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弾機
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ばね
ふりがな文庫
“
弾機
(
ばね
)” の例文
旧字:
彈機
但し
弾機
(
ばね
)
一個不足とか、生後十七年、灰色の
斑
(
ぶち
)
ある若き
悍馬
(
かんば
)
とか、ロンドンより新荷着、
蕪
(
かぶ
)
および大根の種子とか、設備完全の別荘
鼻
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
一所懸命にやってみたが、僕の予想していたとおり、それは上がらなかった。そこで僕は隠し
弾機
(
ばね
)
があるにちがいないと気がついた。
モルグ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
そう言えば、
鵲
(
かささぎ
)
は、
弾機
(
ばね
)
仕掛けのような飛び方をして逃げて行く。七面鳥は生垣のなかに隠れ、
初々
(
ういうい
)
しい
仔馬
(
こうま
)
は
槲
(
かしわ
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に身を寄せる。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「ああ、僕はやつぱり日本人だ。JAPONAIS だ。MONGOL だ。LE JAUNE だ。」と頭の中で
弾機
(
ばね
)
の外れた様な声がした。
珈琲店より
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
僕は時計を持っていたが
弾機
(
ばね
)
が途中でこわれて役に立たぬ。此の時計は目覚まし時計で、闇に見ると数字のところの光る様に作ったものである。
ドナウ源流行
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
それでも
革舟
(
コラクル
)
はただちょっと跳ね上って、
弾機
(
ばね
)
仕掛のように踊り、鳥のように
軽々
(
かるがる
)
と向側の波窪へ降りてゆくのであった。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
と勝ち誇つた
軍鶏
(
しやも
)
のやうに一寸気取つてみせる。
弾機
(
ばね
)
の
弛
(
ゆる
)
んだ吹込蓄音機は黙りこくつて、ぐうともすうとも言はない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ペンタクルの中央には
階子
(
はしご
)
の形があって、その三段目には一七六五年と記されていた。さらに精密に検査しているうちに、わたしは
弾機
(
ばね
)
を発見した。
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
人造人間の
弾機
(
ばね
)
によって、そのたびに粋なナイト・ドレスをつけた夜の女が、写真に絵姿となってあらわれるのだ。
大阪万華鏡
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
弾機
(
ばね
)
のいい黒塗の乳母車に白衣の
保姆
(
ナアス
)
をつれた若夫人が草原の上へ小テーブルに向って脚を組んでいる。そこはケンシントン・ガーデンの奥の野天喫茶店だ。
ロンドン一九二九年
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
強い
弾機
(
ばね
)
が放たれたように、再び元の位置に飛び返って、「夢であったか、それとも夢ではなかったのか」
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「隠れるか」と
一等運転士
(
チイフ・メイト
)
が言った。
弾機
(
ばね
)
のように為吉は其の胸へ噛り付いた。声が出なかった。
上海された男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
そのうちに、客車の車輪と
弾機
(
ばね
)
との単調な動揺は、しだいに彼を落ち着かせ、あたかも音楽から起こされる波が力強い
律動
(
リズム
)
にせきとめられるように、彼の精神を支配していった。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と、男を
圧迫
(
おしつけ
)
る様に言つて探る様な眼を異様に輝かした。そして、
弾機
(
ばね
)
でも脱れた様に
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
心の底は
弾機
(
ばね
)
仕掛けになっているのでありましょうか。どの感情の道を辿って行っても真面目に突き詰めて行けばきっとその弾機に行き当るのでしょうか、必ず楽観に弾ね上って来ます。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
見ると東坡巾先生は瓢も玉盃も腰にして
了
(
しま
)
って、
懐中
(
ふところ
)
の紙入から
弾機
(
ばね
)
の無い西洋ナイフのような
総真鍮製
(
そうしんちゅうせい
)
の物を取出して、
刃
(
は
)
を引出して
真直
(
まっすぐ
)
にして少し
戻
(
もど
)
すと
手丈夫
(
てじょうぶ
)
な真鍮の
刀子
(
とうす
)
になった。
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
私は
悸然
(
ぎよつ
)
として、慌てて雑誌を机の下へ投げ込んで
弾機
(
ばね
)
の様に立ち上つた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
するともう一人が
側
(
そば
)
の豆腐屋か何かの店から十
能
(
のう
)
へ火を一杯掬ってきて、
突然
(
いきなり
)
勘六の尻へ当てがいました。忽ち勘六は
弾機
(
ばね
)
仕掛けのように立ち上ったばかりか火と見ると一二間飛び退きました。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
弾機
(
ばね
)
の廻らぬ
自働車
