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謀叛人
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むほんにん
ふりがな文庫
“
謀叛人
(
むほんにん
)” の例文
お紋は、
謀叛人
(
むほんにん
)
の娘と言ふ自分の素姓は言ひませんでしたが、高木銀次郎の怪しい事は、重三へも平次と同じやうに話して居たのです。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これ
謀叛人
(
むほんにん
)
によくある相であります。ですから、いま小功を挙げて、これを味方にするも、後々、かならず叛くに違いありません。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ですから、石田三成に
謀叛人
(
むほんにん
)
の名を着せようとも、小栗上野をその名で呼ぶには
躊躇
(
ちゅうちょ
)
しないわけにはゆかないはずです。
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
連中が
謀叛人
(
むほんにん
)
をやった時でしたが、不意に
捕
(
と
)
り手が踏みこむところで「残念、ワナにかかったか」と言うべきところを
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その上に三唖が
頻繁
(
ひんぱん
)
に出入したのが社外の異宗門だったので、終には
謀叛人
(
むほんにん
)
扱いされて棄てられてしまった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
いやしくも新しいものは皆禁制、新しい事をするものは皆
謀叛人
(
むほんにん
)
であった時代を想像して御覧なさい。
謀叛論(草稿)
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「
尤
(
もつと
)
も俺は此の
家
(
うち
)
の
寄生蟲
(
きせいちう
)
だからな。」と自分を
貶
(
けな
)
しつけても見て、「此の家から謂つたら、俺は確に
謀叛人
(
むほんにん
)
だが、俺から謂つたら、此の家の空氣は俺に適しない、 ...
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「なんぼ、玉井が
謀叛人
(
むほんにん
)
ちゅうたって、命は惜しいにちがわんからなあ。うちの親分に楯ついて、組合作ったら、どげなことになるか、玉井が一番よう知っとろうだい」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
我々はみんな多少にしろ、もし平中になれるものなら、平中になつて見たいと云ふ、人知れない野心を持つてゐる。その為に平中は
謀叛人
(
むほんにん
)
よりも、一層我々に憎まれるのだ。
好色
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
公暁は頼家の遺子であるが、実朝は父の敵であるとそそのかされて決行したものの、それはまた将軍
弑逆
(
しぎゃく
)
の
謀叛人
(
むほんにん
)
という名儀でほろぼされた。
清和源氏
(
せいわげんじ
)
の正統はここに絶えた。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
諏訪 妾は、
謀叛人
(
むほんにん
)
には容赦しない方ですよ。これからもずうっと厳しくします。
華々しき一族
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
とんと存ぜんな、降伏人どもは除族されとる、従ってあそこには貫属があろうわけはないぞ、はッはッは——自体そなたはどこから見えられた? 気狂いの、
謀叛人
(
むほんにん
)
の、あの丸山作楽の
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
謀叛人
(
むほんにん
)
のように知らず知らず自分のまわりの少女たちにある感情的な教唆を与えていたのだが、自分自身ですらがどうしてこの大事な瀬戸ぎわを乗り抜けるのかは、少しもわからなかった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
一旦嫁いだ女たちが後に
謀叛人
(
むほんにん
)
の子なるが故に夫に
疎
(
うと
)
まれ、
落魄
(
らくはく
)
した結果であろうか、それとも関ヶ原の当時まだ結婚期に達していなかった妹たちだけが、漂泊の憂き目を見たのであろうか。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
謀叛人
(
むほんにん
)
が降つて湧いて、
二
(
に
)
の
丸
(
まる
)
へ
取詰
(
とりつ
)
めたやうな騒動だ。将軍の
住居
(
すまい
)
は大奥まで
湧上
(
わきあが
)
つた。
長袴
(
ながばかま
)
は
辷
(
すべ
)
る、
上下
(
かみしも
)
は
蹴躓
(
けつまず
)
く、
茶坊主
(
ちゃぼうず
)
は転ぶ、女中は泣く。
追取刀
(
おっとりがたな
)
、
槍
(
やり
)
、
薙刀
(
なぎなた
)
。そのうち騎馬で
乗出
(
のりだ
)
した。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
紀州は
蜜柑
(
みかん
)
と
謀叛人
(
むほんにん
)
の
本場
(
ほんば
)
である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「曹丞相を殺さんとなす
謀叛人
(
むほんにん
)
ども、そこをうごくな。すぐ訴人してこれへ相府の兵を迎えによこすであろう」と、大喝した。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
甲源一刀流から言えば危険なる
謀叛人
(
むほんにん
)
で、それが同流の最も
手筋
(
てすじ
)
よき宇津木文之丞と組み合ったのだから、他流試合よりももっと皮肉な組合せで
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
曲者
(
くせもの
)
は慶安
謀叛人
(
むほんにん
)
の由比正雪、丸橋忠彌の一味だ。あの時お繩に洩れたのが江戸に潜入して、四年越し世の中を騷がすことばかり工夫してゐたのだよ」
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「心得た。おれが、
馬糧小屋
(
まぐさごや
)
をはじめ諸所へ火をつけて廻るから、おめえは、
謀叛人
(
むほんにん
)
だ、裏切者だ、と呶鳴ってまわれ」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
曲者
(
くせもの
)
は慶安
謀叛人
(
むほんにん
)
の由比正雪、丸橋忠弥の一味だ。あの時お縄に洩れたのが江戸に潜入して、四年越し世の中を騒がすことばかり工夫していたのだよ」
