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目醒
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めざ
ふりがな文庫
“
目醒
(
めざ
)” の例文
そこの
隙
(
すき
)
へ、保元・平治の乱で自己の力量に
目醒
(
めざ
)
めた平家が、西国の富裕な地盤にものをいわせて、無理おしに京都へ押し出てくる。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
急に本能の
目醒
(
めざ
)
めた思ひで、また、強くおせいの腰を取つたが、おせいは、富岡の手をふりほどくやうにして、狭い石段を降りて行つた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
其
(
その
)
翌朝
(
よくてう
)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
と
私
(
わたくし
)
とが
目醒
(
めざ
)
めたのは八
時
(
じ
)
※
(
すぎ
)
で
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
をはじめ
一隊
(
いつたい
)
の
水兵
(
すいへい
)
を
引卒
(
ひきつ
)
れて、
何處
(
いづこ
)
へか
出去
(
いでさ
)
つた
後
(
あと
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
馬は
目醒
(
めざ
)
ましい上手である。その外青年貴族のするような事には、何にも熟錬している。馬の体の事は、
毛櫛
(
けくし
)
が知っているより好く知っている。
世界漫遊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ユリウス・ダビット
(著)
しかし犯人が若い女の方だとすると、煙草は
可也
(
かなり
)
重要な証拠になると思う。金が
目醒
(
めざ
)
めている間には、あんなに煙草を撒き散すことは出来ない。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
独断の「甘い」夢が破られて批判的知見に富んだ「いき」が
目醒
(
めざ
)
めることは、「いき」の内包的構造のところで述べた。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
覚有情とは
覚
(
さと
)
れる人という意味で、人生に
目醒
(
めざ
)
めた人のことです。ただし自分
独
(
ひと
)
りが目醒めているのではなく、他人をも目醒めさせんとする人です。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
濡
(
ぬ
)
れた
褌
(
ふんどし
)
をぶら下げて、暑い夕日の中を帰ってくる時の
気色
(
きしょく
)
の悪さは、実に
厭世
(
えんせい
)
の感を少年の心に
目醒
(
めざ
)
めさせた。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
そして、柱に掛った寒暖計を見て、「三十五度か、寒いわけだ」と思いながら部屋を出た。どの部屋からも安らかな寝息が
洩
(
も
)
れていて一人も
目醒
(
めざ
)
めていなかった。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
いわゆる盲目蛇で、政治家が文明の活動を一般国民に知らせずにおいた、即ち
目醒
(
めざ
)
めかかった者に麻酔剤を飲ませておいた状態——これが我が日本の鎖国状態であった。
東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
その風音にあやされて、私は、つひに、
睡眠
(
ねむり
)
に落ちた。大して寢ないうちに、急な停車が、私を
目醒
(
めざ
)
めさした。馬車の
扉
(
ドア
)
が開いた。召使ひ
風
(
ふう
)
の者が、
扉
(
ドア
)
のところに立つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
別に昔と比べて
目醒
(
めざ
)
ましい発展をしているとも思われない、下車すると大宮行きのバスがある、それへ乗り込んで七八丁、喜多院前で下車する、境内はだだっ広くしまりがない
武州喜多院
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
(今日の民謡と称するものは少くとも大部分は詩形上
都々逸
(
どどいつ
)
と変りはない。)この眠つてゐる王女を見出すだけでも既に興味の多い仕事である。まして王女を
目醒
(
めざ
)
ませることをや。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
三十分ほども
経
(
た
)
ったろうか。突然、冷たい感触が私を
目醒
(
めざ
)
めさせる。風が出たのか? 起上って窓から外を見ると、近くのパンの木の葉という葉が残らず白い裏を見せて翻っている。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
が、その頃から既に、本能的に夢を見ようとする少年と、反対にそれから
目醒
(
めざ
)
めようとする少女とが、その村を舞台にして、互に見えつ隠れつしながら真剣に鬼ごっこをしていたのだった。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
魯文は、『仮名読新聞』によって
目醒
(
めざ
)
ましい活躍をした人で、また
猫々道人
(
みょうみょうどうじん
)
とも言ったりした。芸妓を猫といい出したのも、魯文がはじめである。魯文は後に『仮名読新聞』というものを創設した。
明治十年前後
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
『何。うき様が、お
目醒
(
めざ
)
めとか。はて、せわしない』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かかる中にわが魂は
目醒
(
めざ
)
めて
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
私
(
わたくし
)
は
何氣
(
なにげ
)
なく
倚子
(
ゐす
)
より
離
(
はな
)
れて、
檣樓
(
しやうらう
)
に、
露砲塔
(
ろほうたふ
)
に、
戰鬪樓
(
せんとうらう
)
に、
士官
(
しくわん
)
水兵
(
すいへい
)
の
活動
(
はたらき
)
目醒
(
めざ
)
ましき
甲板
(
かんぱん
)
を
眺
(
なが
)
めたが、
忽
(
たちま
)
ち
電氣
(
でんき
)
に
打
(
う
)
たれし
如
(
ごと
)
く
躍上
(
をどりあが
)
つたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
なにしろ、帝都の市民は、今日になって、防空問題に、
目醒
(
めざ
)
めたことだろうが、こんなになっては、もう既に遅い。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その力は、
目醒
(
めざ
)
め、燃えた。そしてまづ、今までは
蒼
(
あを
)
ざめた
血
(
ち
)
の
氣
(
け
)
のないものとしか見えなかつた、彼女の頬の
鮮
(
あざ
)
やかな紅となつて輝き、次には彼女の眼の
潤
(
うるほ
)
ひにみちた艷となつて光つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
かつて、釈迦は「因縁」の真理に
目醒
(
めざ
)
めることによって、覚れる
仏陀
(
ほとけ
)
になったのです。したがって、私どももまた、この因縁の真理をほんとうに知ることによって、何人も仏になりうるのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
「お蘭さん、お
目醒
(
めざ
)
めでないかい、おらがお蘭さんはおらんのかい」
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
急
(
いそ
)
ぎ
其方
(
そなた
)
を
見
(
み
)
ると
少年
(
せうねん
)
は、
今
(
いま
)
の
聲
(
こゑ
)
に
驚
(
おどろ
)
き
目醒
(
めざ
)
め、むつと
起
(
お
)
きて、
半身
(
はんしん
)
を
端艇
(
たんてい
)
の
外
(
そと
)
へ
出
(
だ
)
したが、
忽
(
たちま
)
ち
驚
(
おどろ
)
き
悦
(
よろこび
)
の
聲
(
こゑ
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
不図
(
ふと
)
、その
白昼夢
(
はくちゅうむ
)
から、パッタリ
目醒
(
めざ
)
めた。オヤオヤ睡ったようだと、気がついたとき、庭の方の
硝子窓
(
ガラスまど
)
が、コツコツと叩かれるので、其の方へ顔を向けた。
俘囚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
五日延期してはどうかと、断水坊平生の
洒
(
しゃあ
)
ツクにも似ず真面目
臭
(
くさ
)
って忠告を始めたが、吾輩はナアニというので、その夜はグッスリと寝込み、翌朝
目醒
(
めざ
)
めたのは七時前後、風は止んだが
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
目醒
(
めざ
)
めた警備の人々は、相手の真黒に汚れた顔を見てふきだしたい位でした。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
醒
常用漢字
中学
部首:⾣
16画
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目醒時計