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抉
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ゑぐ
ふりがな文庫
“
抉
(
ゑぐ
)” の例文
湯
(
ゆ
)
の
宿
(
やど
)
と、
湯
(
ゆ
)
の
宿
(
やど
)
で、
川底
(
かはそこ
)
の
巖
(
いは
)
を
抉
(
ゑぐ
)
つた
形
(
かたち
)
で、
緑青
(
ろくしやう
)
に
雪
(
ゆき
)
を
覆輪
(
ふくりん
)
した
急流
(
きふりう
)
は、
颯
(
さつ
)
と
白雲
(
はくうん
)
の
空
(
そら
)
に
浮
(
う
)
いて、
下屋
(
げや
)
づくりの
廂
(
ひさし
)
に
呑
(
の
)
まれる。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
抉
(
ゑぐ
)
られる様に腹が痛む。小供等はまだ起きてない。家の中は森としてゐる。窓側の机の上にはまだ洋燈が
朦然
(
ぼんやり
)
点
(
とも
)
つてゐた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
隣りの納戸から、自分と勘兵衞と一緒に居るところへ槍を突つ込んだのは、恐ろしい
企
(
たくら
)
みだ——が、考へて見ろ、槍は捻つて
抉
(
ゑぐ
)
るやうに突くものだ。
銭形平次捕物控:215 妾の貞操
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
死力を
籠
(
こ
)
めたる細き
拇指
(
おやゆび
)
に、左眼
抉
(
ゑぐ
)
られたる松島は、
痛
(
いたみ
)
に堪へ得ぬ
面
(
かほ
)
、
僅
(
わづか
)
に
擡
(
もた
)
げつ「——秘密——秘密に——名誉に関はる——早く医者を、内密に——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
抉
(
ゑぐ
)
り出し、自分で自分の右手を
毮
(
も
)
ぎ取るのだ。お前の心臟が犧牲となり、お前はそれを突き刺す僧になるだらう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
「
汝
(
わ
)
れ
梅
(
うめ
)
なんぞ
噛
(
か
)
じつて、おとつゝあ
腹
(
はら
)
抉
(
ゑぐ
)
り
拔
(
ぬ
)
いてやつから
待
(
ま
)
つてろ」
勘次
(
かんじ
)
は
疾
(
とう
)
から
澁
(
しぶ
)
つて
居
(
ゐ
)
た
舌
(
した
)
でいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
最愛のものゝ腹を割き頭を
抉
(
ゑぐ
)
る……さうする事が自分の事業に對して一番忠實な處置であるのを信ぜねばならぬ彼れの世界はすぐその背後に廣がつてゐるのだ。
実験室
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
上の方を取り棄て、釜肌を殘して、西瓜の實を
抉
(
ゑぐ
)
るやうに、眞ん中だけの飯を移し取つて、それだけを喰ふことにしてゐた。釜肌にくツ附いた飯を、飯の皮と呼んでゐた。
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
左の目は眼球の黄褐色をした部分の内部が壞れて、
後
(
うしろ
)
へ脱落してゐるらしいといふ診斷で、事によると目の球をすつかり
抉
(
ゑぐ
)
り出さなければならないかも知れないと言はれたのである。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
胆嚢
(
たんなう
)
と肝臓らしきものを
抉
(
ゑぐ
)
り取りて乙女の前垂に包み、傍の谷川にて汚れたる手足と刀を洗ひ浄めつゝ一散に山を走り降り、
胆
(
きも
)
の
主
(
あるじ
)
が教へ呉れし通りに山峡の間を抜け、村里と菜種畠をよぎり行くに
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
だが、
惟
(
おも
)
へば私は
哭
(
な
)
き過ぎた。曙は胸
抉
(
ゑぐ
)
り
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
「あの矢の根は物凄かつたが、矢が當つてついた傷なら、眞つすぐに突き
貫
(
ぬ
)
ける筈。ところが、この傷は
抉
(
ゑぐ
)
れてゐる」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
林
(
はやし
)
の
外
(
はづ
)
れから
田圃
(
たんぼ
)
へおりる
處
(
ところ
)
は
僅
(
わづ
)
かに五六
間
(
けん
)
であるが、
勾配
(
こうばい
)
の
峻
(
けは
)
しい
坂
(
さか
)
でそれが
雨
(
あめ
)
のある
度
(
たび
)
にそこらの
水
(
みづ
)
を
聚
(
あつ
)
めて
田圃
(
たんぼ
)
へ
落
(
おと
)
す
口
(
くち
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
るので
自然
(
しぜん
)
に
土
(
つち
)
が
抉
(
ゑぐ
)
られて
深
(
ふか
)
い
窪
(
くぼみ
)
が
形
(
かたちづく
)
られて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
人を刺して、いきなり
抉
(
ゑぐ
)
るのは、武藝の心得のある者だ。素人の
盲目突
(
めくらづ
)
きではない。——曲者はあの晩加島屋に三百兩の金が用意してある事を知つて居る武家だ。
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手負乍ら、お嘉代の
烈々
(
れつ/\
)
たる
氣魄
(
きはく
)
が、その打ち
濕
(
しめ
)
つた言葉のうちにも、聽く者の
肺腑
(
はいふ
)
を
抉
(
ゑぐ
)
ります。
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
除
(
よ
)
けてゐるから大したことは無いが、存分に
抉
(
ゑぐ
)
つた傷だから、請合ひ兼ねるといふことで
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
細い刄物で
背後
(
うしろ
)
から一と突きに突き上げたものですが、お君の場合は思ひ切り
抉
(
ゑぐ
)
つてあるのに、これはたゞ突いただけで、同じく致命的なものであつたにしても、大變な違ひがあります。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
抉
漢検1級
部首:⼿
7画
“抉”を含む語句
剔抉
抉出
一抉
抉抜
耳抉
抉剔
評隲摘抉
爬羅剔抉
摘抉
搨抉
抉穴
抉発
抉掻
抉取
抉去
印籠抉
兩抉