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えこひいき
ふりがな文庫
“
依怙贔屓
(
えこひいき
)” の例文
まあ、こうした点でですな、
依怙贔屓
(
えこひいき
)
と言っちゃ聞えが悪いが、われわれもお坊様のことではあり、道中十分に気を配るつもりですがね。
現代語訳 平家物語:05 第五巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
従って批判する場合、
依怙贔屓
(
えこひいき
)
がないといえよう。うなぎの焼き方についても、東京だ大阪だと
片意地
(
かたいじ
)
はいわないが、まず批判してみよう。
鰻の話
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「待ってくれ。そう言われると、おれが宿場の世話をした時分には、なんだか
依怙贔屓
(
えこひいき
)
でもしたように聞こえる。」
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
すると私の顔をじっと見ていたが、何を云い出すかと思うと、奥さんは
依怙贔屓
(
えこひいき
)
をしていけない、井上ばかり大事にして僕を疎外する、と云うんでしょう。
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
世には
判官贔屓
(
ほうがんびいき
)
という言葉があるといって、よく、義経の悲劇的美化や同情に
反駁
(
はんばく
)
する者もあるが、しかし、頼朝もずいぶん
依怙贔屓
(
えこひいき
)
の強い方の人である。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
それでも、きざに、とりすまして、その三種類の外国煙草を、
依怙贔屓
(
えこひいき
)
なく、一本ずつ、順々に吸ってみる。
秋風記
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
……
依怙贔屓
(
えこひいき
)
になりますから、ありようをざっくばらんに申上げますが、どちらかといえば、鷹に
鳶
(
とんび
)
。
平賀源内捕物帳:山王祭の大像
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ミネは閑子が女教師時代に
依怙贔屓
(
えこひいき
)
のなさで同僚と気が合わなかったこと、幾つかあった縁談の相手が、いつも経済力のある女としての彼女を求めることへの反発から
妻の座
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
去年使ふてやつた恩も忘れ上人様に胡麻摺り込んで、
強
(
たつ
)
て
此度
(
こんど
)
の仕事を
為
(
せ
)
うと身の分も知らずに願ひを上げたとやら、清吉の話しでは上人様に
依怙贔屓
(
えこひいき
)
の
御情
(
おこゝろ
)
はあつても
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
能楽上の一大
倶楽部
(
クラブ
)
を起し、天下の有志を集めて
依怙贔屓
(
えこひいき
)
なく
金春
(
こんぱる
)
、
金剛
(
こんごう
)
、
観世
(
かんぜ
)
、
宝生
(
ほうしょう
)
、
喜多
(
きた
)
などいふ
仕手
(
して
)
の五流は勿論、
脇
(
わき
)
の諸流も笛、
鼓
(
つづみ
)
、太鼓などの囃子方に至るまで
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
依怙贔屓
(
えこひいき
)
でない程度で、「地上の
虹
(
にじ
)
」と題した彼女の作品が、どうにか二等くらいに当選すべき運命にまで
漕
(
こ
)
ぎつけた時になって、栗原夫人の名をつかったことが暴露した結果
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ただその中の善い人間即ちノアという者を救うたというような
依怙贔屓
(
えこひいき
)
をする者である。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
神様は
依怙贔屓
(
えこひいき
)
なしに人間の一人一人に、その素質にふさわしい使命を授けてくれるのだという気がしたのである。獣医は体温器を抜きとって、見しらべてから助手の手に渡した。
犬の生活
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
始終
(
しじゅう
)
爾
(
そ
)
う
云
(
い
)
う身構えにして居るから、私の処には官軍方の人も
颯々
(
さっさ
)
と来れば、賊軍の人も颯々と出入りして居て、私は官でも賊でも
一切
(
いっさい
)
構わぬ、
何方
(
どちら
)
に向ても
依怙贔屓
(
えこひいき
)
なしに
扱
(
あつかっ
)
て居るから
