戦友せんゆう)” の例文
いままで勇敢ゆうかんたたかっていた戦友せんゆうが、ばたり、ばたりと前後ぜんごにたおれていきました。それにつらかったのは、たまのつきかかったことでした。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのかれは、かつての約束やくそくまもって、戦友せんゆう骨壺こつつぼい、前線ぜんせんから、また前線ぜんせんへとえ、かわわたって、進撃しんげきをつづけているのでありました。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「まだ、一月ひとつきばかりにしかならない。いくらくるしんでも、こうして、かえられたものは、しあわせだが、いつまでたっても、もどらない戦友せんゆうはかわいそうだ。」
たましいは生きている (新字新仮名) / 小川未明(著)
すでに、去年きょねんのいまごろ、塹壕ざんごうなかで、異郷いきょうそらながらいった、戦友せんゆう言葉ことばが、おもされたのでした。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いまも前線ぜんせんにあってたたかいつつある戦友せんゆうのことをかんがえると、自分じぶん武運ぶうんつたなくして帰還きかんしながら、なんで、これしきの戦傷せんしょう名誉めいよとしてひとほこることができようか
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あちらのしまに、まだのこっている、戦友せんゆうのことをおもっていたんだよ。」と、そのひとは、こたえました。
たましいは生きている (新字新仮名) / 小川未明(著)
靖国神社やすくにじんじゃ神殿しんでんまえへひざまずいて、清作せいさくさんは、ひくあたまをたれたときには、すでに討死うちじにして護国ごこく英霊えいれいとなった、戦友せんゆう気高けだか面影おもかげがありありと眼前がんぜんにうかんできて
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いまでもんだ戦友せんゆうのことや、負傷ふしょうしたともだちのことを片時かたときもわすれることがありません。
村へ帰った傷兵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あまりおそいので、こんなことではないかとむかえにきたよ。さあ、くらくならぬうち、はやくいこうと、戦友せんゆうは、さきって、よくこんなみちっているなとおもうようなところをあるいた。
たましいは生きている (新字新仮名) / 小川未明(著)
岡田上等兵おかだじょうとうへいは、月光げっこうしたって、戦死せんししたともかって、合掌がっしょうしました。かれは、あしもとにしげっている草花くさばな手当てあたりしだいに手折たおっては、武装ぶそうした戦友せんゆうからだうえにかけていました。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうやみなかともびながら、戦友せんゆうさがしているのは、岡田上等兵おかだじょうとうへいでした。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、徳蔵とくぞうさんは戦友せんゆう死体したいいだこして、なみだとしたのです。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)