“せんすべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
詮術92.9%
爲術7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この出水も気になるし、お銀の帰りも気になるけれど、なんとも詮術せんすべはありません。竜之助は一人で蒲団ふとんを取り出して、荒々しくそれをべて横になりました。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
何うも御尊父さまの御腹立ごふくりゅうの処はかねて承知致し罷り有るが、実は茂之助殿の儀に就いて奈何いかにとも詮術せんすべ有る可からざる処の次第柄に至りまして、何とも申し様も有りません
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ぬすみたりとの言懸りは是れも其方が仕業しわざなるべし有體に白状せよと申さるゝに久兵衞こゝろうちに今度の事は其節そのせつ五兵衞と突合つきあはせになり一旦白状したれば今さら爲術せんすべなけれども百兩の金は何所どこまでも文右衞門におはかれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
三人よれ文珠もんじゆさへ授けぬ奸智かんち智慧袋ちゑぶくろはたいたそこやぶれかぶれ爲術せんすべつき荒仕事あらしごと娘にあはすと悦ばせて誘引おびき出すは斯々と忽ちきまる惡計にさしさゝれつ飮みながらとは云ふものゝまくは餘り感心かんしんせぬ事成れば姉御あねごと己とくじにせんと紙縷こよりひねつて差出せばお定は引て莞爾につこりわら矢張やつぱり兄貴あにきが當り鬮と云はれて三次は天窓あたま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
相成ぬぞ此段屹度きつと申渡すぞと嚴敷きびしく申付られたり因て五兵衞は爲術せんすべなく畏まり奉つるとて夫れより一同腰懸こしかけさがり五兵衞は八五郎に向ひ今仰せ渡されのは何卒持參金ばかりにて勘辨かんべん致しくれられよと申ければそばに聞居たりし後藤半四郎は進みより否々いや/\道具類とても決して勘辨相成ず彼是云て埓明らちあけずは貴樣がよめのお秀へ毎夜々々不義を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)