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鳴海
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なるみ
ふりがな文庫
“
鳴海
(
なるみ
)” の例文
あの時、堺見物の途中から、九死一生の目にあいつつ、
辛
(
から
)
くも、自国まで帰り得た彼は、すぐ軍備を令して、
鳴海
(
なるみ
)
まで押し出した。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「だつて、これが落付いて居られますか、てんだ。
鳴海
(
なるみ
)
屋の番頭の藤六が、今朝あのお勝手口で、虫のやうに打ち殺されてゐるんですぜ」
銭形平次捕物控:208 青銭と鍵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鳴海
(
なるみ
)
はもう名物の絞りを売っている店は一二軒しかない。並んでいる邸宅風の家々はむかし鳴海絞りを売って儲けた家だと
俥夫
(
しゃふ
)
が言った。
東海道五十三次
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それから、なるみ絞りの
鳴海
(
なるみ
)
。一里十二丁、三十一
文
(
もん
)
の駄賃でまっしぐらに
宮
(
みや
)
へ——
大洲観音
(
たいすかんのん
)
の
真福寺
(
しんぷくじ
)
を、はるかに駕籠の中から拝みつつ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
而も三代目かの廣重の繪にも取られてある所を見ると、昔の
鳴海
(
なるみ
)
の宿の
鳴海
(
なるみ
)
絞りを懸け弔す店と同じく、少し繪心のある人の心を惹くものと見える。
京阪聞見録
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
▼ もっと見る
かくて絞柄に様々な名を与えます。京都などもこの技術で名がありますが、仕事の盛なのは
鳴海
(
なるみ
)
地方であります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
不破
(
ふわ
)
の
関
(
せき
)
、
鳴海
(
なるみ
)
の
汐干潟
(
しおひがた
)
と次第に東へ下るにつれて、思いは果てしなく都の空へととぶのであった。
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
お齒黒はまだらに生へ次第の眉毛みるかげもなく、洗ひざらしの
鳴海
(
なるみ
)
の浴衣を前と後を切りかへて膝のあたりは目立ぬやうに小針のつぎ當、
狹帶
(
せまおび
)
きりゝと締めて蝉表の内職
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
旅中の家康は
茶屋四郎次郎
(
ちゃやしろじろう
)
の金と
本多平八郎
(
ほんだへいはちろう
)
の
鑓
(
やり
)
との力をかりて、わずかに免れて
岡崎
(
おかざき
)
へ帰った。さて軍勢を
催促
(
さいそく
)
して
鳴海
(
なるみ
)
まで出ると、秀吉の使が来て、光秀の死を告げた。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
二
あふ坂の
関守
(
せきもり
)
にゆるされてより、
三
秋こし山の
黄葉
(
もみぢ
)
見過しがたく、浜千鳥の跡ふみつくる
四
鳴海
(
なるみ
)
がた、
不尽
(
ふじ
)
の
高嶺
(
たかね
)
の
煙
(
けぶり
)
、
五
浮嶋がはら、
六
清見が関、
七
大
礒
(
いそ
)
小いその浦々
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
丁度
申下刻
(
なゝつさがり
)
に用を
終
(
しま
)
って湯に
往
(
ゆ
)
くというので、
鳴海
(
なるみ
)
の養老の
単物
(
ひとえもの
)
といえば
体裁
(
てい
)
が
宜
(
い
)
いが、二三度水に這入ったから大きに色が
醒
(
さ
)
めましたが、八反に黒繻子の腹合せと云っても
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(数枝) あら、ご存じ無かったの? きのう来ていただいたお医者さんは、弘前の
鳴海
(
なるみ
)
内科の院長さんよ。それでね、お父さんがきょう、鳴海先生のとこへお薬をもらいに行ったの。
冬の花火
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
尾張の
鳴海
(
なるみ
)
潟、備前
和気
(
わけ
)
郡の
片上
(
かたかみ
)
のカタなどと、北国のガタとは清濁二種の語ではないかとさえ思われる。今ではまだ
汐干
(
しおひ
)
潟のカタの方が古い意味だと、断定してしまうわけにも行かぬのである。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そんなことで、この一行は、その晩は
鳴海
(
なるみ
)
へ泊ることになりました。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
柔かな
鳴海
(
なるみ
)
絞りの
袂
(
たもと
)
を
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
振り返って見ると、同じ欄干にもたれた、
乞食体
(
こじきてい
)
の中年の男、
鳴海
(
なるみ
)
司郎の顔を下から見上げて、こう丁寧に申します。
悪人の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
清洲の城下から
鳴海
(
なるみ
