“かけおち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
駈落58.8%
駆落10.0%
逃亡8.8%
欠落7.5%
馳落5.0%
亡逃1.3%
懸落1.3%
掛落1.3%
脱走1.3%
迯亡1.3%
逃走1.3%
遁亡1.3%
驅落1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
年來御恩をきて居りながら、かやうな時に御意見のひと言も申上げることか、却て駈落かけおちの女を隱まふなどとは、言語道斷、憎い奴。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
時には自分で腑甲斐ふがい無いと思えば思うほど「ええ、何もかもおしまいだ、姫と駆落かけおちでもしてしまおう」
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
のこらず呼出よびいだされければ紙屑買共は不測ふしぎに思ひ中には少しづつ内證物ないしようものなど買し心覺こゝろおぼえのある者は思ひすごしよりにはか逃亡かけおち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
判證文を取つた奴でも欠落かけおちをするもあれば持逃げの吝な奴もある、了簡次第の物だわな、いはゞ馬には乘つて見ろさ、役に立つか立たないか置いて見なけりや知れはせん
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
どちらがどうそそのかしたか、そのことはわからないが、いずれにしても、相当の合意をもって計画的に馳落かけおちを遂げてしまったということは、疑う余地がありません。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ちなみに云此石川安五郎は駿府御城番松平玄蕃頭げんばのかみ殿家來と云且水田屋藤八よりの内談も有しによりかゝへ主小松屋の方にても亡逃かけおち屆を願ひ下になし安五郎の方へ身請せし事に取計ひし故今度安五郎は白妙しろたへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
近所の驢が来て鼻で懸金を揚げ小馬と二匹伴れて遊びに往ったてい、まるで花魁おいらんと遊客の懸落かけおちのようだったと。
またそれに次いで大流行だった如安ジャン法王の伝というは、九世紀に若僧と掛落かけおちした男装の女が大学者となって、ついにレオ四世にいで、ローマ法王となり、全く男と化けて世を欺きいた内
殺害せつがいに及び國元を脱走かけおちし當地へまかり出小川町へん武家奉公ぶけほうこうに身分をいつはりて住込すみこみ奉公中所々にて金銀きんぎん衣類等をぬすみ取右の金を資本もとでとして當時の住所へ借宅しやくたくなし醫業を表に種々の惡事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
粂之進くめのしんは見てハツと思へどもわざと何氣なくの者は拙者せつしや方にて取迯とりにげいたし候者と云乍いひながら七すけむかさては其方うめ密通みつつういた金子きんすうば迯亡かけおちさせつるかにつくやつ今茲に於て何事なにごとをかいふことば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大違おほちげエよ、此夏脚気踏み出して稼業かげふは出来ねエ、かゝあ情夫をとこ逃走かけおちする、腰のたゝねエおやが、乳のい子を抱いて泣いてると云ふ世話場よ、そこで養育院へ送られて、当時すこぶる安泰だと云ふことだ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
其後寛政の頃三代目の瀬川は或大諸侯あるだいしよこうの留守居に身請みうけせられしが其人主人のかねつかすご閉門へいもん申付けられしに瀬川せがはは隙を見て遁亡かけおちしければ彼の留守居るすゐは瀬川故になんを受しに瀬川はわれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
判證文はんしようもんつたやつでも驅落かけおちをするもあれば持逃もちにげのけちやつもある、料簡次第れうけんしだいのものだわな、いはゞうまにはつてろさ、やくつかたないかいてなけりやれはせん
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)