トップ
>
取分
>
とりわ
ふりがな文庫
“
取分
(
とりわ
)” の例文
村々の隣に遠く野山の多い地方では、
取分
(
とりわ
)
けてこの類の神隠しが
頻繁
(
ひんぱん
)
で、哀れなることには隠された者の半数は、永遠に
還
(
かえ
)
って来なかった。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
待つ身の辛さは今に始めぬことであるが、
取分
(
とりわ
)
けて
今
(
いま
)
此
(
こ
)
の場合、市郎は待つ身の辛さと侘しさとを
染々
(
しみじみ
)
感じた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
蚊
(
か
)
いぶし
火鉢
(
ひばち
)
に
火
(
ひ
)
を
取分
(
とりわ
)
けて三
尺
(
じやく
)
の
椽
(
ゑん
)
に
持出
(
もちいだ
)
し、
拾
(
ひろ
)
ひ
集
(
あつ
)
めの
杉
(
すぎ
)
の
葉
(
は
)
を
冠
(
かぶ
)
せてふう/\と
吹立
(
ふきたつ
)
れば、ふす/\と
烟
(
けふり
)
たちのぼりて
軒塲
(
のきば
)
にのがれる
蚊
(
か
)
の
聲
(
こゑ
)
凄
(
すさ
)
まじゝ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
實
(
じつ
)
は
其
(
そ
)
の
以前
(
いぜん
)
に、
小山内
(
をさない
)
さんが
一寸
(
ちよつと
)
歸京
(
ききやう
)
で、
同行
(
いつしよ
)
だつた
御容色
(
ごきりやう
)
よしの
同夫人
(
どうふじん
)
、とめ
子
(
こ
)
さんがお
心入
(
こゝろいれ
)
の、
大阪遠來
(
おほさかゑんらい
)
の
銘酒
(
めいしゆ
)
、
白鷹
(
はくたか
)
の
然
(
しか
)
も
黒松
(
くろまつ
)
を、
四合罎
(
しがふびん
)
に
取分
(
とりわ
)
けて
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
取分
(
とりわ
)
けて
申候迄
(
まうしさふらうまで
)
もなし実際に
於
(
おい
)
てかゝる
腑甲斐
(
ふがひ
)
なき生活状態の
到底
(
たうてい
)
有得
(
ありう
)
べからざる
儀
(
ぎ
)
となり
申候
(
まうしそろ
)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
▼ もっと見る
更
(
ふ
)
けて
軒
(
のき
)
ばに
風鈴
(
ふうりん
)
のおと
淋
(
さび
)
しや、
明日
(
あす
)
は
此音
(
このおと
)
いかに
戀
(
こひ
)
しく、
此軒
(
こののき
)
ばのこと
部屋
(
へや
)
のこと、
取分
(
とりわ
)
けては
甚樣
(
じんさま
)
のこと、
父君
(
ちヽぎみ
)
のこと
母君
(
はヽぎみ
)
のこと、
平常
(
つね
)
は
左
(
さ
)
までならぬ
姉妹
(
しまい
)
のこと
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
取分
(
とりわ
)
けて女には嫌われたり、だまされたり……。まったく哀れな人間です。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
引
(
ひき
)
かへて
尋
(
たづ
)
ねぬならねど
身
(
み
)
に
恥
(
は
)
づれば
我
(
わ
)
れとは
訪
(
と
)
はれぬお
主
(
しゆう
)
のもとへ
又
(
また
)
見出
(
みだ
)
されて二
度
(
ど
)
の
恩
(
おん
)
あるが
中
(
なか
)
にも
取分
(
とりわ
)
けて
孃
(
じやう
)
さまの
御慈愛
(
おいつくしみ
)
は
山
(
やま
)
の
中
(
うち
)
の
峯
(
みね
)
たかきが
上
(
うへ
)
も
高
(
たか
)
く
海
(
うみ
)
の
中
(
うち
)
の
沖深
(
おきふか
)
きが
上
(
うへ
)
も
深
(
ふか
)
しお
可愛
(
かあい
)
や
誰
(
た
)
れ
人
(
びと
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“取”で始まる語句
取
取出
取縋
取柄
取除
取次
取敢
取交
取做
取付