トップ
>
喜悦
>
きえつ
ふりがな文庫
“
喜悦
(
きえつ
)” の例文
信長の
喜悦
(
きえつ
)
は、非常なものだった。
播州
(
ばんしゅう
)
一円にとどまっていた自己の勢力が、初めて備前へ踏み込んだ最初の一歩として大きな意義がある。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たゞされしかば富右衞門の
女房
(
にようばう
)
お
峰
(
みね
)
其子城富は申に及ばず
親族
(
しんぞく
)
に至る迄
皆
(
みな
)
大岡殿の
仁智
(
じんち
)
を感じ
喜悦
(
きえつ
)
斜
(
なゝめ
)
ならず
殊
(
こと
)
さらに實子城富は見えぬ
眼
(
め
)
に
涙
(
なみだ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
嬉
(
うれ
)
しいに違いない、自慢をしてもよいに違いない。嬉しがる、自慢をする。その大金は
喜悦
(
きえつ
)
税だ、高慢税だ。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そう聴いた青年の面に、ある
喜悦
(
きえつ
)
の表情が、浮んでいるのが、美奈子は気が付かずにはいられなかった。その表情が、美奈子の心を、むごたらしく傷けてしまった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
私は「夫」を心から嫌っているには違いないが、でもこの男が私のためにこんなにも夢中になっているのを知ると、彼を気が狂うほど
喜悦
(
きえつ
)
させてやることにも興味が持てた。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
今
(
いま
)
から三四
時間
(
じかん
)
の
後
(
のち
)
には、
目的
(
もくてき
)
のコロンボ
市
(
し
)
の
附近
(
ふきん
)
に
降下
(
かうか
)
して、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
より
委任
(
いにん
)
されたる、
此度
(
このたび
)
の
大役
(
たいやく
)
をも
首尾
(
しゆび
)
よく
果
(
はた
)
す
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
るであらうと、
互
(
たがひ
)
に
喜悦
(
きえつ
)
の
眉
(
まゆ
)
を
展
(
ひら
)
く
時
(
とき
)
しも
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
さう、其處に僕の光榮と
喜悦
(
きえつ
)
があります。僕は全能の
主
(
しゆ
)
の
僕
(
しもべ
)
です。僕は人間の導きで——僕と同じ被造物の缺點だらけな法則と間違ひだらけな統御を受けて行くんぢやありません。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
そして悲惨の容器であった古き世界は、人類の上に
覆
(
くつがえ
)
って
喜悦
(
きえつ
)
の
壺
(
つぼ
)
となったのです。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その時の感謝と
喜悦
(
きえつ
)
とを想像で描き出して、小説でも読むように書いてあります。僕は岡君の手紙を読むと、いつでも僕自身の心がそのまま書き現わされているように思って涙を感じます。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
また人類のまだ純潔であった時代の祖先らの労働と
喜悦
(
きえつ
)
とであったのであるから、今この庭を造る人のいかにも不安らしい様子を見ていると、青年はなんとはなしに一種の怪しい恐怖をおぼえた。
世界怪談名作集:08 ラッパチーニの娘 アウペパンの作から
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
渓谷
(
けいこく
)
のような深い失望から、たちまち
峻岳
(
しゅんがく
)
のように高い
喜悦
(
きえつ
)
へ、——。
鍵から抜け出した女
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
喜悦
(
きえつ
)
に満ちた力いっぱいの
震
(
ふる
)
えを帯びた声だ。
汽笛
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
苦桃太郎
(
にがもゝたらう
)
喜悦
(
きえつ
)
淺
(
あさ
)
からず、
腰
(
こし
)
なる
髑髏
(
どくろ
)
一個
(
ひとつ
)
取
(
と
)
ら
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
彼は驚愕と
喜悦
(
きえつ
)
の為に、顔が真赤になった。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし、
加賀見忍剣
(
かがみにんけん
)
や
龍太郎
(
りゅうたろう
)
やまた
咲耶子
(
さくやこ
)
にいたるまで、みなこの報告を天来の
福音
(
ふくいん
)
ときいて
武田再興
(
たけださいこう
)
の
喜悦
(
きえつ
)
にみなぎり、春風
陣屋
(
じんや
)
にみちてきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
入院してから七度台に熱の下がったのはこの朝が始めてだったので、もう熱の
剥離期
(
はくりき
)
が来たのかと思うと、とうとう貞世の命は取り留めたという
喜悦
(
きえつ
)
の情で涙ぐましいまでに胸はいっぱいになった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
曹操は、限りなく
喜悦
(
きえつ
)
して、さらばとばかり、直ちに、
檄文
(
げきぶん
)
を認めて、城中へ矢文を射させた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
将監の書状を巻き納めながら、彼が
涎
(
よだれ
)
を垂らさんばかりな
喜悦
(
きえつ
)
をあらわしたのは無理もない。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翡翠
(
ひすい
)
の
耳環
(
みみわ
)
が充血した
頸
(
うなじ
)
で小さく揺れ、その
眦
(
まなじり
)
のものは、
喜悦
(
きえつ
)
を待ち
焦
(
じ
)
れる感涙に濡れ光り、一種の恐怖と甘い涙の
滴
(
したた
)
りが、グッショリと、もみあげの毛まで濡らしている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
老兵勝家が、わが術成れり、と
喜悦
(
きえつ
)
斜めならず、それを甥の玄蕃允の
殊勲
(
しゅくん
)
として
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼はそれを携えて
葭萌関
(
かぼうかん
)
にある玄徳にまみえ、さすがに
喜悦
(
きえつ
)
の色をつつみきれず
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、いったところ、鹿之介は
喜悦
(
きえつ
)
して、すぐそれを受けたという噂なのである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、龍山公はたちまち、
喜悦
(
きえつ
)
を満面にみなぎらして、
脇息
(
きょうそく
)
から乗り出された。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と信玄は、作戦の図に
中
(
あた
)
って来たことを
喜悦
(
きえつ
)
していた。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天皇のご
喜悦
(
きえつ
)
はもちろん、公卿、全山の将士も
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やッと巡り会ったという風に、
喜悦
(
きえつ
)
を誇張して
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“喜悦”の意味
《名詞》
喜 悦(きえつ)
心から喜ぶこと。
(出典:Wiktionary)
喜
常用漢字
小5
部首:⼝
12画
悦
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
“喜”で始まる語句
喜
喜捨
喜劇
喜多
喜多八
喜助
喜撰
喜界島
喜連格子
喜作