-
トップ
>
-
婦女子
>
-
ふぢよし
唱へながら引かれしとぞ此時お熊の
着たるより世の
婦女子黄八
丈は不義の
縞なりとて
嫌ひしは
戯れ事の樣なれども
其は
貞操の
意とも
云べし然るを
近來其事を
此の
方で
心配して
電報まで
掛けたのであるから
其時返電をして
貰へば
無益の
心配は
决してしません。
一寸した
事であるが
日本の
婦女子には
往々斯樣な
等閑が
多いのであります。
未だ
幾ほどもあらざりき、
天下大に
亂れて、
敵軍京師に
殺倒し、
先づ
婦女子を
捕へて
縱に
凌辱を
加ふ。
引斷りては
舌鼓して
咀嚼し、
疊とも
言はず、
敷居ともいはず、
吐出しては
舐る
態は、ちらと
見るだに
嘔吐を
催し、
心弱き
婦女子は
後三日の
食を
廢して、
病を
得ざるは
寡なし。
されば
爰に
忌むべく
恐るべきを(おう)に
譬へて、
假に(
應)といへる
一種異樣の
乞食ありて、
郷屋敷田畝を
徘徊す。
驚破「
應」
來れりと
叫ぶ
時は、
幼童婦女子は
遁隱れ、
孩兒も
怖れて
夜泣を
止む。