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冴
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さや
ふりがな文庫
“
冴
(
さや
)” の例文
その間に月が変って十月になり、長い間降りつづいた
秋霖
(
あきさめ
)
が
霽
(
は
)
れると、古都の風物は日に日に色を増して美しく
寂
(
さ
)
びてゆくのが
冴
(
さや
)
かに眼に見えた。
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
冴
(
さや
)
かなる眼にキトわれを見しが、互に肩を擦合せて小走りに
入
(
い
)
るよとせしに、つかつかと引返して、冷たき
衣
(
きぬ
)
の袖もてわが
頸
(
うなじ
)
を抱くや否や、アと叫ぶ頬をしたたかに吸いぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一年
(
あるとし
)
夏の
半
(
なかば
)
、
驟雨後
(
ゆふだちあと
)
の月影
冴
(
さや
)
かに
照
(
てら
)
して、
北向
(
きたむき
)
の庭なる竹藪に
名残
(
なごり
)
の
雫
(
しづく
)
、
白玉
(
しらたま
)
のそよ吹く風に
溢
(
こぼ
)
るゝ
風情
(
ふぜい
)
、またあるまじき
観
(
ながめ
)
なりければ、旗野は村に酌を取らして、
夜更
(
よふく
)
るを覚えざりき。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
冴
漢検準1級
部首:⼎
7画
“冴”を含む語句
冴々
冴渡
冴返
冴切
音冴