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おとなし
ふりがな文庫
“
温順
(
おとなし
)” の例文
「ああ、妾が
必然
(
きっと
)
連れて来て見せるから、
温順
(
おとなし
)
くして待ってお
在
(
いで
)
。え、それでも
忌
(
いや
)
かえ。ねえ、お葉さん、
確乎
(
しっかり
)
返事をお
為
(
し
)
よ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
到底
(
どうせ
)
貰
(
もら
)
う事なら親類
某
(
なにがし
)
の次女お
何
(
なに
)
どのは
内端
(
うちば
)
で
温順
(
おとなし
)
く器量も十人
并
(
なみ
)
で私には至極
機
(
き
)
に入ッたが、この
娘
(
こ
)
を迎えて
妻
(
さい
)
としては
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
養母
(
おつか
)
さん、
私
(
わたし
)
を食つた其鬼が、お前の
難有
(
ありがた
)
がる大臣サ、総理大臣の伊藤ツて人鬼サ、——私もネ、其れ
迄
(
まで
)
は世間なみの
温順
(
おとなし
)
い
嬢
(
むすめ
)
だつたことを覚えてますよ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
惣「うん成程
然
(
そ
)
うかえ、能く
墓参
(
はかめえ
)
りをする、中々
温順
(
おとなし
)
やかな
実銘
(
じつめい
)
な男だと云って、村でも評判が
好
(
い
)
い」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
遣
(
つか
)
はし其場を
濟
(
すま
)
せし事迄を落なく語りければ與惣次は大いに
感心
(
かんしん
)
なし如何にも今の世には得難き人なり殊に女房叔母ともに
奇麗
(
きれい
)
に向ふへ
遣
(
つかは
)
し
温順
(
おとなし
)
き心底なりと傳吉が
徳
(
とく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
それよりかあの
温順
(
おとなし
)
やかな写真屋さんな——あの人も一度東京へ用があって来たとか言って、寄って行ったけれど、
罐詰屋
(
かんづめや
)
さんと違って、なかなか人品もいいし、何かによく気もつくし
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
真面目
(
まじめ
)
に
理屈
(
りくつ
)
しんなり
諄々
(
くどくど
)
と説諭すれば、不思議やさしも
温順
(
おとなし
)
き人、何にじれてか
大薩摩
(
おおざつま
)
ばりばりと語気
烈
(
はげ
)
しく、
要
(
い
)
らざる御心配無用なりうるさしと一トまくりにやりつけられ敗走せしが
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
或日食堂への行きずりに私の
袖
(
そで
)
をつかまへ、今日われ/\皆で西寮では誰と誰とが幅を
利
(
き
)
かすだらうかを評議したところ、君は
温順
(
おとなし
)
さうに見えて案外新入生に威張る手合だといふ推定だと言つて
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
と、
斯
(
こ
)
う考えたので、彼は
故意
(
ことさら
)
に小さくなって、
宛
(
さな
)
がら死せるように
鎮
(
しずま
)
っていた。
対手
(
あいて
)
が
温順
(
おとなし
)
いので、忠一も少しく油断した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
上
(
あげ
)
し方が
足下
(
そくか
)
の家の
息子
(
むすこ
)
なりしかとは知ねども
容姿
(
みなり
)
もよく若きに
似氣
(
にげ
)
なく
物柔
(
ものやはらか
)
で
折屈
(
をりかゞみ
)
能
(
よ
)
き人なれば
娘
(
むすめ
)
持
(
もつ
)
身
(
み
)
は早くも目が附き
何處
(
いづこ
)
の息子か知ざれど
美男
(
びなん
)
の上に
温順
(
おとなし
)
やと
同
(
おなじ
)
事なら
斯
(
あゝ
)
いふ人に娘を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼は
極
(
ごく
)
温順
(
おとなし
)
くって宜うございますから、お
浮
(
うか
)
れなすっちゃアどうです
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お葉を追い捉えた重太郎は、定めて破れかぶれの乱暴を始めるかと思いの
外
(
ほか
)
、彼は
矢
(
や
)
はり
温順
(
おとなし
)
い態度であった。が、
其
(
そ
)
の
湿
(
うる
)
んだ眼は一種異様に輝いていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
相續爲る御身ゆゑ學問に
凝
(
こり
)
夜歩行
(
よあるき
)
一ツ
爲
(
なさ
)
らざるも
然
(
さう
)
なくては
叶
(
かなは
)
ねどとは言へ善惡二つながらお
案
(
あん
)
じ
爲
(
なさ
)
るは親御の
常
(
つね
)
況
(
まし
)
てや外にお子とてなき
和君
(
あなた
)
が餘り
温順
(
おとなし
)
すぎ
設
(
も
)
し病氣でも出はせぬかとお案じなされて玉くしげたに
親樣
(
おやさま
)
が此忠兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼女は
何方
(
どちら
)
かといえば
温順
(
おとなし
)
過ぎる位であった。
寧
(
むし
)
ろ陰気な女であった。しかし
柔順
(
すなお
)
で正直で骨を惜まずに能く働いて、どんな場合にも決して
忌
(
いや
)
そうな顔をしたことはなかった。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
温
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
順
常用漢字
小4
部首:⾴
12画
“温”で始まる語句
温
温和
温泉
温柔
温気
温暖
温味
温泉宿
温泉場
温習