々
(
はらはら
)
してゐたぢやないか。嘉納流も可いけれど、
後前
(
あとさき
)
を考へて遣つてくれなくては
他迷惑
(
はためいわく
)
だらうぢやないか」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
今日は特別に早引けで五時限りにして
遣
(
や
)
るから、其跡で持場や、部屋の居廻りヨ念入りに片付けて掃除をしろ、夫からモ一つ言って置くがナ、手前達、物を言うにゃア、ようく
後前
(
あとさき
)
ヨ考えてぬかせ
監獄部屋
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
「恐れ入ります。紛失の品と、それを狙ふ者のお心當り、無くなつた
後前
(
あとさき
)
の事など、殿樣から直々に承はりたく存じまして——」
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこでだ、若し後藤肇の行動が、
後前
(
あとさき
)
見ずの亂暴で、其亂暴が
生來
(
うまれつき
)
で、そして、果して眞に困つちまふものならばだね、忠志君の鼠賊根性は
怎
(
どう
)
だ。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今一
人
(
にん
)
、
唐縮緬
(
とうちりめん
)
の帯をお太鼓に結んで、人柄な高島田、風呂敷包を小脇に抱えて、
後前
(
あとさき
)
に寮の方から路地口へ。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
爺やの影は、老人とも思われないほど、
精悍
(
せいかん
)
でまた迅かった。壮年の頃から長年、馬の
後前
(
あとさき
)
について駈けた
脛
(
すね
)
の面影がある。しかし、その敏捷さは、岡本軍曹の疑いによけい自信を抱かせた。
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「正直者はそれが本當さ、——ところで、どんな野郎が拔いたんだ。三百八十兩が懷中から消えた
後前
(
あとさき
)
のことを、少し
詳
(
くは
)
しく聞かして貰はうか」
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
先方
(
むかう
)
から來た外套の頭巾の目深い男を遣過すと、不圖
後前
(
あとさき
)
を見𢌞して、ツイと許り其旅館の隣家の軒下に進んだ。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
自分との事のために、
離座敷
(
はなれざしき
)
か、
座敷牢
(
ざしきろう
)
へでも、送られて
行
(
ゆ
)
くように思われた、
後前
(
あとさき
)
を
引挟
(
ひっぱさ
)
んだ三人の
漢
(
おとこ
)
の首の、兇悪なのが、
確
(
たしか
)
にその意味を語っていたわ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
後前
(
あとさき
)
の考えもなく年景について参りました。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「正直者はそれが本当さ、——ところで、どんな野郎が抜いたんだ。三百八十両が懐中から消えた
後前
(
あとさき
)
のことを、少し詳しく聞かして貰おうか」
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
先方
(
むかう
)
から来た外套の頭巾目深の男を
遣過
(
やりすご
)
すと、不図
後前
(
あとさき
)
を見廻して、ツイと許り其旅館の
隣家
(
となり
)
の軒下に進んだ。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
死なば
後前
(
あとさき
)
、
冥土
(
めいど
)
の路の松並木では、遠い処に、影も、顔も見合おうず、と振向いて見まするとの……
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
間もなく田代屋を抜け出した一人の女——小風呂敷を胸に抱いて
後前
(
あとさき
)
を見廻しながら水道端の
宵闇
(
よいやみ
)
を
関口
(
せきぐち
)
の方へ急ぎます。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
手の空いたるが
後前
(
あとさき
)
に、「て」「り」「は」の提灯ふりかざし、仮花道より
練出
(
ねりいだ
)
して
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
無頓着といへば可のか、
向不見
(
むかうみず
)
といへば
可
(
いゝ
)
のか、正々堂々とか赤裸々とか君は云ふけれど露骨に云へや
後前
(
あとさき
)
見ずの亂暴だあね。それで通せる世の中なら、何處までも我儘通して行くも可さ。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「まア、そんな事はどうでもいい、——坊っちゃんの見えなくなった、
後前
(
あとさき
)
の事を詳しく聴こうじゃありませんか」
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
無頓着といへば
可
(
いい
)
のか、
向不見
(
むかうみず
)
といへば可のか、正々堂々とか赤裸々とか君は云ふけれど、露骨に云へや
後前
(
あとさき
)
見ずの乱暴だあね。それで通せる世の中なら、何処までも我儘通してゆくも可さ。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今昇った坂
一畝
(
ひとうね
)
り
下
(
さが
)
た処、
後前
(
あとさき
)
草がくれの
径
(
こみち
)
の上に、波に乗ったような趣して、二人並んだ姿が見える——
斉
(
ひとし
)
く雲のたたずまいか、あらず、その雲には、淡いが
彩
(
いろどり
)
があって、髪が黒く、
俤
(
おもかげ
)
が白い。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
近江屋の主人治兵衛、ちょうど折よく訪ねて行った、銭形の平次を奥へ招じ入れて、娘の行方不明になった
後前
(
あとさき
)
から、
空
(
から
)
の葬式を出した
経緯
(
いきさつ
)
まで詳しく話しました。
銭形平次捕物控:005 幽霊にされた女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
浮出
(
うきだ
)
したように真中へあらわれて、
後前
(
あとさき
)
に、これも肩から上ばかり、
爾時
(
そのとき
)
は男が三人、
一
(
ひと
)
ならびに松の葉とすれすれに、しばらく
桔梗
(
ききょう
)
刈萱
(
かるかや
)
が
靡
(
なび
)
くように見えて、
段々
(
だんだん
)
低くなって隠れたのを、何か
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
後前
(
あとさき
)
の様子を見ると、流しや出来心で入った泥棒ではあるまい、判ったか、八」
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
襖がくれの半身で、廊下の
後前
(
あとさき
)
を
熟
(
じっ
)
と
視
(
み
)
て、人の影もなかった途端に、振返ると、引寄せた。お珊の
腕
(
かいな
)
が
頸
(
うなじ
)
にかかると、倒れるように、ハタと膝を
支
(
つ
)
いた、多一の唇に、
俯向
(
うつむ
)
きざまに、
衝
(
つ
)
と。——
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
後前
(
あとさき
)
の樣子を見ると、流しや出來心で入つた泥棒ではあるまい。判つたか、八」
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後前
(
あとさき
)
を見廻して
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それが大それた謀反の
仕度
(
したく
)
とは、どうして気が付きましょう。先頃から出入の人達、——私が井上様から秘巻を奪った
後前
(
あとさき
)
の手伝い、——腑に落ちないことばかりと思って居りました」
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「子供さん達が見えなくなつた
後前
(
あとさき
)
のことを、
詳
(
くは
)
しく聽き度いが——」
銭形平次捕物控:202 隠し念仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
昨夜
(
ゆうべ
)
どこかへ出たのでしょうか、
後前
(
あとさき
)
の事を詳しく聴かして下さい」
銭形平次捕物控:050 碁敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「昨夜何處かへ出たのでせうか、
後前
(
あとさき
)
の事を詳しく聽かして下さい」
銭形平次捕物控:050 碁敵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それじゃ
後前
(
あとさき
)
のことを、いろいろ聞かして貰いましょうか」
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「どうしたことだ、
後前
(
あとさき
)
のことを聽かしてくれ」
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
後前
(
あとさき
)
のことを
詳
(
くは
)
しく話してくれ」
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
後前
(
あとさき
)
の樣子だけでも話してくれ」
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後
常用漢字
小2
部首:⼻
9画
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常用漢字
小2
部首:⼑
9画
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