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きしべ
ふりがな文庫
“
岸辺
(
きしべ
)” の例文
旧字:
岸邊
通りかかるホーカイ
節
(
ぶし
)
の男女が二人、「まア御覧よ。お月様。」といって
暫
(
しばら
)
く立止った
後
(
のち
)
、山谷堀の
岸辺
(
きしべ
)
に曲るが否や
当付
(
あてつけ
)
がましく
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その悲しむべき
岸辺
(
きしべ
)
に立って震えながら、恐怖のために
後退
(
あとずさ
)
りしていた。彼はまったく平気でいられるほど無知ではなかった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
刷毛
(
はけ
)
で
刷
(
は
)
いたような
弓
(
ゆみ
)
なりになった
広
(
ひろ
)
い
浜
(
はま
)
……のたりのたりと
音
(
おと
)
もなく
岸辺
(
きしべ
)
に
寄
(
よ
)
せる
真青
(
まっさお
)
な
海
(
うみ
)
の
水
(
みず
)
……
薄絹
(
うすぎぬ
)
を
拡
(
ひろ
)
げたような
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その
間
(
あいだ
)
には、
緑色
(
みどりいろ
)
に
空
(
そら
)
が
晴
(
は
)
れて、その
下
(
した
)
に
大
(
おお
)
きな
海
(
うみ
)
が、どさりどさりと
物憂
(
ものう
)
げに
波
(
なみ
)
を
岸辺
(
きしべ
)
に
打
(
う
)
ち
寄
(
よ
)
せて
眠
(
ねむ
)
っているような、
穏
(
おだ
)
やかな
日
(
ひ
)
もあったのです。
紅すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼等は太平洋の
岸辺
(
きしべ
)
に立って、大陸からの潮風が吹き送る新日本の文明を、いつも時代の
尖鋭
(
せんえい
)
に於て触覚していた。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
どっかりと、
岸辺
(
きしべ
)
へからだを落とすと、忍剣はすぐ
衣
(
ころも
)
をさいて、ひだりの
肘
(
ひじ
)
の
矢傷
(
やきず
)
をギリギリ巻きしめた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わしをからかうように、じらすように、幸福をのせてゆく船、やがて恋しいふるさとの
岸辺
(
きしべ
)
に着く船、
疲
(
つか
)
れた旅人はあたたかい
団欒
(
まどい
)
に加わるうれしさに船を急がせているのだろう。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
橋本には
遊廓
(
ゆうかく
)
がござりまして渡し船はちょうどその遊廓のある
岸辺
(
きしべ
)
に着きますので
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
平助は
仕方
(
しかた
)
なしに、村の人達をだましてやろうと考えました。そして、正覚坊へはよく言ってきかして、その晩二人で大きな石を沼の中に沈め、正覚坊は沼の
岸辺
(
きしべ
)
の
真菰
(
まこも
)
の中に隠れました。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
白鳥は元気を取り
戻
(
もど
)
して立ち上がると、のぼりくる太陽のほうへ、空の旅行隊の飛び去った青みがかった
岸辺
(
きしべ
)
をめざして飛んで行きました。ただひとり胸に
憧
(
あこが
)
れをいだいて飛んで行きました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
岸辺
(
きしべ
)
の小舟をうちゆるがす。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
岸辺
(
きしべ
)
の林に人ひとりゐき
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
通
(
とほ
)
りかゝるホーカイ
節
(
ぶし
)
の男女が二人、「まア
御覧
(
ごらん
)
よ。お月様。」と
云
(
い
)
つて
暫
(
しばら
)
く
立止
(
たちどま
)
つた
後
(
のち
)
、
山谷堀
(
さんやぼり
)
の
岸辺
(
きしべ
)
に
曲
(
まが
)
るが
否
(
いな
)
や
当付
(
あてつけ
)
がましく
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
露子
(
つゆこ
)
にはピアノの
音
(
おと
)
が、
大海原
(
おおうなばら
)
を
渡
(
わた
)
る
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
と
聞
(
き
)
こえたり、
岸辺
(
きしべ
)
に
打
(
う
)
ち
寄
(
よ
)
せる
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
と
聞
(
き
)
こえたのであります。
赤い船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
康頼 わしはけさ
卒都婆
(
そとば
)
を流しにいって、
岸辺
(
きしべ
)
に立ってさびしいことを考えました。わしはわし自身が
丹精
(
たんせい
)
してほりつけた歌を今さらのように読み返しました。何たるさびしい歌だろう。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
岸辺
(
きしべ
)
の小魚や川の魚などを取って、その日その日を送っていました。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
たしかに、噴水の水はそれを物語っているにちがいありません。打寄せる
岸辺
(
きしべ
)
の波はそれを歌っているにちがいありません。海のおもてには、しばしば
霧
(
きり
)
がたちこめます。それは
寡婦
(
かふ
)
のベールです。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
北上
(
きたかみ
)
の
岸辺
(
きしべ
)
目に見ゆ
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
二人
(
ふたり
)
は、
南
(
みなみ
)
の
国
(
くに
)
へいって、
波
(
なみ
)
の
穏
(
おだ
)
やかな
岸辺
(
きしべ
)
で
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
いたり、
踊
(
おど
)
ったりして
送
(
おく
)
りましょう。わたしは、いまあなたをわたしとおなじ
白
(
しろ
)
い
鳥
(
とり
)
の
姿
(
すがた
)
にしてあげます。
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一同は既に十分の
酔心地
(
えいごこち
)
。覚えず声を
揃
(
そろ
)
えてまたもや絶景々々と叫ぶ。夕焼の空は次第に薄らぎ
鉄砲洲
(
てっぽうず
)
の
岸辺
(
きしべ
)
に
碇
(
いかり
)
を下した親船の林なす帆柱の上にはちらちらと星が
泛
(
うか
)
び出した。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“岸辺”の意味
《名詞》
岸のほとりまたはその辺り。
(出典:Wiktionary)
岸
常用漢字
小3
部首:⼭
8画
辺
常用漢字
小4
部首:⾡
5画
“岸辺”で始まる語句
岸辺福雄