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名工
一
枚一
枚名工がのみで
彫ってつけたような、
厚い
固い
感じで、
黒と
見えるほどの
濃緑色は、エナメルをぬったようにつややかで、
陽のあたる
方の
葉は
眼に
痛いくらい
光を
反射するのだ。
なぜ、
自分は、さかずきを、あんなもののよくわからない、
古道具屋などに
見せたろう? もっといい
骨董屋にいって
見せたら、あるいは、
利助という
名工を
知っていたかもしれない。
また
其の
岬を
大蛇灘が
巻いて、めぐつて、八
雲崎、
日暮崎、
鴨崎、
御室、
烏帽子岩、
屏風岩、
剣岩、一つ一つ、
神が
斧を
打ち、
鬼が、
鉞を
下した
如く、やがては、
巨匠、
名工の、
鑿鏨の
手の
冴に