いら)” の例文
それはいけませんワ、父と、花房さんと、千種さんがいらっしゃるんです——エ? ——謄本コピーは? 御存じない、どうしても——
女記者の役割 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
筆「其のは頭巾を被っていらっしゃいましたからお顔は覚えませんがお声で存じて居ります、頂いたに相違ございません」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ほんとにねエ、いらしつたからとて、れと云ふ別段のことあるでも無いのだけれど」と、兼吉の老母も首肯うなづきつ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「でも、あなたはちっとも嬉しそうじゃありませんよ」青年が意味ありげに云った。「それ所かひどく屈託そうに見えますよ。あなたお酒でごまかそうとしていらっしゃるのでしょう」
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
治「左様でございますか、しかし未だお若いのにお独身ひとりいらっしゃるのはおしい事で、まだ殿様は四十代でいらっしゃいましょう……へえ頂戴致します」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
昨夜ゆうべ阿父おとつさん阿母おつかさんと話していらしつたんですよ、早く其様さうめて松島様の方へ挨拶あいさつしなければ、此方こちらも困まるし、大洞おほほらの伯父さんも仲に立つて困まるからつて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「お坊ちゃまが、冷たくなっていらっしゃいます」
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
これはお話が余事にれ恐れ入りましたが、左様な御気象をお持ち遊ばす方々でいらせられますから、ナニ暴風怒濤どとうなんぞにビクとも為さる気遣いはない
お熊もきようがりて「其の方がよう御座んす、どうせ、貴所あなた家内うちの人も同様でいらつしやるんですから」と言ふを「成程、其れが西洋式でがすかナ」と利八も笑ふ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「お嬢様は、唯今お屋敷にいらっしゃいますか」
女記者の役割 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
名代みょうだい部屋には割床わりどこを入れるという騒ぎで、イヤハヤお話になったものでございませんが、お客様がそれで御承知遊ばしていらっしゃるも不思議なものでげすな。
「お二階でピアノを弾いていらっしゃいます」
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
何故なぜわたしの処をお尋ね下さいません、仙太郎親方も万年町の旦那さまも貴方の事ばかり申してお案じ遊ばしていらっしゃいますから、兎も角わたくしの処まで入っしゃいまし
「では、何方どちらいらっしゃるのでしょう」
女記者の役割 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
僕などにはちっとも分りませんで面白くありませんが、のおりゅうさんなぞは柔和でね、何もも心得てゝ女らしくいらっしゃるのは、ありゃアちょっと出来ないて……
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「何を驚いていらっしゃいます」
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
婢「鳶頭旦那様がお待ちかねですから、さアお上りなさい、お奥の離座敷はなれいらっしゃるんですよ」
ふちだけ取換とりかへて、娑婆しやばの事がうつる、ぼくこれだけ悪い事をしたなどとつていらツしやいます。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
筆「私がお迎いに出ようと思って居りました処で、大層にこ/\笑っていらっしゃいますね」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
すきでございますから三度も続けて召上る位で、誠に大悦びでいらっしゃいました……此品これは誠に詰らんものでございますが、此のお菓子は東京とうけいから参りましたから何卒どうぞ召上って
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
正「佐羽さばさんに誘われて慾張り旁々かた/″\桐生へきましたが、一昨日おとゝい帰って松新で聞きますと、花魁が御病気で山谷のお寮にいらっしゃるという事ですから、早速お見舞いに出ましたので」
頓と其の行先ゆくさきが分りませんので、梨売重助も心配して、お手紙一本お寄越しなさらない訳はないのだが、旅で煩っていらっしゃるのではないかと案じられるから、売卜者うらないしゃて貰ったり
ヘヽヽ御冗談ごじようだんばかり……へえ成程なるほど……えゝ予々かね/″\天下有名てんかいうめいのおかたで、大人たいじんいらつしやるとことぞんじてりましたが、今日けふ萬屋よろづやうちはじめてくのだから、故意わざ裏口うらぐちからお這入はいりになり
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
只今の華族さまはひらけていらっしゃいますから、其様そんな野蛮な刄物三昧はものざんまいなどはございませんが、前次様は御勇気のお方だけあって、九尺柄の大身の槍をすっと繰出した時に、權六は不意を打たれ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
源「へえ何でげすか、余程お悪くいらっしゃいますんで」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)