大森おほもり)” の例文
四十一ねんぐわつ二十一にち午前ごぜんごろ水谷氏みづたにしとは、大森おほもり兒島邸こじまてい訪問ほうもんした。しかるにおうは、熱海あたみはうつてられて、不在ふざん
いもうとも一げだしたんですけれど、やつぱりつかまつてしまひました。ちやうど大森おほもり鉱泉宿くわうせんやどへつれられてつたときのことでした。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
モールス先生せんせいは、三四年前さんよねんぜんアメリカでくなられましたが、近頃ちかごろこの大森おほもり先生せんせい記念碑きねんひてられました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
……品川しながはわすれたることばかり——なんぞなにもなし。大森おほもりすあたりであつた。……
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
手間取てまどり大森おほもりの邊りに來りし頃ははやこくなれば御所刑場おしおきばあたりは往來わうらいの者も有まじとおも徐々そろ/\來懸きかゝりしに更と云殊に右の方は安房あは上總かづさ浦々うら/\まで渺々べう/\たる海原うなばらにして岸邊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大森おほもり貝塚かひづかは、人類學研究者じんるゐがくけんきうしやから、もつと神聖しんせいなるとして尊敬そんけいせられてる。此所こゝ本邦ほんぽう最初さいしよ發見はつけんせられた石器時代せききじだい遺跡ゐせきであるからだ。
ところが大森驛おほもりえき附近ふきんにおいて線路せんろうへしろ貝殼かひがらおほ散亂さんらんしてゐるのをつけまして、これはきっと石器時代せつきじだい貝塚かひづかがあるのにちがいないとおもひ、それからもなくこの大森おほもり發掘はつくつかけました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
電車でんしやし、汽車きしや大森おほもりまでく。それからくるまはしらせるなど、却々なか/\手間取てまとるのだが、それでもく。
水谷氏みづたにしかほ見合みあはせて『なにないでもいです。大森おほもり貝塚かひづか一鍬ひとくわでもつたといふことが、すでほこるにるのですから』など負惜まけをしみをつてたが、如何どうもそれではじつところ滿足まんぞく出來できぬ。