(
ママ
)
は
銑葉
(
ぶりき
)
の台へ載せたまま馬車に轣かせてやりませう
都会と田園
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
それと、彼女が、
弾機
(
ばね
)
のやうに飛びあがつたのと同時であつた。
すべてを得るは難し
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
苦痛の
弾機
(
ばね
)
の上に乗つた人形だ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
跳ねかへる
弾機
(
ばね
)
は
小熊秀雄全集-10:詩集(9)流民詩集2
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
一心の
弾機
(
ばね
)
。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大きな箱馬車に乗つて、
弾機
(
ばね
)
に揺られながら出かけると、またしても鍛冶屋の眼にはあらゆる珍らしい光景が映りだした。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
鵲
(
かささぎ
)
は、それでも、
弾機
(
ばね
)
仕掛けのような飛び方をして逃げて行く。七面鳥は
生籬
(
いけがき
)
の中に隠れている。そして、弱々しい
仔馬
(
こうま
)
が、柏の木蔭に身を寄せている。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
その時計はだいぶ古くなって、神戸を出帆するとき神戸の時計店で
弾機
(
ばね
)
を直した。それから
維也納
(
ウインナ
)
にいるときも、
民顕
(
ミュンヘン
)
にいるときも度々その弾機を直した。
ドナウ源流行
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
弾機
(
ばね
)
もない堅い椅子が四五脚、むき出しの
円卓子
(
まるテーブル
)
の周囲に乱雑に置いてあった。その一つを腰の下に引きよせるや否や、ブーキン夫人は新しい勢いで云いだした。
街
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
おめかしやの婦人は
弾機
(
ばね
)
ではじき飛ばされたやうな顔をして、さつさと
其処
(
そこ
)
を立ち去つたさうだ。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と、男は強い
弾機
(
ばね
)
に弾かれた様に、五六歩
窓側
(
まどぎは
)
を飛び
退
(
すさ
)
つた。「呀ツ」と云ふ女の声が聞えて、間もなく火光がパツと消えた。窓を開けようとして、
戸外
(
そと
)
の足音に驚いたものらしい。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
県庁所在地のNNという
市
(
まち
)
の
或
(
あ
)
る旅館の門へ、
弾機
(
ばね
)
つきのかなり綺麗な小型の
半蓋馬車
(
ブリーチカ
)
が乗りこんで来た。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
それを見ると、そこらにゐた四五羽の鶏は、
弾機
(
ばね
)
細工のやうに、いきなり地べたにひつくりかへつて、紐でしばられるやうに二本の脚をちやんと腹の上にそろへてゐるのであつた。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
勇気とか堅忍とかいうものは、結果ではなくて一つの行動の内面的な
弾機
(
ばね
)
である。
世代の価値:世界と日本の文化史の知識
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
用の少い官吏とか会社員とかが、仕様事なしの暇つぶしに、よく
行
(
や
)
る奴で、
恁麽
(
こんな
)
事をする男は、大抵弾力のない思想を
有
(
も
)
ツて居るものだ。頭脳に
弾機
(
ばね
)
の無い者は、足に力の
這入
(
はい
)
らぬ
歩行
(
あるき
)
方をする。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ぱっと留め金が外れたように、彼女らはその
弾機
(
ばね
)
をはずませる。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
ちょっと眼につかないような小さな
弾機
(
ばね
)
が仕掛けてあって、それを押すと、その義足をつけた男がひとりでにのこのこと歩き出してどっかへ行ってしまったため
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
内田博士は
弾機
(
ばね
)
細工のやうに一
足
(
あし
)
後へ飛んだ。そしてどこへ持物をおいたものかと、
狼狽
(
うろた
)
へ気味にそこらを見廻してゐたが、思ひきつて
腋
(
わき
)
に抱へた書物をそのまゝそつと
地面
(
ぢべた
)
に置いた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それを生かしてゆく強靭な理性の
弾機
(
ばね
)
をもち得ないで来ている。
「どう考えるか」に就て
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
弾機
(
ばね
)
仕掛けの
煙草
(
たばこ
)
の粉。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
伎倆
(
うで
)
のしっかりした職人か、さもなければ丈夫な百姓ばかりでな。ようがすかね、例えばあの馬車大工のミヘーエフじゃて! あいつは立派な
弾機
(
ばね
)
つきの馬車より他にゃあ拵らえなかっただ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
“弾機”の意味
《名詞》
弾 機(だんき、熟字訓:ばね)
ばね。ぜんまい
(出典:Wiktionary)
弾
常用漢字
中学
部首:⼸
12画
機
常用漢字
小4
部首:⽊
16画
“弾機”で始まる語句
弾機細工
弾機仕掛