眞個ほんとう)” の例文
新字:真個
先生せんせいわたしどもにをしへたから、先生せんせいかめ先生せんせいッてんだのさ』と海龜うみがめ腹立はらだゝしげにつて、『眞個ほんとうにおまへ鈍物どんだね!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
自分は程なく人のすいた電車の來る事と別に驚きもせず、取殘された人達と猶も路傍みちばたに立つて居たが、いや今度こそは眞個ほんとうに來る樣子はない。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
溝石みぞいしうへに、眞個ほんとうに、うつくしいかたでおきなすつたやうに、容子ようすよく、ちやんとつかつてましたよ。」
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あゝ其事そのこと! 貴方あなたはよくおぼえていらつしやいましたねえ。亞尼アンニー眞個ほんとうめうことをと、その時分じぶんすこしもこゝろめませんでしたが、のちにそれとおもあたりましたよ。
けがれてる/\、ツてあの時んながさう言つたのは、眞個ほんとうだつたのかい。』
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
『それは眞個ほんとう結構けつかうことだわ』とあいちやんは分別ふんべつありげにつて、『けど、それなら——それでもおなかかないかしら』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
眞個ほんとうつてください。唯今たゞいまひましたやうに、遺失おとすのを、なんだつてそんなに心配しんぱいします。たゞひとれるのが可恐おそろしいんでせう。……なにわたしかまはない。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
眞個ほんとうに/\、海軍かいぐん叔父おぢさんが海賊船かいぞくせん退治たいぢするなら、わたくしてき大將たいしやう勝負しようぶけつしようとおもふんです。』
はなしてるかれえずそら仰視みあげるので、あいちやんは眞個ほんとう無作法ぶさはふものもあればあるものだとおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
串戲じようだんぢやありません、眞個ほんとうです。……ですから二階同士にかいどうし結構けつこうですとも。……そして、わたしに……とおつしやつて、貴女あなたなんでございます……御遠慮ごゑんりよりません。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「ですから眞個ほんとうことつてください、たならたと、……たのむんですから。」
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)