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乘客
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じようかく
が、
然うすると、
深山の
小驛ですから、
旅舍にも
食料にも、
乘客に
對する
設備が
不足で、
危險であるからとの
事でありました。
中央の
大きな
洲から
續く
淺瀬に
支へられて
船は
例の
處へは
着けられなく
成つて
居る。
只一人の
乘客である
勘次は
船頭の
勝手な
處へおろされたやうに
思つた。
ですから、
同列車の
乘客の
中で、
停車場を
離れましたのは、
多分私が
一番あとだつたらうと
思ひます。
せめては
四邊に
心を
置きて、
肩身を
狹くすくみ
居たらば、
聊か
恕する
方もあらむ、
遠慮もなく
席を
占めて、
落着き
澄したるが
憎しとて、
乘客の一
人は
衝と
其の
前に
進みて
良時を
經て
乘客は、
活佛——
今新たに
然か
思へる——の
周圍に
集りて、
一條の
法話を
聞かむことを
希へり。
漸く
健康を
囘復したる
法華僧は、
喜んで
之を
諾し、
打咳きつゝ
語出しぬ。