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よりあつま
ふりがな文庫
“
寄集
(
よりあつま
)” の例文
一日近親の者は
寄集
(
よりあつま
)
って協議をこらした。そして結果は伯爵家を除籍して別家させなければなるまいという事になった。
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
其れが極めて
和
(
やはら
)
かに組んであるのと、横に立てて
上
(
うは
)
すぼみの輪にされるのとでピンで止めた時は
或
(
ある
)
一種面白い形の物が
寄集
(
よりあつま
)
つて居る様になるのである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
純綿の
一声
(
ひとこえ
)
に、寝ている踊子も
起直
(
おきなお
)
って、一斉に品物のまわりに
寄集
(
よりあつま
)
る騒ぎ。廊下を歩み過ぎる青年部の芸人の中には、前幕の化粧を洗いおとしたばかり。
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「貧窮組というのは、貧乏人の
寄集
(
よりあつま
)
りなんだ、貧乏でキュウキュウ言ってるからそれで貧窮組というんだなんて、貧乏を見えにして、党を組んで、旗を立てて、車を曳いて押歩いてる」
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お前も
少
(
ちい
)
さい時から田舎者に成ったけれども、江戸生れだそうだが、斯うやって
江戸子
(
えどっこ
)
同志で
寄集
(
よりあつま
)
るとは誠に頼もしいものだ、毎度
種々
(
いろ/\
)
馳走になって済まない、決して構ってくれるなよ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
又
(
また
)
御贔負
(
ごひいき
)
をの
嬌音
(
きやうおん
)
これたやすくは
買
(
か
)
ひがたし、
彼
(
あ
)
れが
子供
(
こども
)
の
處業
(
しわざ
)
かと
寄集
(
よりあつま
)
りし
人
(
ひと
)
舌
(
した
)
を
卷
(
ま
)
いて
太夫
(
たゆう
)
よりは
美登利
(
みどり
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めぬ、
伊達
(
だて
)
には
通
(
とほ
)
るほどの
藝人
(
げいにん
)
を
此處
(
こゝ
)
にせき
止
(
と
)
めて、
三味
(
さみ
)
の
音
(
ね
)
、
笛
(
ふゑ
)
の
音
(
ね
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
取繕
(
とりつくろ
)
ひ
何喰
(
なにくは
)
ぬ顏して有しに其日の
夕暮
(
ゆふぐれ
)
に何とやらん
怪
(
あや
)
しき
匂
(
にほ
)
ひのするに
近所
(
きんじよ
)
の人々
寄集
(
よりあつま
)
りて何の
匂
(
にほひ
)
やらん雪の中にて場所も分らず
種々
(
さま/″\
)
評議に及び
斯
(
かゝ
)
る時には
何時
(
いつ
)
も第一番にお三ばゝが
出來
(
いできた
)
り
世話
(
せわ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その他には梅と
楓
(
かえで
)
と
躑躅
(
つつじ
)
と、これらが
寄集
(
よりあつま
)
って夏の色を緑に染めているが、これは幾分の人工を加えたもので、門を一歩出ると自然はこの町の初夏を桜若葉で
彩
(
いろど
)
ろうとしていることが
直
(
すぐ
)
に
首肯
(
うなず
)
かれる。
磯部の若葉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
また梅が散る
春寒
(
はるさむ
)
の昼過ぎ、
磨硝子
(
すりガラス
)
の障子を閉めきった座敷の中は
黄昏
(
たそがれ
)
のように薄暗く、老妓ばかりが
寄集
(
よりあつま
)
った
一中節
(
いっちゅうぶし
)
のさらいの会に、自分は
光沢
(
つや
)
のない古びた音調の
銀座界隈
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それは
有難
(
ありがて
)
いこんだ、これ多助よ、去年の六月
三十日
(
みそか
)
汝
(
われ
)
え親父が死ぬ時に枕元に
己
(
おれ
)
を呼んで云うのに、おえいは多助と従弟同志なり、今の
母様
(
かゝさま
)
は多助のためには実の叔母だ、一家に
血統
(
ちすじ
)
が
寄集
(
よりあつま
)
り
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
致し候に
翌年
(
よくねん
)
三月
安産
(
あんざん
)
せしが其夜の中に
小兒
(
せうに
)
は
相果
(
あひはて
)
娘も
血氣
(
ちのけ
)
上りて是も其夜の
曉
(
あかつき
)
に死去致し候に付き
近邊
(
きんぺん
)
の者共
寄集
(
よりあつま
)
り相談するも
遠國者
(
ゑんごくもの
)
故
菩提所
(
ぼだいしよ
)
も
無
(
なく
)
依て私しの寺へ頼み
葬
(
はう
)
むり遣し候其後お三婆は
狂氣
(
きやうき
)
致し
若君樣
(
わかぎみさま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
君江はかえってそれをよい事に、ひまな女たちの
寄集
(
よりあつま
)
っている壁際のボックスに腰をかけた。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
鉄砲洲
(
てっぽうず
)
なる
白河楽翁公
(
しらかわらくおうこう
)
が
御下屋敷
(
おしもやしき
)
の
浴恩園
(
よくおんえん
)
は小石川の
後楽園
(
こうらくえん
)
と並んで江戸名苑の一に数えられたものであるが、今は海軍省の軍人ががやがや
寄集
(
よりあつま
)
って酒を呑む
倶楽部
(
クラブ
)
のようなものになってしまった。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
寄
常用漢字
小5
部首:⼧
11画
集
常用漢字
小3
部首:⾫
12画
“寄”で始まる語句
寄
寄席
寄越
寄合
寄手
寄寓
寄生木
寄付
寄来
寄人