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足踏
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あしぶみ
ふりがな文庫
“
足踏
(
あしぶみ
)” の例文
奴
(
やっこ
)
は聞き覚えの節になり、中音でそそりながら、くるりと向うむきになったが早いか、ドウとしたたかな
足踏
(
あしぶみ
)
して
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
工女の四五人入れて
足踏
(
あしぶみ
)
器械
(
きかい
)
で製糸をやる仙ちゃん、長さんも、
即座師
(
そくざし
)
の鑑札を受けて繭買をはじめた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
唯
(
たゞ
)
余の隣人目科は余ほどに驚き恐れず
足踏
(
あしぶみ
)
も確に警察官の
許
(
もと
)
に進むに、警察官は其顔を見るよりも
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「そうですとも……。あんな
家
(
うち
)
へは決して二度と
足踏
(
あしぶみ
)
は
為
(
し
)
ませんよ。」と、市郎は
潔
(
いさぎ
)
よく答えた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それからおこるとね、こんな風に
足踏
(
あしぶみ
)
をしてよ。「なんという下女だい。いつまで立っても珈琲の出しようを覚えはしない。おや、このランプの心の切りようはどうだい」
一人舞台
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
▼ もっと見る
モウいくら靴音をさせようと思っても場所がないのである、まさか体操の時のように
足踏
(
あしぶみ
)
をする訳にも行かず。ああまたもや失敗した。今度こそは本当に帰らざるを得ないのだ。
愛か
(新字新仮名)
/
李光洙
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
兄貴の処へあなたがお
出
(
いで
)
で、
明日
(
あした
)
竹ヶ崎の南山へ
行
(
ゆ
)
くが、一人でも子分や縁者の者をよこすな、よこすと
向後
(
きょうご
)
足踏
(
あしぶみ
)
はしない絶交だ、と斯う旦那が仰しゃって、兄貴も心配して
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そこを通り抜けて、一畳
幅
(
はば
)
に五畳か六畳を長く敷いた
入側
(
いりかわ
)
見たような薄暗い部屋を通ったが、茶の間でもその部屋でも
処〻
(
しょしょ
)
で、
足踏
(
あしぶみ
)
につれてポコポコと
弛
(
ゆる
)
んで浮いている
根太板
(
ねだいた
)
のヘンな音がした。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
従つて
寄席
(
よせ
)
の客の大半は労働者で帽や
白襯衣
(
シユミイズ
)
を着ない
連中
(
れんぢゆう
)
が多く、
大向
(
おほむかう
)
から舞台の歌に合せて口笛を吹いたり
足踏
(
あしぶみ
)
をしたりする仲間もあつた。演じた物には道化た
踊
(
をどり
)
や
流行唄
(
はやりうた
)
や曲芸などが多かつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
それで私も
愈
(
いよいよ
)
忌々
(
いまいま
)
しくなって、もう余り小狐へも
足踏
(
あしぶみ
)
せぬ
中
(
うち
)
に、伯父さんが去る地方の郡長に転じて、家族を引纏めて赴任して了ったので、私も
終
(
つい
)
に雪江さんの事を忘れて了った。これでお
終局
(
しまい
)
だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ト、
足踏
(
あしぶみ
)
して見すれば。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
もこがすなる
勿体
(
もつたい
)
なけれど
何事
(
なにごと
)
まれお
腹立
(
はらだ
)
ちて
足踏
(
あしぶみ
)
ふつになさらずは
我
(
わ
)
れも
更
(
さ
)
らに
参
(
まゐ
)
るまじ
願
(
ねが
)
ふもつらけれど
火水
(
ひみづ
)
ほど
中
(
なか
)
わろくならばなか/\に
心安
(
こゝろやす
)
かるべしよし
今日
(
けふ
)
よりはお
目
(
め
)
にもかゝらじものもいはじお
気
(
き
)
に
障
(
さは
)
らばそれが
本望
(
ほんまう
)
ぞとて
膝
(
ひざ
)
につきつめし
曲尺
(
ものさし
)
ゆるめると
共
(
とも
)
に
隣
(
となり
)
の
声
(
こゑ
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
高坂は思わず
足踏
(
あしぶみ
)
をした、草の
茂
(
しげり
)
がむらむらと
揺
(
ゆら
)
いで、
花片
(
はなびら
)
がまたもや散り来る——
二片三片
(
ふたひらみひら
)
、
虚空
(
おおぞら
)
から。——
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今日は諦めますと云わなければなりませんよ、さア諦めたと云いなさい、えゝ、おい、云えないかえ、今日諦めなければ私はもう二度と再び顔は見ません、もう決して
足踏
(
あしぶみ
)
は致しません
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
で、こんな場所は、何の見物にも、つい
足踏
(
あしぶみ
)
をした事の無いのが多い。が、その人たちも、誰も会場が吉原というのを
厭
(
いと
)
わず、中にはかえって土地に
興味
(
おもしろみ
)
を持って、到着帳に
記
(
つ
)
いたのもある。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
父親
(
おやじ
)
も
母親
(
おふくろ
)
も田舎
気質
(
かたぎ
)
の固いものでございますから、
久離
(
きゅうり
)
切って勘当され、今では生れた家でも
足踏
(
あしぶみ
)
をする事が出来ませんので、私の母親は屋敷奉公をして来たという話を聞いて居りましたが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「あなた
擽
(
くすぐ
)
っておやんなさいまし、」と
主婦
(
おかみ
)
は
焦
(
じ
)
れったそうに
足踏
(
あしぶみ
)
をした。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
道者衆
(
どうじゃしゅう
)
で
充満
(
いっぱい
)
で、
足踏
(
あしぶみ
)
も出来ません処から、
框
(
かまち
)
へかけさせ申して、帳場の火鉢を差上げましたような次第で、それから
貴女様
(
あなたさま
)
がお泊りの
筈
(
はず
)
、立花が来たと伝えくれい、という事でござりまして。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
われは
足踏
(
あしぶみ
)
して心いらてり。その居たるあとを踏みにじりて
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
われは
足踏
(
あしぶみ
)
して
心
(
こころ
)
いらてり。そのゐたるあとを踏みにじりて
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
階子段
(
はしごだん
)
に
足踏
(
あしぶみ
)
して
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
踏
常用漢字
中学
部首:⾜
15画
“足踏”で始まる語句
足踏踊り