)” の例文
さもたり。ちかづくまゝに。にほは。そもかう款貨舖ぐやの。むすめかも。ゆびはさめる。香盆かうばこの。何爲なにことなりや。時々とき/\に。はなかさして。くめるは。
「西周哲学著作集」序 (旧字旧仮名) / 井上哲次郎(著)
彼れ其実は全く嗅煙草を嫌えるもからの箱をたずさり、喜びにも悲みにも其心の動くたびわが顔色を悟られまじとて煙草をぐにまぎらせるなり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
そしてたうたう手拭てぬぐひのひとあしこつちまでつて、あらんかぎりくびばしてふんふんいでゐましたが、にはかにはねあがつてげてきました。
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
……牧草でも、レッドトップならば匂いぐらいはぎまするが、チモーシとなれば、はやもう、鼻面はなづらも寄せん。燕麦えんばくに大豆。それから、ふすまに唐もろこし。
キャラコさん:10 馬と老人 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
誰かが鼻先へキャラメルを持って行ってやったが、ちょっとにおいいただけで食べようともしない。
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
加之それに用心深ようじんぶか其神経そのしんけいは、何時いつ背負揚しよいあげて、手紙てがみさはつたわたしにほひぎつけ、或晩あるばんつまつた留守るすに、そつ背負揚しよいあげしてると、手紙てがみはもうなかにはなかつた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
つきったときに、おかみさんは、杜松ねずしたきましたが、杜松としょうあま香気かおりぐと、むねそこおどつようながしてて、うれしさにわれしらずそこへひざきました。
三羽の烏、ばさ/\と寄り、こうべを、手を、足を、ふん/\とぐ。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
又「そう何もかも手前てめえぎ附けられてはむを得ん、実は死人しびとだて、ついては手前てまに金子二拾両るが、何卒どうぞ此の事を口外してくれるな、打明けて話をするが、此の死骸は実は僕が権妻ごんさい同様のものだ」
ふたつのはなぎぬ。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
引切ひっきりなしにからの煙草をぐ真似し時々は「うしても見出せねば、そうだ何うしても見出して呉れる」と打呟く声を洩す
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「さあ、喰べよう。」狐はそれを取ってちょっといで検査するやうにしながら云ひました。
黒ぶだう (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)