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干上
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ひあが
ふりがな文庫
“
干上
(
ひあが
)” の例文
僕等三人はしばらくの
間
(
あいだ
)
、
何
(
なん
)
の言葉も
交
(
かわ
)
さずに茫然と玄関に
佇
(
たたず
)
んでいた、伸び放題伸びた
庭芝
(
にわしば
)
だの
干上
(
ひあが
)
った古池だのを眺めながら。
悠々荘
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其処
(
そこ
)
はもはや生物の世界ではなく、暗黒な砂漠の
嵐
(
あらし
)
が狂い、
大塩湖
(
だいえんこ
)
の
干上
(
ひあが
)
った塩床が、探険者の足を頑強に
拒
(
こば
)
んでいる土地である。
『西遊記』の夢
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
含
(
ふく
)
み何にも
無
(
ない
)
が一ツ飮ふと
戸棚
(
とだな
)
より取出す
世帶
(
せたい
)
の貧乏徳利
干上
(
ひあが
)
る財布のしま干物
獻
(
さし
)
つ
押
(
おさ
)
へつ三人が
遠慮
(
ゑんりよ
)
もなしに
呑掛
(
のみかけ
)
たりお安は娘に逢度さを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この
辺
(
へん
)
一帯を
蔽
(
おお
)
うている
涯
(
は
)
てしもない雑木林の間の空地に出てから間もない処に在る小川の
暗渠
(
あんきょ
)
の上で、
殆
(
ほと
)
んど
干上
(
ひあが
)
りかかった
鉄気水
(
かなけみず
)
の流れが
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
六本の
箸
(
はし
)
で掻き混ぜていると
湯煎
(
ゆせん
)
の
空炒
(
からいり
)
になるから段々水気を蒸発して細い白い糸のようなものがカラカラに
干上
(
ひあが
)
る。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
「
俺
(
お
)
らがも困るだ。
汝
(
わ
)
れが困ると俺らが困るとは困りようが土台ちがわい。口が
干上
(
ひあが
)
るんだあぞ
俺
(
おら
)
がのは」
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
原稿が売れると云っても、まだまだ国へまで送金どころか、自分たちの口が時々
干上
(
ひあが
)
るのが多くて、私はその日も勤め口を探して足をつっぱらして帰ったのであった。
落合町山川記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
壁と云うと
鏝
(
こて
)
の力で塗り固めたような心持がするが、この壁は普通の
泥
(
どろ
)
が
天日
(
てんぴ
)
で
干上
(
ひあが
)
ったものである。ただ大地と
直角
(
ちょっかく
)
にでき上っている所だけが泥でなくって壁に似ている。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一つの湖水が全部
干上
(
ひあが
)
ってしまうという臆説のために、人民が動揺をはじめました。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかしまたそのほかにも
荒廃
(
こうはい
)
を
極
(
きわ
)
めたあたりの景色に——伸び
放題
(
ほうだい
)
伸びた
庭芝
(
にわしば
)
や水の
干上
(
ひあが
)
った古池に
風情
(
ふぜい
)
の多いためもない
訣
(
わけ
)
ではなかった。
悠々荘
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
流して頼みけれども女房お粂は
鼻
(
はな
)
で
會釋
(
あしらひ
)
那
(
あれ
)
も孝行是も孝行と其
度
(
たび
)
毎
(
ごと
)
に金を貸ては私どもの
腮
(
あご
)
が
干上
(
ひあが
)
る元々神田に居られし時は不自由もなき
身代
(
しんだい
)
成しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
代助は返事も
為
(
し
)
ずに書斎へ引き返した。椽側に
垂
(
た
)
れた君子
蘭
(
らん
)
の
緑
(
みどり
)
の
滴
(
したゝり
)
がどろ/\になつて、
干上
(
ひあが
)
り
掛
(
かゝ
)
つてゐた。代助はわざと、書斎と
座敷
(
ざしき
)
の
仕切
(
しきり
)
を
立
(
た
)
て
切
(
き
)
つて、
一人
(
ひとり
)
室
(
へや
)
のうちへ
這入
(
はい
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
騙
(
かた
)
り取其外二十や三十の
小
(
ちひ
)
さな
仕事
(
しごと
)
は
數
(
かず
)
知
(
し
)
れず
兎角
(
とかく
)
惡錢身に付ず忽ち元の
木阿彌
(
もくあみ
)
と
貧乏陶
(
びんばふとく
)
りも
干上
(
ひあが
)
る時弟の女房のお安めが娘に
逢
(
あは
)
せろ/\と
毎日々々
(
まいにち/\
)
迫
(
せま
)
るのも惡事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
御屋形
(
おやかた
)
の空へ星が流れますやら、御庭の紅梅が時ならず一度に花を開きますやら、
御厩
(
おうまや
)
の
白馬
(
しろうま
)
が
一夜
(
いちや
)
の内に黒くなりますやら、御池の水が見る間に
干上
(
ひあが
)
って、
鯉
(
こい
)
や
鮒
(
ふな
)
が泥の中で
喘
(
あえ
)
ぎますやら
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
干
常用漢字
小6
部首:⼲
3画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“干”で始まる語句
干
干乾
干戈
干潟
干物
干支
干瓢
干渉
干魚
干鰯