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懇々
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こんこん
ふりがな文庫
“
懇々
(
こんこん
)” の例文
むろんそうした生徒は、先生に、「これは君までの話だ、他の生徒には絶対にもらさないように。」と
懇々
(
こんこん
)
口
留
(
ど
)
めされるのが常である。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
寄手の将の木下殿より
懇々
(
こんこん
)
と、時勢の
赴
(
ゆ
)
くところを説かれ、大義のため小義をすてよとのおすすめに屈し、遂に、これへ同道いたしました。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正直か不正直かは長い目で見ていれば自然に判る。まず当分はなんにも言わずに辛抱しているがよかろうと、彼は栄之丞を
懇々
(
こんこん
)
説いてなだめた。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
老人らが
懇々
(
こんこん
)
と
吾人
(
ごじん
)
に身の
治
(
おさ
)
め方について説いてくれるときでも、この老いぼれめが
維新前
(
いしんぜん
)
の話をしているわいと、
馬耳東風
(
ばじとうふう
)
に聞き流すことが多い。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
総監が
云
(
い
)
うのには、この位なことで、
貴方
(
あなた
)
を社会的に
葬
(
ほうむ
)
ってしまうことは、何とも遺憾なことなので告訴を取り下げるように
懇々
(
こんこん
)
云って見たが、頑として聴かない。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
竜神
(
りゅうじん
)
さんはいとど
優
(
や
)
さしく、いろいろと
母
(
はは
)
を
労
(
いた
)
わってくださいましたので、
母
(
はは
)
もすっかり
安心
(
あんしん
)
して、
丁度
(
ちょうど
)
現世
(
げんせ
)
でするように
私
(
わたくし
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
を
懇々
(
こんこん
)
とお
依
(
たの
)
みするのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
又砂糖の製造所があって、大きな釜を真空にして沸騰を早くすると
云
(
い
)
うことを
遣
(
やっ
)
て居る。ソレを
懇々
(
こんこん
)
と説くけれども、
此方
(
こっち
)
は
知
(
しっ
)
て居る、真空にすれば沸騰が早くなると云うことは。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
道庵は
懇々
(
こんこん
)
と説きさとすようなことを言って、わけもわからずに源助を感心させ
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
是
(
これ
)
は一つは
唯継事
(
ただつぐこと
)
近頃
不機嫌
(
ふきげん
)
にて、とかく内を外に遊びあるき居り
候処
(
さふらふところ
)
、両三日前の新聞に善からぬ
噂出
(
うはさい
)
で候より、心配の
余
(
あまり
)
様子見に参られ候次第にて、其事に就き私へ
懇々
(
こんこん
)
の意見にて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
河野氏に
懇々
(
こんこん
)
訓
(
さと
)
されたぐらいでは
折角
(
せっかく
)
の思い付を止める
筈
(
はず
)
がない。其夜彼等は脱獄し海上三里を泳ぎ渡り羽田から
陸
(
おか
)
へ上がったが
其儘
(
そのまま
)
何処へ行ったものか
杳
(
よう
)
として知ることが出来なかった。
国事犯の行方:―破獄の志士赤井景韶―
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
何のためにこんな道を通るか、とか、この先、どこへ行くつもりか、とか、いろいろしちくどく訊問されたうえ、乾板を没収され、
懇々
(
こんこん
)
と将来を
戒
(
いまし
)
められて放免されたのは夕方の六時ごろ。
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
と言って
懇々
(
こんこん
)
説諭をしたです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
今、あれ程激しい稽古をつけて汗ばみもせず毛皮の上にゆたりと坐った左典、千浪と御方を近く寄せて、何やら
懇々
(
こんこん
)
と一刻あまり説きさとした。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これを
是
(
こ
)
れ知らずして
自
(
みず
)
から心を
悩
(
なや
)
ますは、
誤謬
(
ごびゅう
)
の
甚
(
はなはだ
)
しき者というべし。故に有形なる身分の
下落
(
げらく
)
昇進
(
しょうしん
)
に心を関せずして、無形なる士族固有の品行を
維持
(
いじ
)
せんこと、余輩の
懇々
(
こんこん
)
企望
(
きぼう
)
するところなり。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
忠孝節義を説き、放蕩無頼の徒を
諭
(
さと
)
しては正道に向わしめ、波風の立つ一家を見ては、その不和合を解き、家々の子弟や召使を
懇々
(
こんこん
)
と教え導き、また、台所生活にまで入って、薪炭の節約を教えたり
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
てめえも真人間になれと
懇々
(
こんこん
)
いわれたので、それ以来、泥足を洗って、てめえのような凡くらに、きょうまで、おとなしく仕えていたが、もう
止
(
や
)
めた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これも
懇々
(
こんこん
)
とさとされて引下ったことがある
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
、城下まで出して下さい。郝昭とは、ずいぶん親しかった間がらでしたが、自分が
西川
(
せいせん
)
に
流落
(
りゅうらく
)
して以来、つい無沙汰のままに過ぎていました。
懇々
(
こんこん
)
、利害を
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや、たった今、禅尼から
懇々
(
こんこん
)
と、出家召されよと
諭
(
さと
)
されて「はい」と答えて来たことも忘れていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
諸洞
(
しょどう
)
の長老は、みな大反対で、兄の頑迷をさとし、長く蜀帝に服し奉れと、
懇々
(
こんこん
)
、意見しましたところ、遂に、兄もとうてい、丞相の武威と温情に敵し難いことを悟って
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きのうも、余が
刎頸
(
ふんけい
)
の友、加藤
遠江守
(
とおとうみのかみ
)
どのから、そち達と同じような忠言を
懇々
(
こんこん
)
と申された。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ふたりとも、きょうばかりは、
夜前
(
やぜん
)
、父上から
懇々
(
こんこん
)
いわれましたので、至極、とりすましておりますが、もう仕方のない
悪戯
(
わるさ
)
やら、
憎
(
にく
)
ていばかり申して母を困らせておりまする
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
命冥加
(
いのちみょうが
)
な奴めが」と、捕えておいた
河和田
(
かわだ
)
の平次郎の側へ来て、
懇々
(
こんこん
)
と、説諭を加え
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、
懇々
(
こんこん
)
ということには、この山越えが昼でも男の足に骨の折れること。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その老臣に、
懇々
(
こんこん
)
、亡きあとを頼んで
逝
(
い
)
った信長の父も、おそらくは
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その間に、日吉は納屋から出されて、母に
懇々
(
こんこん
)
と何か
諭
(
さと
)
されていた。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……そしてお別れ申すとき、お父上から
懇々
(
こんこん
)
申しつけられたとおりを守って上杉家の出来事、御城下のうごき、御家中の取沙汰など、絶えず
事細
(
ことこま
)
やかに、お文を以て甲府へ密報しておりました……。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「しかし……」
懇々
(
こんこん
)
と、
諭
(
さと
)
しかけると
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
懇
常用漢字
中学
部首:⼼
17画
々
3画
“懇”で始まる語句
懇
懇意
懇望
懇願
懇切
懇篤
懇請
懇談
懇親
懇親会