“有(あつ)” の例文
照(てら)し行列(ぎやうれつ)正(たゞ)しく出仕有に程なく夜も明渡(あけわた)り役人方揃(そろ)はれしかば稍(やゝ)有(あつ)て嘉川主税之助一件の者共呼込(よびこみ)になり武家の分は玄關にて大小を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「此處(こゝ)らんとこに塊(かたまり)有(あつ)たのがだが、それつきり何處(どこ)さか行(い)つちやつたな、それから俺(お)れはあ、ようまづなんざ譯(わき)あねえつちつてんだ」彼(かれ)の手先(てさき)が脊椎(せきずゐ)に近(ちか)く觸(ふ)れた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しかし、僕(ぼく)は決(けつ)してさういふ輕薄(けいはく)な心(こゝろ)を以(もつ)て言(い)ふのではないのです。若(も)し諸君(しよくん)の中(うち)、僕(ぼく)と同(おな)じく大島小學校(おほしませうがくかう)に居(を)られた方(かた)が有(あつ)たなら、矢張(やはり)僕(ぼく)と同(おな)じやうな情(じやう)を持(もた)れるだらうと信(しん)じます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
自分の所為に対しては、如何に面目なくつても、徳義上の責任を負ふのが当然だとすれば、外(ほか)に何等の利益がないとしても、御互の間に有(あつ)た事丈は平岡君に話さなければならないでせう。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
お前(まへ)みたやうのが百人(にん)中間(なかま)に有(あつ)たとて少(ちつ)とも嬉(うれ)しい事(こと)は無(な)い、着(つ)きたい方(はう)へ何方(どこ)へでも着(つ)きねへ、己(お)れは人(ひと)は頼(たの)まない眞(ほん)の腕(うで)ッこで一度(ど)龍華寺(りうげじ)とやりたかつたに、他處(よそ)へ行(ゆ)かれては仕方(しかた)が無(な)い
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
誰有(あつ)て動く者無し。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
震(ふる)はして申立てけるに其時檢使は彼場所に傘捨有りし傘を出(いだ)され其方此傘に覺え有りやと見せらるれば長庵涙を拂(はら)ひて倩々(つく/″\)と打詠(うちなが)め暫く有(あつ)て小膝を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
誰有(あつ)て動く者無し。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
預(あづけ)るぞと殘(のこ)る處無く差※(さしづ)有(あつ)て原田大右衞門歸宅致しける依(よつ)て公儀(おかみ)の御詮議(ごせんぎ)は行屆(ゆきとゞ)きしものなりと人々感心したりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)