祝儀しうぎ)” の例文
祝儀しうぎすむやそこ/\定紋の車幾臺大川端の家にとむかへり、あわれ病人やむひとやあつしくなりにしがあたゝかき息こもるうばらのそのうやさまよう、細き息の通ふばかりとや
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
ほかことでもござりませんが、手前てまへ當年たうねんはじめての御奉公ごほうこうにござりますが、うけたまはりますれば、大殿樣おほとのさま御誕生ごたんじやうのお祝儀しうぎばん、お客樣きやくさま御立歸おたちかへりにりますると、手前てまへども一統いつとうにも
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぽんづつをくぎつてくプラットフォオムのはしらわすれたやうな運水車うんすゐしや、それから車内しやないたれかに祝儀しうぎれいつてゐる赤帽あかばう——さうふすべては、まどきつける煤煙ばいえんなか
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
さて祝儀しうぎみて與惣次と傳吉お專而已のみなればお專傳吉に打向うちむかひお早どのは私しが養母やうぼにてお梅どのは私しのあねなりかねておはなし申せし如く私十二歳の時に病氣のちゝすて家財かざいのこらずかきさらひお梅どのを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しめきん七十圓なゝじふゑん——もしそれわたしをして幹事かんじたらしめば、たちまちにおぼん軍用ぐんようてようものを、軍規ぐんき些少いさゝかてきにかすめざる瀧君たきくんなれば、こゝろざしはうけた——あるひ新築しんちくいはひあるひをどり一手ひとて祝儀しうぎ
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
聞直八それ高價たかいわしは百姓のことだから身にはすこしかまひは無い見てくれさへよければいゝほんの御祝儀しうぎざしもうちつと負て下さい道具屋否々いへ/\此品はかた代物しろものなれば夫よりは少しもひけやせんと是より暫時しばし直段ねだん押引おしひき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
壽留女するめとするなどみな古實こじつなる書振かきぶりの二樽五種とは言ながらいづれも立派りつぱしたてたれば只さへせまき此家は所せまきまでならべ立られすわひまさへ有らざりけり主個あるじは何やら娘お光に私語さゝやきしめせばお光は心得何程なにほどづつかの祝儀しうぎ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)