當然あたりまへ)” の例文
新字:当然
夫れを種々さま/″\に思ふて見ると父さんだとて私だとて孫なり子なりの顏の見たいは當然あたりまへなれど、餘りうるさく出入りをしてはと控へられて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それは、私を可愛がつてくれたり、私が當然受けるべきだと思ふ罰をくれる人を、私が愛さなきやならないと同じやうに當然あたりまへなことだわ。
平凡へいぼん會話くわいわじやアないか。平常ふだんなら當然あたりまへ挨拶あいさつだ。しか自分じぶんともわかれて電車でんしやつたあとでも氣持きもちがすが/\して清涼劑せいりやうざいんだやうながした。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あいちやんは芋蟲いもむしがこんなつまらぬねんすのですこ焦心じれッたくなつて、やゝ後退あとじさりしてきはめて眞面目まじめかまへて、『おまへこそだれだ、一たいさきはなすのが當然あたりまへぢやなくッて』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
當然あたりまへさ。恐らく近頃の人間で勝手でない者はありやしない。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
着靴者慙謝くつをつくるものざんしや、とある。これは慙謝ざんしや當然あたりまへである。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
れを種々さま/″\おもふてるととゝさんだとてわたしだとてまごなりなりのかほたいは當然あたりまへなれど、あんまりうるさく出入でいりをしてはとひかへられて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
可笑をかしいことひますね、昨年さくねんあんなに世話せわになつたひとひたいのは當然あたりまへだらうとおもふ。』
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ぶたになつてよ』とあいちやんはしづかにひました、あだかうなるのが當然あたりまへであるかのやうに。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
阿關はつむりの先より爪先まで眺めていゑ/\私だとて往來で行逢ふた位ではよもや貴君と氣は付きますまい、唯た今の先まで知らぬ他人の車夫さんとのみ思ふて居ましたに御存じないは當然あたりまへ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
阿關おせきつむりさきより爪先つまさきまでながめていゑ/\わたしだとて徃來わうらい行逢ゆきあふたくらゐではよもや貴君あなたきますまい、たついまさきまでもらぬ他人たにん車夫くるまやさんとのみおもふてましたに御存ごぞんじないは當然あたりまへ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひげをひねつておまへ此子このこ可愛かあいいかとおつしやいました、當然あたりまへ御座ございます、とてつんといたしてりますと、それではおまへ可愛かあいいなといつも戲言おどけおつしやつて、高聲たかごゑ大笑おほわらひをあそばしたそのかほ
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)