)
街道のほうへ向って、一頭の
悍馬
(
かんば
)
が、闇を衝いて駈けていた。重傷を負ったまま、山淵右近は、その鞍の上にしがみついていた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
歯黒
(
はぐろ
)
はまだらに生へ次第の
眉毛
(
まゆげ
)
みるかげもなく、洗ひざらしの
鳴海
(
なるみ
)
の
裕衣
(
ゆかた
)
を前と後を切りかへて膝のあたりは目立ぬやうに小針のつぎ当、
狭帯
(
せまおび
)
きりりと締めて
蝉表
(
せみおもて
)
の内職
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
口元の締った
美
(
い
)
い男で、其の側に居るのは女房と見え、二十七八の女で、
頭髪
(
あたま
)
は達磨返しに結び、
鳴海
(
なるみ
)
の
単衣
(
ひとえ
)
に黒繻子の帯をひっかけに締め、一杯飲んで居る夫婦
連
(
づれ
)
の
旅人
(
りょじん
)
で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
元秀の養子
完造
(
かんぞう
)
は
本
(
もと
)
山崎氏で、蘭法医伊東玄朴の門人である。完造の養子
芳甫
(
ほうほ
)
さんは
本
(
もと
)
鳴海
(
なるみ
)
氏で、今弘前の
北川端町
(
きたかわばたちょう
)
に住んでいる。元秀の実家の
裔
(
すえ
)
は弘前の
徒町
(
かちまち
)
川端町の対馬
鈆蔵
(
しょうぞう
)
さんである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
鳴海
(
なるみ
)
の
襦袢
(
じゅばん
)
が居催促をする。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「なお、細目にわたる箇条は、他日、
鳴海
(
なるみ
)
城を会見の場所として、てまえと、松平家の石川
数正
(
かずまさ
)
殿とで出会い、談合を遂げんと約して立ち帰りました」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お三はこれくらゐにして、次に呼んで來たのは
鳴海
(
なるみ
)
屋の後家、今はこの
大店
(
おほだな
)
の女主人と言つても宜いお富でした。
銭形平次捕物控:208 青銭と鍵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
齒黒
(
はぐろ
)
はまだらに
生
(
は
)
へ
次第
(
しだい
)
の
眉毛
(
まゆげ
)
みるかげもなく、
洗
(
あら
)
ひざらしの
鳴海
(
なるみ
)
の
裕衣
(
ゆかた
)
を
前
(
まへ
)
と
後
(
うしろ
)
を
切
(
き
)
りかへて
膝
(
ひざ
)
のあたりは
目立
(
めたゝ
)
ぬやうに
小針
(
こはり
)
のつぎ
當
(
あて
)
、
狹帶
(
せまおび
)
きりゝと
締
(
し
)
めて
蝉表
(
せみおもて
)
の
内職
(
ないしよく
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
鳴海
(
なるみ
)
へ二里半」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そこから直ぐ海口の方へ寄って
鳴海
(
なるみ
)
の城がある。これは一時は織田で
墜
(
おと
)
したが、その後また、駿河勢力に
蚕蝕
(
さんしょく
)
されて、今では敵の
岡部元信
(
おかべもとのぶ
)
が固めている。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「小石川表町、傳通院の前。山の手一番と言はれた呉服屋、
鳴海
(
なるみ
)
屋の娘が殺されたらしいんで、富坂の周吉親分からの使ひで、朝のうちに一と走り行つて見て來ましたよ」
銭形平次捕物控:208 青銭と鍵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さきに御当家から諸家へ向って、明智征伐の事終ると——
疾
(
と
)
く
御通牒
(
ごつうちょう
)
のあったためか、徳川殿の軍は、昨日、
鳴海
(
なるみ
)
から浜松へ引っ返されたとのことです。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の坐っている隣りの部屋にも、一人の女が、
鳴海
(
なるみ
)
しぼりに、小柳の引っかけ帯で、白い足の指を、伸び伸びとだして、
竹婦人
(
かごまくら
)
をかかえて、昼寝していた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
本軍の高氏軍は、
鳴海
(
なるみ
)
で野営したが、未明にはもうそこを立って、兵馬の
朝糧
(
あさがて
)
は熱田に着いてとらせている。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吉田城の酒井忠次に送られて、
池鯉鮒
(
ちりふ
)
から
鳴海
(
なるみ
)
へ入った。これまでが徳川領、鳴海から先は織田領なので、ここには織田家の一門が凱旋の主君を出迎えに立っていた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その夜、
鳴海
(
なるみ
)
附近の浜から、二艘の舟が、沖へはなれた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鳴
常用漢字
小2
部首:⿃
14画
海
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
“鳴海”で始まる語句
鳴海絞
鳴海潟
鳴海変
鳴海衆
鳴海三郎
鳴海大九郎