六尺ろくしやく)” の例文
とてもつもらば五尺ごしやく六尺ろくしやく雨戸あまどけられぬほどらして常闇とこやみ長夜ちやうやえんりてたしともつじた譫言たはごとたまふちろ/\にも六花りくくわ眺望ながめべつけれど
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と、ちよこなんとした割膝わりひざの、真中まんなかどころへあごえて、啣煙管くはへぎせるじつながめる。……老爺ぢゞいまへ六尺ろくしやくばかりくさへだてゝ、青年わかものはばつたりひざいて、げた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あゝ匍匐はへ六尺ろくしやく
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
講釋師かうしやくしふ、やりのつかひてにのろはれたやうだがと、ふとると、赤煉蛇やまかゞしであらう、たそがれに薄赤うすあかい、およ一間いつけん六尺ろくしやくあま長蟲ながむしが、がけ沿つた納屋なやをかくして、鎌首かまくびとりせま
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かしこまりて何某なにがしより、鳥籠とりかごたか七尺しちしやくなが二尺にしやくはゞ六尺ろくしやくつくりて、溜塗ためぬりになし、金具かなぐゑ、立派りつぱ仕上しあぐるやう作事奉行さくじぶぎやう申渡まをしわたせば、奉行ぶぎやう其旨そのむねうけたまはりて、早速さつそく城下じやうかより細工人さいくにん上手じやうずなるを召出めしいだし
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たゞしその六尺ろくしやく屏風びやうぶも、ばばなどかばざらんだが、屏風びやうぶんでも、駈出かけだせさうな空地くうちつては何處どこいてもかつたのであるから。……くせつた。ふといゝ心持こゝろもち陶然たうぜんとした。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)