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絡繹
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らくえき
ふりがな文庫
“
絡繹
(
らくえき
)” の例文
力車
(
りきしや
)
、一輪車、電車、あらゆる種類の車と、あらゆる人種を交へた通行人とが
絡繹
(
らくえき
)
としながら
些
(
さ
)
の衝突も生じないのを見ると
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
竇は友人の言葉に従ってそれを造り、両方の
堵
(
かき
)
を堅くした。すると蜂の群が牆の外から来はじめたが、それは
絡繹
(
らくえき
)
として織るようであった。
蓮花公主
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
監視課の事務所の前を来たり
往
(
い
)
ったりする人数は
絡繹
(
らくえき
)
として絶えなかったが、その中に事務長らしい姿はさらに見えなかった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
楠正成、名和
長年
(
ながとし
)
以下の
凱旋
(
がいせん
)
諸将を従えられ、『増鏡』に依ると、其の行列は二条富小路の
内裏
(
だいり
)
から、東寺の門まで
絡繹
(
らくえき
)
として続いたとある。
四条畷の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
また右手の小高き岡に上って見下ろせば木の間につゞく車馬
老若
(
ろうにゃく
)
の
絡繹
(
らくえき
)
たる、秋なれども人の顔の淋しそうなるはなし。
半日ある記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
柿色の
暖簾
(
のれん
)
に、造花の桜の出しが軒に懸けつらねられ、観客の子女や、食物を運ぶ男衆が
絡繹
(
らくえき
)
としていたのを、学校の
往復
(
ゆきかえ
)
りに見たものであった。
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
駒形堂
(
こまかたどう
)
の白壁に
日脚
(
ひあし
)
は傾き、
多田薬師
(
ただのやくし
)
の
行雁
(
ゆくかり
)
(中巻第七図)に夕暮迫れば、第八図は大川橋の
橋袂
(
はしたもと
)
にて、
竹藪
(
たけやぶ
)
茂る小梅の里を望む
橋上
(
きょうじょう
)
には
行人
(
こうじん
)
絡繹
(
らくえき
)
たり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
聖
(
サン
)
アントニウス寺の七穹窿は、恰も好し月光に耀けり。柱列の間には行人
絡繹
(
らくえき
)
として、そのさまいと樂しげなれども、われは獨り心の
無聊
(
ぶれう
)
に堪へざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
電車がとまったので線路にはもう人が
絡繹
(
らくえき
)
として歩いている。自分はその内の一人を捕えて火事の見当を相談した。南の方のは青山だろうということであった。
地異印象記
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
約三百余里にわたる要塞の水陸には
篝
(
かがり
)
、煙火、幾万幾千燈が燃えかがやいて、一天の
星斗
(
せいと
)
を
焦
(
こ
)
がし、ここに兵糧軍需を運送する車馬の響きも
絡繹
(
らくえき
)
と絶えなかった。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
囚人たることにさへ気のつかない、新時代の服装をした囚人の夫婦は
絡繹
(
らくえき
)
と銀座通りを歩いてゐる。
僻見
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「三」と染め抜いた
暖簾
(
のれん
)
の間から、出入
絡繹
(
らくえき
)
する群集を見おろして、遥に高く雲の上に、睛を点じたものが富士山であったことは、喜多川歌麿の「霜月
見世開
(
みせびらき
)
之図」や
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
音楽会の帰りの馬車や車は
最前
(
さいぜん
)
から
絡繹
(
らくえき
)
として二人を後ろから追い越して夕暮を
吾家
(
わがや
)
へ急ぐ。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大蛇
(
だいじゃ
)
を
