主從しうじう)” の例文
新字:主従
致し江戸表へ參り親子しんし對面たいめんする上は是迄の舊惡きうあくは殘らずゆるつかはすべしとの言葉に大膳は有難く拜伏はいふくし茲に主從しうじうの約をなし左京をもすゝめてこれも主家來の盃盞さかづき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
人柄ひとがら風采とりなり※妹きやうだいともつかず、主從しうじうでもなし、したしいなか友達ともだちともえず、從※妹いとこでもないらしい。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なみだそでいろかはるまでおななげきをべつ主從しうじうおもひさても果敢はかなし優子ゆうこはいとゞ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
みぎにん者共ものども天一坊身分みぶんしか相糺あひたゞさず主從しうじう盟約めいやくを致し候だん不屆ふとゞきの致しかたに付中追放申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
昨夜ゆうべやとつた腕車くるまが二だいゆきかどたゝいたので、主從しうじうは、朝餉あさげ支度したく匇々そこ/\に、ごしらへして、戸外おもてると、東雲しのゝめいろともかず黄昏たそがれそらともえず、溟々めい/\濛々もう/\として、天地てんちたゞ一白いつぱく
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
たゞいそぎにいそがれて、こゝにこゝろなき主從しうじうよりも、御機嫌ごきげんようとかどつて、一曳ひとひきひけばゆきに、母衣ほろかたちかくれて、殷々いん/\としてしづきやく見送みおく宿やどのものが、かへつて心細こゝろぼそかぎりであつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
とげしに相違なし定めて彼の惡人の安間平左衞門めが仕業しわざより出し事ならん思へば/\うらめしきは主税之助殿主從しうじうなりと或はいかり或は歎き大聲上て泣居たるは如何にも氣のどくなる有樣なり夫より下役人は差※さしづして吉兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)