汝等なんじら)” の例文
人々ひとびとこころせよ、それはなんじらを衆議所しゅうぎしょわたし、会堂かいどうにてむちうたん。また汝等なんじらわがゆえによりて、つかさたちおうたちのまえかれん。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
これを春琴伝は記して汝等なんじらわらわを少女とあなどりあえて芸道の神聖をおかさんとするや、たとい幼少なりとていやしくも人に教うる以上師たる者には師の道あり
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「勝手にしろ。山を降りれば何かあるに相違ない。何かに付いておりれば、どこかの村につくきまっている。汝等なんじらごとき懦弱漢はかえって手足てあしまといだ。帰れ帰れ」
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
万事汝等なんじらの責任と良識りょうしきによって前途を開き進め、人生は「親知らず」の難所なんじょであると言いたい気分でいる。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
思え! 殺された者の霊魂が、汝等なんじらに対して、復讐の念を燃やさずに居ると思うか! 汝等なんじらがかかる非行を演ずるは、畢竟ひっきょう神の何者たるかを知らぬからである。
……汝等なんじら此処こゝに、立処たちどころ作品さくひんかげあらはれたるまぼろし姿すがたたいして、れいきをぢざるや……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なんじらの穀物こくもつかるときには汝等なんじらその田野たはた隅々すみずみまでをことごとかるべからずまたなんじ穀物こくもつ遺穂おちぼひろうべからずまたなんじ菓樹園くだものばたけくだもの取尽とりつくすべからずまたなんじ菓樹園くだものばたけおちたるくだもの
聖家族 (新字新仮名) / 小山清(著)
汝等なんじらつまびらかに諸の悪業あくごうを作る。あるい夜陰やいんを以て小禽しょうきんの家に至る。時に小禽すでに終日日光に浴し、歌唄かばい跳躍ちょうやくして疲労ひろうをなし、唯唯ただただ甘美かんび睡眠すいみん中にあり。汝等飛躍してこれをつかむ。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それを、さうはさせない身体よ、周囲よ、汝等なんじらはみな人殺しだぞ。人殺し! 人殺し!。と秋成は、自分の身体に向け、あたりに向け、低いけれども太くて強い調子の声を吐きかけた。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
あの聖書の中に、汝等なんじら求めよ、さらば与えられん、尋ねよ、さらばわん、たたけよ、さらばひらかれんというところが御座いますね。もう少し前のあたりから、あの辺は私の好きなところで御座います。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
耶蘇やそ「我笛吹けども、汝等なんじら踊らず。」
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
わあ、また愁歎場しゅうたんばか。汝等なんじらは、よく我慢してあそこに頑張っておれるね。神経が太いんだね。薄情なんだね。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
汝等なんじらつまびらかに諸の悪業を作る。あるい夜陰やいんを以て小禽しょうきんの家に至る。時に小禽すでに終日日光に浴し、歌唄かばい跳躍ちょうやくして疲労をなし、唯唯ただただ甘美かんび睡眠すいみん中にあり、汝等飛躍してこれをつかむ。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ここに神の真理の大河となり、洋々として大地を洗い、その不可抗の威力の前には、現在汝等なんじらを悩ます痴愚ちぐも、不信も、罪悪も、虚偽もみな跡方もなく一掃せられてしまうであろう。
キリストの汝等なんじら己を愛する如く隣人を愛せよという言葉をへんに頑固に思いこんでしまっているらしい。
わが半生を語る (新字新仮名) / 太宰治(著)
これとても最後涅槃経ねはんぎょう中には今より以後汝等なんじら仏弟子の肉を食うことを許されずとされている。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
嗚呼ああ盲目なるかな地上の人類、汝等なんじらは神の名においあやまちを犯せる人の子の生命を断ちつつある。
汝等なんじらつまびらかに諸の悪業あくごうを作る。あるい夜陰やいんを以て、小禽しょうきんの家に至る。時に小禽、すでに終日日光に浴し、歌唄かばい跳躍ちょうやくして疲労ひろうをなし、唯唯ただただ甘美かんび睡眠すいみん中にあり。汝等飛躍してこれをつかむ。
二十六夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
かれらなんじらをわたさば、如何いかになにをわんとおもわずらうな、うべきことは、そのときさずけられるべし。これうものは汝等なんじらにあらず、うちにありていたまうなんじらのちちれいなり。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
汝等なんじらおのれを愛するが如く、汝の隣人を愛せよ。
返事 (新字新仮名) / 太宰治(著)