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紙袋
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かんぶくろ
ふりがな文庫
“
紙袋
(
かんぶくろ
)” の例文
あとは眞の闇、兩手を後ろ手に
縛
(
しば
)
られた上、猫に
紙袋
(
かんぶくろ
)
の體では、氣は確かでも、年寄の主人清右衞門、どうすることも出來ません。
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
紙袋
(
かんぶくろ
)
を頭へかぶせらるる事——これは苦しいばかりではなはだ興味の
乏
(
とぼ
)
しい方法である。ことに人間の相手がおらんと成功しないから駄目。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
猫を
紙袋
(
かんぶくろ
)
におしこんで、押入れにほうりこんであるからこそ、鼠どもも、外でちっとは大きな顔ができるようなものの……。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それに火をつけて、煙が立ち始めると、皆は大きな
紙袋
(
かんぶくろ
)
の口を広げて、その中へ、煙をみんなあおぎ込んでしまい、そのあとをしっかと
紐
(
ひも
)
で
結
(
ゆ
)
わえました。
お山の爺さん
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
幕間
(
まくあい
)
にちょいと楽屋へ立違って、またもとの所へ入ろうとすると、その娘の
袂
(
たもと
)
の
傍
(
わき
)
に、
紙袋
(
かんぶくろ
)
が一つ出ています。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
林「其の時使った
糠
(
のか
)
を
貯
(
と
)
って置きたいと思って
糠袋
(
のかぶくろ
)
をあけて、ちゃんと
天日
(
てんぴ
)
にかけて、乾かして
紙袋
(
かんぶくろ
)
に入れて貯っておいて、
炊立
(
たきたて
)
の飯の上へかけて
喰
(
く
)
うだ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
然
(
そ
)
う然う、もっと方々見せてやる積りだったが、猫に
紙袋
(
かんぶくろ
)
を
被
(
かぶ
)
せたように平に辞退して逃げて行ったよ」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それを
但馬守
(
たじまのかみ
)
に
見
(
み
)
られるのが
心苦
(
こゝろぐる
)
しさに
地方
(
ぢかた
)
の
與力
(
よりき
)
何某
(
なにがし
)
は、
猫
(
ねこ
)
に
紙袋
(
かんぶくろ
)
を
被
(
かぶ
)
せた
如
(
ごと
)
く
後退
(
あとずさ
)
りして、
脇差
(
わきざ
)
しの
目貫
(
めぬき
)
の
上
(
のぼ
)
り
龍
(
りう
)
下
(
くだ
)
り
龍
(
りう
)
の
野金
(
やきん
)
は、
扇子
(
せんす
)
を
翳
(
かざ
)
して
掩
(
おほ
)
ひ
隱
(
かく
)
した。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
土蔵の前の
梨
(
なし
)
の木に
紙袋
(
かんぶくろ
)
をかぶせて置いて、大風に落ちた三つの梨のうちで、一番大きい梨の目方が百三匁、ほかの二つは目方が六十五匁あったと、そう言うような人なんだからね。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
女房は黙って部屋を出て往ったが、直ぐ店で使う小さな
紙袋
(
かんぶくろ
)
を持って来た。
蠅供養
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
椽の下から
顕
(
あらわ
)
れ
出
(
いで
)
たる
八百八狐
(
はっぴゃくやぎつね
)
付添
(
つきそい
)
て
己
(
おれ
)
の
踵
(
かかと
)
を
覗
(
ねら
)
うから、
此奴
(
こやつ
)
たまらぬと
迯出
(
にげだ
)
す
後
(
うしろ
)
から
諏訪法性
(
すわほっしょう
)
の
冑
(
かぶと
)
だか、
粟
(
あわ
)
八升も入る
紙袋
(
かんぶくろ
)
だかをスポリと
被
(
かぶ
)
せられ、方角さらに分らねば
頻
(
しきり
)
と眼玉を
溌々
(
ぱちぱち
)
したらば
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
猫に
紙袋
(
かんぶくろ
)
を
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
ところがあのお継と来たら、また引き立たない事
夥
(
おびただ
)
しいんだからな。引き立てようとすれば、かえって引き下がるだけで、まるで
紙袋
(
かんぶくろ
)
を
被
(
かぶ
)
った猫見たいだね。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「知ッてる……
生紙
(
きがみ
)
の
紙袋
(
かんぶくろ
)
の口を結えて、中に筋張った動脈のようにのたくる
奴
(
やつ
)
を買って帰って、一晩内に寝かしてそれから高津の宮裏の穴へ放すんだってね。」
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
花松魚
(
はながつお
)
は
紙袋
(
かんぶくろ
)
へ入れて置くのだが、是も
猫鰹節
(
ねこぶし
)
を
細
(
こまッ
)
かに削ったものさ、
海苔
(
のり
)
は
一帖
(
いちじょう
)
四銭二厘にまけてくれるよ、六つに切るのを八つに切るのだ、是に
箸
(
はし
)
を添えて出す
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
皆集まって、大きな
紙袋
(
かんぶくろ
)
の横の方を少し破いて、中をのぞこうとしました。すると、その破れ目から、中の煙がふーっと出て来ました。皆はあわてて、破れ目を押えました。
お山の爺さん
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
と云われてお村は
間
(
ま
)
が悪いから真赤になって、猫が
紙袋
(
かんぶくろ
)
を
被
(
かぶ
)
ったように
逡巡
(
あとびさり
)
にして、こそ/\と台所から抜出して仕舞いましたが、さアもう文治郎の所へ
行
(
ゆ
)
くことは出来ません。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それ、あの、忠兵衛の
養母
(
おふくろ
)
といった隠居さんが、
紙袋
(
かんぶくろ
)
を提げているから、」
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なん
)
とも返答をいたす事が出来ないんで……矢ッ張黙ってモジ/\と
臀
(
いしき
)
ばかりを動かし、まるで猫に
紙袋
(
かんぶくろ
)
をきせましたように
後
(
あと
)
ずさりをいたしますんで、勝五郎は
弥々
(
いよ/\
)
急
(
せ
)
きたちまして
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
猫を
紙袋
(
かんぶくろ
)
に入れて、ちょいとつけばニャンと鳴かせる、山寺の和尚さんも、鼠には困った。あと、二度までも近在の寺に頼んだが、そのいずれからも返して来ます。おなじく鼠が
掛
(
かか
)
るので。
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紙
常用漢字
小2
部首:⽷
10画
袋
常用漢字
中学
部首:⾐
11画
“紙”で始まる語句
紙片
紙
紙幣
紙鳶
紙屑
紙燭
紙入
紙縒
紙捻
紙芝居