“わるだくみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
悪謀26.7%
悪企20.0%
惡巧6.7%
奸策6.7%
奸計6.7%
悪巧6.7%
悪策6.7%
悪計6.7%
惡計6.7%
譎計6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「誠の事情は相談ずくで、右衛門さんと別れたと見せ、紋十郎に油断をさせ、彼奴きゃつの恐ろしい悪謀わるだくみをそれとなく聴き出して、右衛門さんに知らせるのが手段てだて……」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
川上機関大尉は、早くもリット少将の悪企わるだくみを察し、汽船ブルー・チャイナ号出帆の約二十分後、二人は夜の闇を利用してひそかに海中にすべりこみ、この大危難から免れたのである。
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
取りてまたたのしむべしうへ此方の仕向しむけによりむこの方より出てゆくときかねかへさずにすむ仕方しかたは如何ほども有べしとおつねちう八の惡巧わるだくみにて種々しゆ/″\に言なしつひに又七を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なし京都にありし頃佐々木安田の兩人は惡巧わるだくみにより稻葉家の家老稻葉勘解由をあざむき金三千三百兩をかすめ取しことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
源助はもとより人がいからお國に奸策わるだくみあるとは知らず、部屋へ参りて孝助の文庫を持って参ってお國の前へ差出さしいだすと、お國は文庫のふたを明け
お國と源次郎の奸策わるだくみ一伍一什いちぶしゞゅう立聞たちぎゝ致しまして、孝助は自分の部屋へ帰り、もう是までと思い詰め、姦夫かんぷ姦婦かんぷを殺すよりほか手段てだてはないと忠心一に思い込み
カーニヤッツオこの言を聞きて口をあげ頭をふりていひけるは、身を投げ入れんとてめぐらせる彼の奸計わるだくみをきけ 一〇六—一〇八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
悪巧わるだくみをする。狡猾であり、詭計を以て掠め取るということ。
パウロの混乱 (新字新仮名) / 太宰治(著)
罪なきお千代に罪を負わせ、うして他へ嫁にく邪魔に成るようにお千代の顔へ疵を附けようとする悪策わるだくみを權六が其の通りの事を申しましたから、長助は変に思いまして
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こは後より追々にし出ださんずる悪計わるだくみの、人に知られんことを恐れしなりけり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まをさばそのこゝろうらみなり父樣とゝさま惡計わるだくみそれおあそばすにおこたへのことばもなけれどそのくやしさもかなしさもおまへさまにおとることかは人知ひとしらぬ家具やぐえり何故なにゆゑにぬるゝものぞなみだいろのもしあらば此袖このそでひとつにおうたがひはれやうものひとあなけものとはあまりのおほせつもりても御覽ごらんぜよつながれねど
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
世故せこに慣れきって、落ち付き払った中年の婦人が、心の底の動揺に刺激されてたくらみ出すと見える残虐な譎計わるだくみは、年若い二人の急所をそろそろとうかがいよって、腸も通れと突き刺してくる。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)