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環
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くわん
ふりがな文庫
“
環
(
くわん
)” の例文
三千代
(
みちよ
)
は
次
(
つぎ
)
の
部屋
(
へや
)
で簟笥の
環
(
くわん
)
をかたかた鳴らしてゐた。
傍
(
そば
)
に
大
(
おほ
)
きな
行李
(
こり
)
が
開
(
あ
)
けてあつて、
中
(
なか
)
から
奇麗
(
きれい
)
な
長繻絆
(
ながじゆばん
)
の
袖
(
そで
)
が
半分
(
はんぶん
)
出
(
で
)
かかつてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此人丈は軍刀を弔つて来て、見物する間も
環
(
くわん
)
丈
(
だけ
)
脱
(
はづ
)
して、傍に引き附けてをられる。これがひどく荒川の気に入つた。荒川は甲越の戦争の頃の
武辺
(
ぶへん
)
話を聞いたことがある。
金貨
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
違ふと云つた所が五徳同様故、三本の足と
環
(
くわん
)
との釣合ひが、
僅
(
わづか
)
に違つてゐるに過ぎない。が三つとも明らかに違ふ。見てゐれば見てゐる程
愈
(
いよいよ
)
違ひが甚しい。一つは荘重な心もちがする。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
環
(
くわん
)
の二つ繋がつた其の比翼指輪の一つの環には Koike、他の一つの環には Mitsu と細く刻つてあるが、こんな字の一つも讀めぬ旦那には、
黄金
(
きん
)
の性でも書いてあるのかと思つて
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
と見れば監獄署裏の
草空地
(
くさあきち
)
にぶらんこの
環
(
くわん
)
のきしるなりけり
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
光の
環
(
くわん
)
は風景の中にすくない
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
筋
(
すぢ
)
を引き、
環
(
くわん
)
をゑがきて
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
御米
(
およね
)
は
又
(
また
)
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
つて、
洋燈
(
らんぷ
)
を
手
(
て
)
にした
儘
(
まゝ
)
、
間
(
あひ
)
の
襖
(
ふすま
)
を
開
(
あ
)
けて
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
へ
出
(
で
)
た。
暗
(
くら
)
い
部屋
(
へや
)
が
茫漠
(
ぼんやり
)
手元
(
てもと
)
の
灯
(
ひ
)
に
照
(
て
)
らされた
時
(
とき
)
、
御米
(
およね
)
は
鈍
(
にぶ
)
く
光
(
ひか
)
る
箪笥
(
たんす
)
の
環
(
くわん
)
を
認
(
みと
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何かの
環
(
くわん
)
をひつぱるのだ。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
用簟笥の
環
(
くわん
)
を
響
(
ひゞ
)
かして、
赤
(
あか
)
い天鵞絨で
張
(
は
)
つた
小
(
ち
)
さい
箱
(
はこ
)
を
持
(
も
)
つて
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た。代助の
前
(
まへ
)
へ
坐
(
すは
)
つて、それを
開
(
あ
)
けた。
中
(
なか
)
には昔し代助の
遣
(
や
)
つた指環がちやんと
這入
(
はい
)
つてゐた。三千代は、たゞ
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
環
(
くわん
)
が鳴る、何かしら鳴る。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
手紙
(
てがみ
)
は
古風
(
こふう
)
な
状箱
(
じようばこ
)
の
中
(
うち
)
にあつた。
其
(
その
)
赤塗
(
あかぬり
)
の
表
(
おもて
)
には
名宛
(
なあて
)
も
何
(
なに
)
も
書
(
か
)
かないで、
真鍮
(
しんちう
)
の
環
(
くわん
)
に
通
(
とほ
)
した
観世撚
(
かんじんより
)
の
封
(
ふう
)
じ
目
(
め
)
に
黒
(
くろ
)
い
墨
(
すみ
)
を着けてあつた。代助は
机
(
つくえ
)
の
上
(
うへ
)
を
一目
(
ひとめ
)
見て、此手紙の
主
(
ぬし
)
は
嫂
(
あによめ
)
だとすぐ
悟
(
さと
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何処
(
どこ
)
かで
環
(
くわん
)
が鳴る
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
環
常用漢字
中学
部首:⽟
17画
“環”を含む語句
循環
指環
環境
花環
環視
金環
鉄環
環礁
耳環
苧環
首環
佩環
環状星雲
環状
環麺麭
玉環
結婚指環
珮環
鼻環
渦環
...