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せんすべ
ふりがな文庫
“
詮術
(
せんすべ
)” の例文
私
(
わたくし
)
は
全
(
まった
)
く
途方
(
とほう
)
に
暮
(
く
)
れ、
泣
(
な
)
くにも
泣
(
な
)
かれないような
気持
(
きもち
)
で、ひしと
枕
(
まくら
)
に
噛
(
かじ
)
りつくより
外
(
ほか
)
に
詮術
(
せんすべ
)
もないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
拭
(
ぬぐ
)
ひ私し弟十兵衞事は三州藤川在岩井村の百姓にて
豫々
(
かね/″\
)
正直者
(
しやうぢきもの
)
に候へ共不事の物
入
(
いり
)
打續き年貢の
未進
(
みしん
)
多分
(
たぶん
)
に出來上納方に
差支
(
さしつか
)
へ如何
共
(
とも
)
詮術
(
せんすべ
)
なき儘文と申
姉
(
あね
)
娘を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この出水も気になるし、お銀の帰りも気になるけれど、なんとも
詮術
(
せんすべ
)
はありません。竜之助は一人で
蒲団
(
ふとん
)
を取り出して、荒々しくそれを
展
(
の
)
べて横になりました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何うも御尊父さまの
御腹立
(
ごふくりゅう
)
の処は
予
(
かね
)
て承知致し罷り有るが、実は茂之助殿の儀に就いて
奈何
(
いかに
)
とも
詮術
(
せんすべ
)
有る可からざる処の次第柄に至りまして、何とも申し様も有りません
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昔
匈奴
(
きょうど
)
この国に
寇
(
こう
)
した時、王、金銀異色の大鼠を祭ると、敵兵の鞍から甲冑から
弓絃
(
ゆづる
)
まで、
紐
(
ひも
)
や糸をことごとく鼠群が噛み断ったので、匈奴軍
詮術
(
せんすべ
)
を知らず大敗した、王
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
かゝる山間の、人の通ふとも見えぬ小径の奥に立て籠もり、禁断の像を祭り居る今の和尚は、よも一筋縄にかゝる
曲者
(
くせもの
)
にはあらじ。よし/\吾に
詮術
(
せんすべ
)
あり。吾を
敵
(
かたき
)
とせば究竟の
敵
(
かたき
)
とならむ。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「さては彼の虎めに
喰
(
く
)
はれしか、今一足早かりせば、
阿容々々
(
おめおめ
)
他
(
かれ
)
は殺さじものを」ト、
主人
(
あるじ
)
は
悶蹈
(
あしずり
)
して
悔
(
くや
)
めども、さて
詮術
(
せんすべ
)
もあらざれば、悲しみ狂ふ花瀬を
賺
(
す
)
かして、その場は漸くに済ませしが。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
深山越
(
みやまごし
)
の峠の茶屋で、
凄
(
すさま
)
じき
迅雷
(
じんらい
)
猛雨に逢って、
遁
(
に
)
げも、引きも、ほとんど
詮術
(
せんすべ
)
のなさに、飲みかけていた
硝子盃
(
コップ
)
を電力遮断の悲哀なる焦慮で、
天窓
(
あたま
)
に
被
(
かぶ
)
ったというのを、改めて思出すともなく
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
他に
詮術
(
せんすべ
)
のあらばこそ、
口惜
(
くちを
)
しけれど吾は
唯
(
たゞ
)
ありとあらゆるわが思
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
ようやくのことで
弱音
(
よわね
)
を吐き出した時分は、もう真夜中で、彼等としては、こうも行ったら、ああも戻ったらという、思案と
詮術
(
せんすべ
)
も尽き果てたから、鈍重な愚痴を
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私
(
わたくし
)
としては
内心
(
ないしん
)
多大
(
ただい
)
の
不安
(
ふあん
)
を
感
(
かん
)
じながら、そうお
答
(
こた
)
えするより
外
(
ほか
)
に
詮術
(
せんすべ
)
がないのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
如何にも殘念に思ひ
足摺
(
あしずり
)
して
歎
(
なげ
)
き
悲
(
かなし
)
みけれども今さら
詮術
(
せんすべ
)
なければ養父の所持したる品々を
賣拂
(
うりはら
)
ひ諸入用の勘定等をなし又門弟の
中
(
うち
)
世話になりたる者へは夫々に
紀念分
(
かたみわけ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『五雑俎』にまた曰く壮士
水碓
(
みずぐるま
)
を守りしが虎に
攫
(
つか
)
まれ上に坐らる、水碓飛ぶがごとく
輪
(
まわ
)
るを虎が見詰め居る内にその人甦った、手足
圧
(
おさ
)
えられて
詮術
(
せんすべ
)
ない、ところが虎の陽物
翹然
(
にょっきり
)
口に近きを見
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
ファッツ今は
詮術
(
せんすべ
)
尽き
焼糞
(
やけくそ
)
になって取って還し一生懸命象に武者ぶり懸るとたん、ちょうど毒が廻って大象が倒れた、定めて小男は圧し潰されただろうと思うて一同城壁を下りて往き見ると
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
相應
(
さうおう
)
せし縁邊なりとは言難ければ御
深切
(
しんせつ
)
の程
有難
(
ありがた
)
けれど此義はお
斷
(
ことわ
)
り申すべしと言れて望を失ひたる忠兵衞今は
詮術
(
せんすべ
)
なければ
昨日
(
きのふ
)
息子
(
せがれ
)
長三郎が花見に出たる其折に
計
(
はから
)
ず
茲
(
こゝ
)
の雪隱に入り水を
頂
(
いたゞ
)
き手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
既に大阪市中にては小売の白米一升に
付
(
つき
)
銭七百文に至れば、
其日稼
(
そのひかせ
)
ぎの貧民等は又
如何
(
いかん
)
とも
詮術
(
せんすべ
)
なく殆ど飢餓に及ばんとするにぞ、九条村且つ難波村など所々に多人数寄り集まり不穏の事を談合して
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
『
閑田耕筆
(
かんでんこうひつ
)
』三に、摂州高槻辺の六歳の男児馬を追って城下に出て帰るに、雨劇しく川
漲
(
みなぎ
)
りて
詮術
(
せんすべ
)
なきところに、その馬その児を
銜
(
くわ
)
えて川を渡し、自ら先導して闇夜を無難に連れ帰ったので
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
詮
常用漢字
中学
部首:⾔
13画
術
常用漢字
小5
部首:⾏
11画
“詮”で始まる語句
詮議
詮索
詮
詮方
詮議立
詮事
詮衡
詮鑿
詮穿
詮方無