反射はんしゃ)” の例文
太陽たいようひかりはまぶしく、銀貨ぎんかおもて反射はんしゃしました。みんなは、このひかりをおそれるように後退あとしさりをしました。そして、をみはりました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
光が物にあたったとき反射はんしゃするか、そのまま吸収きゅうしゅうされてしまうか、または光がおれまがる具合ぐあいによって、いろいろな色とか、形とかが
湖水は天の色を反射はんしゃして、ただ一円のほのおのように見える、十二時ごろ、さすがの電光も雷鳴もようやくおとろえはじめた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
これに反射はんしゃする日光は、目をぐらつかせるほどであるが、日中、はだしで砂の上を歩いても、足のうらが熱くない。白い色は、熱をすいとらないからだ。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
まいまい名工めいこうがのみでってつけたような、あつかたかんじで、くろえるほどの濃緑色のうりょくしょくは、エナメルをぬったようにつややかで、のあたるほういたいくらいひかり反射はんしゃするのだ。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
ジョバンニはその小さく小さくなっていまはもう一つのみどりいろのかいぼたんのように見える森の上にさっさっと青じろく時々光ってその孔雀くじゃくがはねをひろげたりとじたりする光の反射はんしゃを見ました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ときどき営庭えいてい反射はんしゃする銃剣じうけん見詰みつめながら
そして、とおくにゆくまで、そのひかったいただきが、のぞまれたのであります。さびしい、が、くもやぶって、その氷山ひょうざん反射はんしゃしています。
幽霊船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たとえば、われわれが赤いぬのをみるとするね。赤くみえるのは、太陽たいよう光線こうせんのなかで赤い色のところだけをぬの反射はんしゃして、あとの色はみんないこんでしまうからなんだ。
農場のうじょう耕耘部こううんぶ農夫室のうふしつは、雪からの反射はんしゃで白びかりがいっぱいでした。
耕耘部の時計 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ふゆのない南方なんぽうは、まだ真夏まなつであります。みずうみみずは、ぎんのごとく、ひかり反射はんしゃしていました。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また光をぜんぶ反射はんしゃしてしまえば、白くきらきらとかがやいてみえるだろう。
野ばらは赤い光の点々てんてんを王子の顔に反射はんしゃさせながら
ほしひかりは、下界げかいをおおうたゆきおもて反射はんしゃして、子供こどもかおがかすかにわかったのであります。けれど、その子供こどもは、彼女かのじょさがしている自分じぶんんだ子供こどもではありませんでした。
星の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まぶしい山の雪の反射はんしゃです。
イーハトーボ農学校の春 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そのうちに、れかかった。木々きぎのこずえが、さやさやとりはじめて、そらいろは、青黒あおぐろえ、燈火ともしびひかりがきらめき、くさや、のこずえに反射はんしゃしているのがられたのです。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
晩方ばんがたなど、あかくさしこむまどもとで、おねえさまがピアノをおきなさるとき、露子つゆこは、じっとそのそばにたたずんで、いちいちうごくのから、ひかりがピアノにたって反射はんしゃしているのから
赤い船 (新字新仮名) / 小川未明(著)