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かしやく
ふりがな文庫
“
苛責
(
かしやく
)” の例文
斯
(
か
)
う
解釋
(
かいしやく
)
した
時
(
とき
)
、
御米
(
およね
)
は
恐
(
おそ
)
ろしい
罪
(
つみ
)
を
犯
(
をか
)
した
惡人
(
あくにん
)
と
己
(
おのれ
)
を
見傚
(
みな
)
さない
譯
(
わけ
)
に
行
(
ゆ
)
かなかつた。さうして
思
(
おも
)
はざる
徳義上
(
とくぎじやう
)
の
苛責
(
かしやく
)
を
人知
(
ひとし
)
れず
受
(
う
)
けた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
餓
(
うゑ
)
と
苛責
(
かしやく
)
とに疲れ果てて、最早助けを呼ぶ力もなく、僅かに顏を擧げて夢心地に、灯をかざしてゐる救ひの手の、誰彼の顏を眺めるのでした。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
日
(
ひ
)
はまだほんのりと
明
(
あか
)
るかつたので
勘次
(
かんじ
)
はそつちこつちと
空
(
から
)
な
草刈籠
(
くさかりかご
)
を
背負
(
せお
)
つた
儘
(
まゝ
)
歩
(
ある
)
いた。
彼
(
かれ
)
は
其
(
そ
)
れでも
良心
(
りやうしん
)
の
苛責
(
かしやく
)
に
對
(
たい
)
して
編笠
(
あみがさ
)
で
其
(
そ
)
の
顏
(
かほ
)
を
隔
(
へだ
)
てた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
これ等のことが皆私にとつては
苛責
(
かしやく
)
であつた。——洗煉された、長く尾を曳いた苛責であつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
何をしに来たのかと
苛責
(
かしやく
)
に似た気持ちも感じられて、一日一日
気忙
(
きぜ
)
はしく戦争に追ひたてられてゐる、内地の様子が、意味もなく、ゆき子の頭の中に、
泡
(
あは
)
のやうに浮いては消えてゐる。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
▼ もっと見る
貴方
(
あなた
)
は一
生涯
(
しやうがい
)
誰
(
だれ
)
にも
苛責
(
かしやく
)
された
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
く、
健康
(
けんかう
)
なること
牛
(
うし
)
の
如
(
ごと
)
く、
嚴父
(
げんぷ
)
の
保護
(
ほご
)
の
下
(
もと
)
に
生長
(
せいちやう
)
し、
其
(
そ
)
れで
學問
(
がくもん
)
させられ、
其
(
それ
)
からして
割
(
わり
)
の
好
(
よ
)
い
役
(
やく
)
に
取付
(
とりつ
)
き、二十
年以上
(
ねんいじやう
)
の
間
(
あひだ
)
も、
暖爐
(
だんろ
)
も
焚
(
た
)
いてあり
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
苟
(
いやしく
)
も精神的要求の豊かな人が自分を無良心だと思はずに、その門に冷淡で無頓着である事は出来る事ぢやありません。その
苛責
(
かしやく
)
と拘泥に打ち克つて、大した格別な動機もなくて信者になつたものです。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
罪と
苛責
(
かしやく
)
に吠えるのか
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
しかも
其
(
その
)
苛責
(
かしやく
)
を
分
(
わか
)
つて、
共
(
とも
)
に
苦
(
くる
)
しんで
呉
(
く
)
れるものは
世界中
(
せかいぢゆう
)
に
一人
(
ひとり
)
もなかつた。
御米
(
およね
)
は
夫
(
をつと
)
にさへ
此
(
この
)
苦
(
くる
)
しみを
語
(
かた
)
らなかつたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三十も年上の、この病人臭い老人と一緒にゐるのは、假りに夫婦といふ名はあつたにしても、まだ/\若くて
脂
(
あぶら
)
が乘つて、溌剌としてゐる、お春の若さにはたまらない
苛責
(
かしやく
)
だつたのでせう。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
告知
(
こくち
)
が私に傳へた感じは喜びと呼ばれるものよりは、何かもつと強烈なもの——何か
苛責
(
かしやく
)
するやうな、氣の遠くなるやうなものであつた。それは殆んど恐怖のやうだつたと、私は思ふ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
一
(
ひと
)
つには
良心
(
りやうしん
)
の
苛責
(
かしやく
)
を
餘所
(
よそ
)
にしてさうして
又
(
また
)
それが
何處
(
どこ
)
までも
發見
(
はつけん
)
せられないものであるならば
他人
(
ひと
)
の
物
(
もの
)
を
盜
(
と
)
ることは
口腹
(
こうふく
)
の
慾
(
よく
)
を
滿足
(
まんぞく
)
せしむるには
容易
(
ようい
)
で
且
(
かつ
)
輕便
(
けいべん
)
な
手段
(
しゆだん
)
でなければならぬ
筈
(
はず
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
苛
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
責
常用漢字
小5
部首:⾙
11画
“苛”で始まる語句
苛
苛立
苛々
苛酷
苛烈
苛辣
苛斂誅求
苛苛
苛税
苛政