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
もとより
依怙贔屓
(
えこひいき
)
によってオーロラのほうをすぐれてると思ったが、そういうふうにして比較してるうちに、たがいに知りもしない二人の娘の間に、架空の友情を頭の中で組み立てるようになり
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「それでも、火には
依怙贔屓
(
えこひいき
)
というものが絶対にないではございませんか、焼けるものと、焼けないものとは、火の力の度の加減があるのみで、この地上で、火に焼けないものとて、何一つもありません」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
依怙贔屓
(
えこひいき
)
をするなどという陰口もうるさい。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
糺
(
たゞ
)
す役目なり
奉行
(
ぶぎやう
)
には
依怙贔屓
(
えこひいき
)
ありて
某
(
それが
)
しばかり
片落
(
かたおと
)
しに
爲給
(
したま
)
ふならんと言せも
果
(
はて
)
ず
大岡殿
(
おほをかどの
)
發打
(
はつた
)
と
白眼
(
にらま
)
れ
依怙贔屓
(
えこひいき
)
とは
慮外
(
りよぐわい
)
千萬なり此梅を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一、荷物送り出しの節、心安き牛方にても、初めて参り
候
(
そうろう
)
牛方にても、同様に御扱い下され、すべて
今渡
(
いまど
)
の問屋同様に、
依怙贔屓
(
えこひいき
)
なきよう願いたきこと。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「それみろ。——神仏にもわからぬことを、どうして、僧正にだけわかるか。ごまかしだっ、
依怙贔屓
(
えこひいき
)
だっ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
去年使うてやった恩も忘れ上人様に
胡麻摺
(
ごます
)
り込んで、たってこん度の仕事をしょうと身の分も知らずに願いを上げたとやら、
清吉
(
せいきち
)
の話しでは上人様に
依怙贔屓
(
えこひいき
)
のお
情
(
こころ
)
はあっても
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彦三郎御長屋中に
怪敷
(
あやしき
)
人
(
ひと
)
有
(
ある
)
との事なれば此御家主へ相談は
如何
(
いかゞ
)
に候はんと
尋
(
たづ
)
ぬるに權三
打笑
(
うちわら
)
ひ爰の
家主
(
いへぬし
)
は店子の中に
依怙贔屓
(
えこひいき
)
多
(
おほ
)
く下の者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
とかく角十の取り扱い方には
依怙贔屓
(
えこひいき
)
があって、駄賃書き込み等の態度は不都合もはなはだしい、このまま双方
得心
(
とくしん
)
ということにはどうしても行きかねる、今一応仲間のもので相談の上
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
司馬懿
(
しばい
)
の催しに応じて、参軍してから後は、自分より後輩の
秦朗
(
しんろう
)
という者を重用して、それがしを軽んじるのみか、軍功を
依怙贔屓
(
えこひいき
)
になし、あまっさえそれがしが不平を洩らしたと称して
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人手に掛し抔と
忌
(
いま
)
はしき儀を訴出る者の有
可
(
べき
)
や
殊
(
こと
)
には九助が申上る事
而已
(
のみ
)
御取上に相成只々私しを御
叱
(
しかり
)
は
恐
(
おそれ
)
ながら御奉行樣の
依怙贔屓
(
えこひいき
)
と申ものと云を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
たしかだから、おれは、この鐘を
撞
(
つ
)
かんのだ。いいか、考えてもみろ、まだ十歳を出たばかりの範宴を、座主の
依怙贔屓
(
えこひいき
)
から、
輿論
(
よろん
)
と、非難を押しきって、今朝の大戒を、強行するのじゃないか。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
依怙贔屓
(
えこひいき
)
である)と、
罵
(
ののし
)
った
一山
(
いっさん
)
の
大衆
(
だいしゅ
)
も、今では、口を黙して
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
依
常用漢字
中学
部首:⼈
8画
怙
漢検1級
部首:⼼
8画
贔
漢検1級
部首:⾙
21画
屓
漢検1級
部首:⼫
10画
“依怙贔”で始まる語句
依怙贔負