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ゆめみ
丘へ
上がると、
春のころは、
新緑が
夢見るように
煙った、たくさんの
木立は、いつのまにかきられて、わずかしか
残っていなかった。
ゆうべの
夢見が
忘れられぬであろう。
葉隠れにちょいと
覗いた
青蛙は、
今にも
落ちかかった三
角頭に、
陽射しを
眩ゆく
避けていた。
夢見の
里とも
申べき Nara la Morte にはかりよんの
音ならぬ
梵鐘の声あはれに
坐ろ
古を思はせ候
奧さんは
黒未勝ちな、
若々しいひとみを
夢見るやうに
見張りながら、
晴れやかにつぶやいた。
此方も、
又墓から
草鞋穿で
出て
來たやうな
古い
男に
逢つたので、
忘れるともなく
紛れたが、
祭禮の
太鼓と
云ふにつけて、
夢見る
耳に、
一撥、どろ/\と
入つたやうに、
目覺むるばかり
思出した。
七
尺有餘の
猛狒は
苦鳴をあげ、
鮮血を
吐いて
地上に
斃れた。
私と
少年とは
夢に
夢見る
心地。
韋駄天の
如く
其傍に
走り
寄つた
時、
水兵は
猛獸に
跨つて
止めの
一刀、
海軍士官は
悠然として
此方に
向つた。
夢見ごこちの
流盻や、
鐘の
響の
青びれに
うつ
向いた
眼許には、ほのかな
紅を
差して、
鬢の
毛が二
筋三
筋、
夢見るように
頬に
乱れかかっていた。