“さや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サヤ
語句割合
75.1%
12.6%
2.6%
1.5%
1.5%
1.5%
1.3%
清明1.1%
0.7%
0.4%
紗綾0.4%
清麗0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
狭屋0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここだ、藤六は槍のさやをはらい、しずかにそちらへ近寄った、そして広縁へとび上りざま、障子を二枚、さっと左右へ押しひらいた。
足軽奉公 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
まあだなんちつてもさや本當ほんたうふくれねえんだから、ほんのまめかたちしたつちくれえなもんだべな、そりやさうとまめはえゝまめだな、甘相うまさうでなあ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ぬさ立てて、小松植ゑてな、あなさやけおもしろ、雪よ雪こんこよ、ハレヤとう、ヤソレたたらと、夜すがら遊ぶ。
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
のもとに夕餉のさやあらはなるまづしき磯に行けばひもじさ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
遊行ゆぎやうしてさやり無してふ日はあらずただになづみぬうちこもりつつ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
だが、そのとき、殺気をなごめるようにぽっかりと光芒こうぼうさやけく昇天したものは、このわたりの水の深川本所屋敷町には情景ふさわしい、十六夜いざよいの春月でした。
目のひて幽かにしし仏像みすがたに日なか風ありてさやりつつありき
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
常無きはいよよ清明さやけしさらさらに冬の淡水まみづもながれ来にけり
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
さやかなる眼にキトわれを見しが、互に肩を擦合せて小走りにるよとせしに、つかつかと引返して、冷たききぬの袖もてわがうなじを抱くや否や、アと叫ぶ頬をしたたかに吸いぬ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この日ごろ近き空地あきちに來てさやぐ軍馬ありけり風の夜寒よさむ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
その松の中へ、白鷺とふくろうねぐらした夢は、ここではっきり覚めました。七宝のよそおい螺鈿らでん衣桁いこうもたちまち消えて、紗綾さや縮緬ちりめんも、わら、枯枝、古綿や桃色のせた襤褸ぼろの巣となったんです。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここゆ見る不二のすがたは二方に裾廻すそみひき張れ清麗さやけきまでに
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
不二ヶ嶺はいよよ清麗さやけし群山むらやまの高山がはるに天そそり立つ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
針の落つる音も聞くべきまで物静かなる夜の御堂の真中に在りて、水精すゐしやうの珠数を擦る音のさやかなる響きいと冴えて神〻し。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
泉津よもつ平坂にさやります千引石を道返ちかえしの大神といい、磐長姫が皇孫の召し給わぬを恥じ恨みて、うつしき蒼生たみくさは木の華の如くに衰えんとのろわれた事から察せられ、又磐が神のいます神聖なる場所で
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
その聲が、ク、ク、ク、と後を刻んで、何處ともなき青葉のさやぎ!
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
このあたりに、荒城あらき狭屋さやとなえて、底の知れない断崖きりぎし巌穴いわあながあると云って、義経の事がまた出ました。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その声が、ク、ク、ク、と後を刻んで、何処ともなき青葉のさやぎ!
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)