銭形平次捕物控:135 火の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうでなきゃお前、あれだけの仕事ができるものかな、やにっこい大名じゃあトテモ高島の真似はできねえね。それだからお前、とうとう
謀叛人
(
むほんにん
)
と見られちゃったのさ。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
神田の明神へは、あれは
平
(
たいら
)
の
将門
(
まさかど
)
公を
祠
(
まつ
)
ったもので、将門公が
謀叛人
(
むほんにん
)
などと伝えられているのは、甚だしいまちがいだ。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
餘談に
亙
(
わた
)
りますが、その後江戸名所
圖繪
(
づゑ
)
を
描
(
か
)
いた長谷川
雪旦
(
せつたん
)
が、此處のお茶屋で風景を寫生して、
謀叛人
(
むほんにん
)
と間違へられた——などといふ話の傳はつて居るところです。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あれは
謀叛人
(
むほんにん
)
だ、徳川にとって獅子身中の虫なのだ。あれは最初から宗家に平らかならざることがあって、池田光政あたりと通謀して、天下を乗取ろうとした腹黒い奴である。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
従って宮廷の
紊
(
みだ
)
れは、あざむかず、民間に反映して、地方にふたたび黄巾賊の残党やら、新しい
謀叛人
(
むほんにん
)
が
蜂起
(
ほうき
)
して、洛陽城下に天下の危機が聞えてきた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「へツ、お察しの通りと言ひてえが、
謀叛人
(
むほんにん
)
の妹に思ひをかけちや、笠の臺があぶねえ」
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
俺に人を
隠匿
(
かくま
)
えというのか。そりゃ大方
謀叛人
(
むほんにん
)
とか
兇状持
(
きょうじょうも
)
ちとか、
碌
(
ろく
)
な奴じゃあるめえ。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そういう
閃
(
ひら
)
めきと、いや
謀叛人
(
むほんにん
)
はあのきんか頭である。明智ほどな者が、かかることを
仕出来
(
しでか
)
すからには、水も漏らさぬ用意の上であろう。所詮は覚悟のときか。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
謀叛人
(
むほんにん
)
がこの屋敷へきりこんだというわけでもなく、また謀叛が発覚して御用の手が混み入ったというわけでもなく、ただ一発の弾丸が——それも無論、大砲の
丸
(
たま
)
ではなく小銃の弾丸が
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
謀叛人
(
むほんにん
)
の娘として、お紋は艱難辛苦を嘗めました。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
所詮
(
しょせん
)
、美濃と尾張とは、ゆく末合戦の絶えない国、美濃の恩を
食
(
は
)
めば、尾張へ弓を引かねばならず、尾張に住めば、信長様に敵対した
謀叛人
(
むほんにん
)
の家来の果てよと
嘲
(
あざけ
)
られます。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「親分、縄張内から
謀叛人
(
むほんにん
)
が出たらどうします」
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
弓箭
(
きゅうせん
)
を帯し、兇兵を連れて、主人の車に迫るなど、
謀叛人
(
むほんにん
)
のすることです。お
退
(
さ
)
がりっ」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「親分、繩張内から
謀叛人
(
むほんにん
)
が出たらどうします」
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
限りに、石川
伯耆守
(
ほうきのかみ
)
を、
返
(
かえ
)
り
忠
(
ちゅう
)
の
謀叛人
(
むほんにん
)
と見ていうぞ。——主君の信をうけて、岡崎城の城代を勤める老臣が、大坂方へ寝返り打って立ち退くのを、たれが、目に見て、見のがそうや
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
謀叛人
(
むほんにん
)
ぢやなかつたのか」
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「天下の大変をお訴えに出ました。
丞相
(
じょうしょう
)
を殺そうとしている
謀叛人
(
むほんにん
)
があります」
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どこだ」「何事か」「過失か、
放
(
つ
)
け火か」「喧嘩だろ」「いや、
謀叛人
(
むほんにん
)
だ」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大きくいえば治安を乱す
謀叛人
(
むほんにん
)
のひとり。捕まれば
縛
(
しば
)
り
首
(
くび
)
は当りまえじゃろが
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いやいや、中務を自害させ、そちをも、
謀叛人
(
むほんにん
)
にいたしたは、皆、信長が不徳というものじゃ。——信長も以後はふかく反省しよう。そちたちも、
儂
(
み
)
に仕えるものなれば、ふた心など持つな。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
謀叛人
(
むほんにん
)
ッ。汝らの
企
(
たくら
)
みはもう明白だ。そこまで行く要はないッ」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「知らん。なにをもって、このほうを
謀叛人
(
むほんにん
)
というか」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(公方の
謀叛人
(
むほんにん
)
)
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
謀叛人
(
むほんにん
)
は」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
謀
常用漢字
中学
部首:⾔
16画
叛
漢検準1級
部首:⼜
9画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“謀叛”で始まる語句
謀叛
謀叛気
謀叛心
謀叛氣
謀叛状
謀叛組