寢臺ねだい)” の例文
新字:寝台
う、幾日いくにちだか、ひるだかよるだかわかりません、けれども、ふつとわたし寢臺ねだいそばすわつてる……見馴みなれないひとがあつたんです。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
車つきはこ寢臺ねだいの上に乘せられ、魔睡劑の利き目がまだ殘つてゐるのが運び去られる。母らしい老人に負ぶさり、足のさきに繃帶された娘が出て行く。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
機關車に近いので此處は一層搖れが烈しいやうである。スウプとシチウとに一寸口を附けた丈で私は逃げるやうにして歸つて來た。其間に寢臺ねだいがもう出來て居た。
巴里まで (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ベシーから嚴しい命令いひつけを受けて、寢臺ねだいを整へてゐた(今は、ベシーは、屡々私を小間使ひの下働きのやうに、部屋をかたづけたり、椅子のほこりを拂つたりなどする爲めに使つた)
氣が付いて見ると、何だか寢心ねごゝろが違ふ、何時も寢馴ねなれた寢臺ねだいに寐てゐるのでは無い。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
わたくし衣服ゐふくあらためて寢臺ねだいよこたわつたが、何故なぜすこしもねぶられなかつた。
寢臺ねだい一杯いつぱいみなぎれよ、さるほどに小生も
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
みんなおさへても、ふるあがるやうに、寢臺ねだいうへから、天井てんじやうて、あれ/\彼處あすこへんなものがて、にらみます、とつて頂戴ちやうだい、よう、とつて頂戴ちやうだい
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
或時、義雄が見舞ひに行くと、お鳥は隣りの寢臺ねだいの、「わたしの良人りようじんは教育家です」
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
久々ひさ/″\にて寢臺ねだいうへよこたはつた。
本尊ほんぞんは、まだまたゝきもしなかつた。——うちに、みぎおとが、かべでもぢるか、這上はひあがつたらしくおもふと、寢臺ねだいあし片隅かたすみ羽目はめやぶれたところがある。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いて寢臺ねだいよこたはつた。
くちつめたいものがはひつて、寢臺ねだいうへるのがわかりましたつけ……坊主ばうずきふかねらしたのは、ちやうど、釣臺つりだい病院びやうゐんもんはひときだつたさうです。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其奴そいつが、がさ/\と寢臺ねだいしたはひつて、ゆかうへをずる/\と引摺ひきずつたとると、をんな掻卷かいまきからうでしろいて、わたしはうへぐたりとげた。寢亂ねみだれてちゝえる。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うらめしさうに、女房にようばうかほをじろり。で、あわてて寢臺ねだいした潛込もぐりこむ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其處そこねやで、洋式やうしき寢臺ねだいがあります。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)