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おおせつ
ふりがな文庫
“
仰付
(
おおせつ
)” の例文
向象賢はその
劈頭
(
へきとう
)
第一に、
先
(
ま
)
ず国相具志川按司の跡役に就いて大和に伺ったら、自分に
仰付
(
おおせつ
)
けられたということを書いています。
琉球史の趨勢
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
事の
真偽
(
しんぎ
)
は知らぬが、明治の初年ごろに
西郷
(
さいごう
)
はじめ維新の
豪傑連
(
ごうけつれん
)
がはじめて
御陪食
(
ごばいしょく
)
を
仰付
(
おおせつ
)
けられたことがあったという。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
女房子供のお供を
仰付
(
おおせつ
)
かり折角の安息日を骨折損に
疲
(
くたび
)
れて、一日の奉仕を終り、例に依って僕愛用の青バスに、僕の一小隊を乗せて万世橋へと向った。
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
その神尾様がこちらを
失敗
(
しくじ
)
ったものだから、甲府詰を
仰付
(
おおせつ
)
かったのだ。お旗本で甲府詰になるのはよくよくで、もう二度と浮ぶ瀬がないようなものだ。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
長らく病んで居ります処の親を一人残して入牢
仰付
(
おおせつ
)
けられたは如何にも筆へ対して手前気の毒な思いを致しました
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
己
(
おれ
)
は公儀へ召されることになるそうだ。それが近い事で
公方様
(
くぼうさま
)
の喪が済み次第
仰付
(
おおせつ
)
けられるだろうということだ。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
不束
(
ふつつか
)
ながら行末は儒者とも
相
(
あい
)
なり家名を揚げたき心願にて有之候処、十五歳の春、父上は殿様御帰国の
砌
(
みぎり
)
御供廻
(
おともまわり
)
仰付
(
おおせつ
)
けられそのまま
御国詰
(
おくにづめ
)
になされ候に
依
(
よ
)
り
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そこんとこだけは良心が
磨
(
す
)
り切れちゃってトテモ人間
業
(
わざ
)
とは思えないくらい大胆巧妙になっておいでになるんですから、お相手を
仰付
(
おおせつ
)
けられた本屋は叶いませんや。
悪魔祈祷書
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
仰付
(
おおせつ
)
けられたのだ。なんでも
己
(
おれ
)
はきょうからはこう
遣
(
や
)
って寝ていなくてはならないのだそうだ。まあ、これが己の死ぬる寝床なのだから、その積りでいて
貰
(
もら
)
おうか。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
暫時
(
ざんじ
)
のことならば拝借
仰付
(
おおせつ
)
けられても
宜
(
よ
)
かろうと云うような曖昧な答をしたから、その笞を聞くや
否
(
いな
)
やすぐにその次の
元締役
(
もとじめやく
)
の奉行の処に行て、今
御家老
(
ごかろう
)
志摩殿に斯う云う話をした所が
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
はて不思議な事と処分に困って居りますと、時のお月番右京殿より、「浪島文治郎
事
(
こと
)
業平文治儀は
尚
(
な
)
お
篤
(
とく
)
と取調ぶる仔細あり、
評定所
(
ひょうじょうしょ
)
に
於
(
おい
)
て再吟味
仰付
(
おおせつ
)
くる」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「あの化物屋敷で、明日から一升ずつ、上等のお酒の御用を
仰付
(
おおせつ
)
かりました」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
凡
(
およ
)
そ人間の交際は売言葉に買言葉で、藩の方から
数代
(
すだい
)
御奉公を
仰付
(
おおせつ
)
けられて
難有
(
ありがた
)
い
仕合
(
しあわ
)
せであろうと
酷
(
ひど
)
く恩に
被
(
き
)
せれば、失敬ながら
此方
(
こっち
)
にも言葉がある、
数代
(
すだい
)
家来になって正直に勤めたぞ
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
わたくしは
今日
(
こんにち
)
父の跡を襲いで、留守居役を
仰付
(
おおせつ
)
けられました。今までとは違った
心掛
(
こころがけ
)
がなくてはならぬ役目と存ぜられます。実はそれに
用立
(
ようだ
)
つお講釈が承わりたさに、御足労を願いました。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
奈良原翁が晴れの九州入をする時に、当時二十五か六で、文学青年から禅宗坊主に転向していたばかりの筆者は、思いがけなく到翁の侍従役を
仰付
(
おおせつ
)
けられて、共々に新橋駅(今の汐留駅)に来た。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
諏訪部三十郎は病気で御出役が無かったのだが
公辺
(
こうへん
)
のお首尾が悪く、百日の間閉門
仰付
(
おおせつ
)
けられますると云う騒ぎ、座光寺源三郎は勿論深見の家も改易に相成りまして
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「してその拝見を
仰付
(
おおせつ
)
けられる品は?」
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
取敢
(
とりあ
)
えず文治には乱暴者として
揚屋入
(
あがりやいり
)
を
仰付
(
おおせつ
)
け、其の
他
(
た
)
の者は当分仮牢
留置
(
とめおき
)
を申付けられました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
千「そんな事とは存じませんもの、
貴方
(
あなた
)
はお手紙で御用を
仰付
(
おおせつ
)
けられましたのでございますか」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
左膳の娘
花
(
はな
)
なる者が、
奥向
(
おくむき
)
へ御奉公中、
先
(
せん
)
殿様のお手が付き懐妊の身となりしが、其の頃お
上通
(
かみどお
)
りのお
腹様
(
はらさま
)
嫉妬深
(
しっとふか
)
く、お花を
悪
(
にく
)
み、
遂
(
つい
)
に
咎
(
とが
)
なき左膳親子は
放逐
(
ほうちく
)
を
仰付
(
おおせつ
)
けられ
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何うしても
斬首
(
ざんしゅ
)
の刑に行わるべきであったのが、何ういう事か三宅へ遠島を
仰付
(
おおせつ
)
けられましたが、大層
改悛
(
かいしゅん
)
の効が
顕
(
あら
)
われ、
後
(
のち
)
お
赦
(
しゃ
)
になって、此の三次郎は兄玄道の徒弟となり
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
勿体なくも平林殿の後役を
不肖
(
ふしょう
)
文治に
仰付
(
おおせつ
)
けられました、一同左様心得ませえ
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
織江から
来
(
きた
)
る十五日御登城の節お通り掛けお目見え
仰付
(
おおせつ
)
けらるゝ旨、
且
(
かつ
)
上屋敷に於てお
長家
(
ながや
)
を下し置かるゝ旨をも
併
(
あわ
)
せて達しましたので、大藏は有難きよしのお
受
(
うけ
)
をして拝領の長家へ
下
(
さが
)
りました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これから災難で此の罪が友之助に係りまして、
忽
(
たちま
)
ちにお役所へ引かれますのを見て、文治郎
自
(
みず
)
から
名告
(
なの
)
って出て、
徒罪
(
とざい
)
を
仰付
(
おおせつ
)
けられ、遂に小笠原島へ漂着致し、七ヶ年の間、
無人島
(
むにんとう
)
に居りまして
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
付
常用漢字
小4
部首:⼈
5画
“仰”で始まる語句
仰
仰向
仰有
仰山
仰言
仰天
仰臥
仰々
仰反
仰飲