籠
(
かご
)
に入れて
荷
(
にな
)
う者と、馬に
跨
(
またが
)
りて行く曲馬芝居の
座頭
(
ざがしら
)
とを先に立てて、さまざまの動物と異形の人類が、
絡繹
(
らくえき
)
として
森蔭
(
もりかげ
)
に列を成せるその
状
(
さま
)
は、げに百鬼夜行一幅の
活図
(
かっと
)
なり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
四月に入ると、街にはそろそろ
嫩葉
(
わかば
)
も見えだしたが、壁土の土砂が風に
煽
(
あお
)
られて、空気はひどくザラザラしていた。車馬の往来は
絡繹
(
らくえき
)
とつづき、人間の生活が今はむき出しで
晒
(
さら
)
されていた。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
焙烙
(
ほうろく
)
で、
豌豆
(
えんどう
)
をいるような
絡繹
(
らくえき
)
たるさんざめき、能役者が笠を傾けて通る。若党を従えたお武家が往く。新造が来る。
丁稚
(
でっち
)
が走る。犬がほえる。
普化僧
(
ふけそう
)
が尺八を振り上げて犬を追っている。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
中にはいたいけな童児が手押車を押し悩んでいるのもございます。わたくしも、その
絡繹
(
らくえき
)
たる車の流れをかいくぐるように、御家財を積んだ
牛車
(
ぎっしゃ
)
を宰領して、幾たび賀茂の流れを渡りましたやら。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
貴族の馬車
絡繹
(
らくえき
)
たるその御者が、皆本邦神社の門側に立つ
箭大臣
(
やだいじん
)
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
其処は
絡繹
(
らくえき
)
と終日牛車の絶える事がない。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
絡繹
(
らくえき
)
と
寺門
(
じもん
)
をいづる
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
剩
(
あまつさ
)
へ
野町
(
のまち
)
、
野田寺町
(
のだでらまち
)
、
地黄煎口
(
ぢくわうぜんぐち
)
、
或
(
あるひ
)
は
鶴來往來
(
つるぎわうらい
)
より、
野菜
(
やさい
)
を
擔荷
(
にな
)
ひて
百姓
(
ひやくしやう
)
の
八百物市
(
やほものいち
)
に
赴
(
おもむ
)
く
者
(
もの
)
、
前後疾走
(
ぜんごしつそう
)
相望
(
あひのぞ
)
みて、
氣競
(
きほひ
)
の
懸聲
(
かけごゑ
)
勇
(
いさ
)
ましく、
御物見下
(
おものみした
)
を
通
(
とほ
)
ること、
絡繹
(
らくえき
)
として
織
(
お
)
るが
如
(
ごと
)
し。
鉄槌の音
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ボルゲエゼ家の
館
(
たち
)
は賀客
絡繹
(
らくえき
)
たり。エリザベツタの天に許嫁せしを賀するなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
中にはいたいけな童児が手押車を押し悩んでゐるのもございます。わたくしも、その
絡繹
(
らくえき
)
たる車の流れをかいくぐるやうに、御家財を積んだ
牛車
(
ぎっしゃ
)
を宰領して、幾たび賀茂の流れを渡りましたやら。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
絡繹
(
らくえき
)
として、花見、遊山に出掛けるのが、この前通りの、優しい大川の小橋を渡って、ぞろぞろと帰って来る、男は
膚脱
(
はだぬ
)
ぎになって、手をぐたりとのめり、女が
媚
(
なまめ
)
かしい
友染
(
ゆうぜん
)
の
褄端折
(
つまばしょり
)
で
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わが觀るところの演劇は、緑肥えたる
葡萄圃
(
ぶだうばたけ
)
、行人
絡繹
(
らくえき
)
たるサレルノ街道、其背後の暗碧なる山脈等を道具立書割として、自ら悲壯劇の
舞群
(
ホロス
)
となれるポムペイ市の死の天使の威を歌へるなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
絡
常用漢字
中学
部首:⽷
12画
繹
漢検1級
部首:⽷
19画
“絡”で始まる語句
絡
絡繰
絡合
絡上
絡垜
絡巻
絡纏
絡頸
絡駅
絡佩裳