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例年
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れいねん
まだ
暑い
空氣を
冷たくしつゝ
豪雨が
更に
幾日か
草木の
葉を
苛めては
降つて/\
又降つた。
例年の
如き
季節の
洪水が
残酷に
河川の
沿岸を
舐つた。
例年だと、その
薄を、
高樓——もちとをかしいが、この
家で
二階だから
高いにはちがひない。
さて、本校では
例年のとおり、六年級の男女から、それぞれ一名の
代表者をえらんで、全校の男子、女子にかわって、
式場で新年のあいさつをのべさせることにきまりました。
例年隣家を頼んだ
餅を
今年は
自家で
舂くので、
懇意な車屋夫妻が
臼、
杵、
蒸籠、
釜まで
荷車に積んで来て、
悉皆舂いてくれた。
隣二軒に
大威張で
牡丹餅をくばる。
肥後流の
丸餅を造る。
例年のやうに
忙しい
季節に
日傭に
行くことも
出來まいし、それにはお
袋に
捨てられた
二人の
子供も
有ることだし
きのふは
仲秋十五夜で、
無事平安な
例年にもめづらしい、
一天澄渡つた
明月であつた。
大抵は
赤痢に
罹つて
漸く
身體に
力がついたばかりの
人々が
例年の
如く
草刈鎌を
持つて六
日の
日の
夕刻に
墓薙というて
出た。
墓の
邊は
生るに
任せた
草が
刈拂はれて
見るから
清潔に
成つた。
なほ
例年に
比し
寒威きびしき
由にて
梅なほ
蕾なり。